お化けは好きですか? 柴田宵曲「続 妖異博物館」(ちくま文庫)
2007年 03月 27日
前のを読んだわけじゃない、しかも読んでない本が一杯積読(ツンドク)になっているというのに。
中国や日本の古典に出てくる妖怪の話、変身譚、仙人の話、、次から次へと博覧強記の著者その人が”語るお化け”になって飽きさせない。
薄気味悪い話も多いが雅趣に富んだ話もある。
シエイクスピアやアラビアン・ナイトなどまで古今東西、似たような不思議な話を人は愛し語り伝えてきたようだ。
その一つ。
北勇治という人が外から帰ってきて自分の居間に入ったら机に寄りかかっている男がいる。
人の留守に勝手に馴れ馴れしいことをする、いったいどんな男かとよく観ると後姿が自分に似ている。
不思議でたまらぬから、歩み寄って顔を見ようとしたら、向こう向きのまま障子の細めに開いたところから縁側に出た。
追いかけて障子を開けたときにはもう何も見えなかった。
この話を母にすると何も言わずに顔をしかめた。
勇治はその後患いだしその年の内に亡くなった。
北の家ではこれまで三代、自分の姿を見てなくなっていたのだが勇治のみがそれを知らなかったのだ。
「奥州波奈志(ばなし)」に「影の病」として書いてあるそうだ。
「離魂病」といって古くから中国や日本でいろんな形で伝わっている。
月をたもとに入れてみせた仙人、掌ほどの蝶の背に座っている紅い着物を着た親指ぐらいの女の子、自分の首を膝の上に置き、静かに髪を梳く婦人、、多士済々、妖しの国は愉快だ。
現代日本にも妖怪みたいな奴は一杯いるけれどこの本に出てくるような連中に比べるとどうも垢抜けないね。
「続」が出てる位だから、きっと面白いに違いないっていう考える事もあります。
う~ん、どっちなんでしょう。読んで見なけりゃ分からない。
迷ってしまいます。
月をたもとに入れた仙人、蝶にのった赤い着物の少女、幻惑的で魅了されてしまいそう〜。創作のヒントになりそうです☆読んでみます〜
ユーモアにも富んでいます。おすすめ。
でも、読んでみたい気がします。
私は南伸坊さんの「仙人の壷」、「李白の月」という、中国の回帰話のマンが+エッセイの本が好きです。
ちょっと怖かったり、滑稽だったり、意味不明だったり、なんとも暇つぶしにはうってつけ。
・・・お忙しいsaheiziさんに薦める本じゃないか。
又”来訪”しますね。
最近の生身の人間が一番怖い。当ってる。