年金記録問題検証委員会の座長を国会証人喚問すべきだ (SD4)
2007年 11月 02日
「年金記録問題検証委員会」の最終報告のこと。
「責任の所在」(読売新聞掲載・要旨)
「社会保険庁職員」=責任の一端があり、すべての者が厳しく反省すべきである。
「歴代の社保庁長官をはじめとする幹部職員」=責任は最も重い。
「事務次官を筆頭とする厚労省の幹部職員」=重大な責任がある。
「厚労相」=統括者としての責任は免れない。
「職員団体」=業務の合理化に反対し、待遇改善を目指すことに偏りすぎた運動を展開したことにより、年金記録の適切な管理を阻害した。
不備データの存在についてはその処理について社保庁とシステム開発事業者が記録を全く保存していないことは責任を免れない。
分かる?
要旨のまとめ方が良くないのかも知れないが、俺には分からん。
「一端の責任」という意味は職員の一部についていっているのかすべての職員についていっているのか。
「はじめとする」「筆頭とする「統括者としての」それぞれのエライさんはすべての人が同じ程度に責任があるというのか。
それとも特に”悪い奴”がいるのか。
逆に無罪はいないのか。
諸々の理由により責任者の特定(それが全員であるとしても)が出来なかったのならそのように報告すべきだ。
諸々の理由のうちに事務局の抵抗とか歴代大臣の非協力などがあったとしたら、それこそ個人名をも明らかにして報告すべきだ。
「免れない責任」やら「最も重い」、「一端の責任」、「重大」などいろいろに表現された責任が具体的にどのように果たされるのだろう。
歴代長官は給与・退職金の全額返還と謝罪会見とか。
もちろん今公職についていたら辞任だ。
本当に全員が責任者だとするなら全員に責任を取らせなければなるまい。
(それは委員会の仕事ではないかもしれないが)。
なんとなく「一億総懺悔」という言葉を思い出す。
「すべての者」は何を厳しく反省せよというのか?
そんな所に席を置かずに早く退職すべきだった?
真面目一筋に社保庁で働いてきた人だっていると思うがなあ。
そういう人は抗議すべきだけれどヒステリックな世の中に怯えて何もいえないとしたら気の毒なことだ。
職員団体が待遇改善を目指す運動を展開するのは当たり前だ。
理不尽な要求や戦術が業務の阻害をきたしたとしたら、それはそういうことを認めた当局に責任がある。
それとも委員会は組合の運動方針を槍玉に挙げる”責任”があるとでもいうのだろうか。
どうも上記の「責任オン・パレード」は実際は個々人には何も求めていないようだ(横領などの犯罪行為は別として)。
職員たち、歴代幹部、歴代長官などというモンスターがいてすべてをやったとでも云うのだろうか。
ナチスの手を逃れてアメリカに亡命したユダヤ人哲学者・ハンナ・アレントは「責任と判断」(筑摩書房)に書いている。
すべての人に責任があるのであれば、誰にも罪はないことになる。
わたしたちは集団的な罪について考えるのではなく、個人の名前を示す必要があるのです。社保庁の解体をする前にきちんと”落とし前”をつけて欲しい。
そうでなければ
「委員会の責任」=すべてを言葉だけのものにしたことにより最終的な責任があることは間違いない。
まさにこういう訳の分からない報告書で幕引きをしようとする日本官僚の悪しき体質こそ年金問題の底流に横たわるはずなのに”ミイラ取りがミイラだった”。
民主党をはじめとする選良たちは国会の場で上記の点を厳しく追及すべきだ。
委員会座長の証人喚問もすべきだ。
一旦処分済みの不良職員について追起訴を行なうと張り切っている升添大臣は特にこんなアヤフヤナ報告書で責任問題を幕引きすることはないと思うが、、、
もしそうだったら貴方も最終最高責任者となるよ。
写真は四谷「蓬莱湯」の番台。30年以上、お金を置いたところが磨り減ってくぼんでいるのが分かるかなあ。
年輪のところにお客が金を置くとそれを滑らかして受け取る。
その道筋に沿って磨り減っている。
年金問題も必ずこんな証跡があるはずだよ。
たしかにその通りですね。しかし、そんなことは誰にも解っていますよね。
年金記録はミスというより意図的なルール違反、職務懈怠だと思います。こういう方法では駄目だと解っていたはずですよ。しかし不備を告発して身を危険にさらすことはない。
いずれ問題が露呈するだろう。しかしその時はその時、構造や体質の問題として自分自身が問責されることはないだろう、と割り切っていたのではないですか。
為すべきことを成す、より、馴れ合い、保身ですね。
救いようがないですね。
救われないのは国民なのですが・・・。
延々と続いた「大過なく」が「大過」を作り上げてきた,そんな感じです。「私は笛を吹いたのに,誰も踊ってはくれなかった」との自己合理化的弁明すら聞けないとは,誰も何もしなかった,しようとしなかったということですか,。
そういう委員会の体質と同じものが社保庁にもあった、そのことをしっかり糾明すべきだったのに。
名言ですね。大政翼賛会、一億火の玉、一億総懺悔・・・よく言ったものです。日本の伝統でしょうか。
四谷「蓬莱湯」の番台!驚きました。よくこれを写真に記録し適切に引用されたものですね。
古いあまりきれいとはいえない銭湯ですが風呂は気持ちが良かったですよ。
20歳になって国民年金の保険料を払い始めたときに、祖母が「私(年金受給者である祖母)に直接払うんでもいいことにすればいいのにね」と言っていました(笑)。今となっては冗談どころか、ほんとに国を通さないほうが損が少なそうです。
まあ、それは制度の問題ですが。
お若いですなあ。