気持ちが澄んでくる楽しさ 映画「スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー」
2007年 08月 25日
フランクとポラック、親友同士がフランクの建築の秘密を語り合い探り合う楽しい刺激に富んだ映画だ。
彫刻のような、オブジエのような建築、一度見たら忘れられないような建築。
従来の建築の概念を打ち破り多くのファンに支持されている巨匠だが若い頃は施主に理解されずユダヤ人である故に苦労もし妻とのトラブルを抱えセラピストの門を叩く。
セラピスト「フランクが建築においては私の先生であるということを理解してから彼は大人になった。それまで施主を説得しようと必死だったが、施主に建築を教えようとするようになった」
「今の奥さんと一緒になってからフランクは穏やかになった」
フランク「チームで仕事をするということが分かってから考え方が変わった」
事実現在のフランクの工房は一人ひとりが主人公であるような多くのパートナーや職人があたかもフランクという右脳の手足となったり逆にアンテナとなってフランクに影響を与えながら作品のアイデアを煮詰めている。
幼い子供が紙に描いた落書きみたいな線の集まりがいつの間にか立体の模型になっていく。
紙、針金、板、、さまざまな素材を捻ったり切ったり、くっつけたりしながらイメージを形にしていく。
あるときは古い名画の記憶から得た形であったり、人類は元々魚であったという思念から発した形であったりする。
コンピューターの先端技術が彼の特異な構造を現実の建築物として結実するためには必須だ。
建築家、ロックシンガー、評論家、ジャーナリスト、美術館長、ウオルト・デイズニー会長などの施主、映画プロデューサー、、多くの人々が登場してフランクについて語る。
否定的な見解も述べられる。
「批判的な文章は出来るだけ読むことにしている。何か取り入れることが出来ないかと考えるんだ。そのまま受け入れるわけではないけれど」
「不安なことや怒りたいことがあってもできるだけ顔に出さないようにしている」。
写真上はスペイン・ビルバオ「グッゲンハイム美術館」下は「ドイツ銀行」
ニューヨークにも作品があるのに見ていない。
何も知らない、教養がないということは勿体無いことだ。
もう、あんな遠くに行くことは出来ない。
フランクが少年時代、破産した父と住んでいたトロントのアパートの下を走りながら「あそこが私たちの家だった。親子でトラックの運転士をしてね、有名人の家に朝食を配達した。クリスマスデイナーに招待されたんだ」と思い出を語るシーン、
スコットランドに彼の亡くなった親友マギーの記念にサナトリウム?「マギーセンター」を無償でつくってあげた話とその建物の映像、、とくに印象が強かった。
音楽もよい。
どんな所に建っているのかしら、周囲の景観との調和は・・・・
実物が見たいですね。
素晴らしい映画を、紹介してくださってありがとうございます。
写真は何度もなんども見させていただきます。
ビルバオの町に異彩を放っていますが、町の人たちは誇りに思っているようです。この美術館はフランクだけで作ったのではなく町の人々の理解があったからできたと。
神戸にオブジエか何かがあるようですね。魚の形。
私も観に行きたい作品でした☆よし!行ってきます!