「武士の一分」 「分」たァなんだ?

この映画の宣伝凄いね。
そういえば「分を弁えろ」という言葉があった。
「分相応」なんていい言葉だと思うが、
過去形にしたのは今はもう死んでしまったように思うからだ。

お金さえ払えばいいんでしょ、とか俺は社長なんだから、誰も文句言わないし、といった考え方とは対極にある考え方だ。
使われることがあってもサラリーマンがアホな上司に直言したときに肩書をカサに着て押さえ付けるときくらいかな。国語的には正しいかも知れないが倫理的には誤用。

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今朝バス停で来ないバスを待っていたら
カチャ、後ろの門が開いてお嬢さんが出て来た。
お父さんがエライさんらしくお迎えの車で出勤するのを時々見掛ける。
たまにお嬢さんも便乗している。
今日はお一人、サッとタクシーを停めて乗り去った。その時、この言葉が頭に浮かんだのだ。


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なあにー実はちょっと羨ましいのとイマイマシかったというのがホントの気持ち。
俺とて車の送り迎えがつくポストにいたこともある。でも常に謝絶して母から貰ったアンヨで通勤していた。
浪人間際の今は勿論そんなサービスはない。
無くなってみると物欲しいような気持ちになるのは、俺もシレタもんだ。
そうやって考えてみるとお仕着せの車を断るなんてことは俺の「分」にすぎたことだったのかもしれない。たいした「分」ではなかったてことかも知れない。
きざな言い方に聞こえるかもしれないが。

写真は沖縄のアナゴどもと、池之端・藪蕎麦、やはり旨いな。アナゴは食ったわけじゃないが。
Commented by 散歩好き at 2006-12-14 22:40 x
小生の家では「塩梅」を親父に何かに着け言われました。調和でしょうか?「分」に通じる言葉です。
Commented by otayori-otayori at 2006-12-14 23:04
お仕着せの車を断る気概(やせ我慢??)いいですよ!!
やせ我慢て大事なような。。。
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-15 08:49
散歩好きさん、そうですね。独特の調和感覚でしょうね。今の若者たちに教えてあげたい。
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-15 08:50
otayori-otayoriさん、やせ我慢の一生だったかもしれません。後悔しちゃいけないですよね。最後までやせ我慢で行かなきゃ。
Commented by Count_Basie_Band at 2006-12-15 09:37
お仕着せの車に加えて「領収書不要」交際費枠も返上したら、部下後輩から拍手喝采を受けましたが人事担当専務から叱責を受けました。「同格の連中の身にもなって見ろ」
所詮、勤め人は好きなように生きられないんですな。だから私はサッサと個人事業者に転向しました。
Commented by みい at 2006-12-15 10:31 x
おはようございます。
この記事拝見して、忘れかけていた、祖父の言葉を思い出しました。「分相応に生きよ」が父に遺した言葉だったようです。それに父は反発したそうですが・・・当時は。
でも、今その言葉が私には、ひびきます。
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-15 12:32
Count_Basie_Bandさん、会社お雇いの運転手仲間からも嫌われました。彼らは公私混同して人(車)使いの荒いエライサンが好きなのです。残業手当も着くし。
県知事に会う用があって途中でネギなどを買って(単身赴任でした)秘書室に預けました。
あとから知事公室の人から私の会社に電話があって「せめて知事に会うときくらいは車で来たほうがいいのでは」だと。
余計なお世話だっちゅうに。
たまに高級な料亭宴席に行くとき玄関で不審な目で迎えられました。御用聞きにしてはネクタイしているし・・。
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-15 12:37
みいさん、使いようによっては本文に書いたように抑圧の言葉にもなりますが、「謙虚」という言葉と重ね合わせるといい言葉だと思いますよ。分相応になってないのが不相応、みっともないことに本人が気がついてないことが多いです。若者の高級ブランド志向など。
Commented by Count_Basie_Band at 2006-12-15 13:53
>彼らは公私混同して人(車)使いの荒いエライサンが好きなのです。残業手当も着くし。

休日はゴルフや奥様のお買い物のお供でお小遣いに昼飯代。ゴルフの練習もし放題。だから上手くなるんですよ、アイツらは。

>途中でネギなどを買って(単身赴任でした)秘書室に預けました。

アタシャ、そこまではやってませんが(^^;)、

>たまに高級な料亭宴席に行くとき玄関で不審な目で迎えられました。

は日常茶飯。そして「高級な料亭宴席」は疲れますから、帰途、自分の「隠れ家」に寄りたくなるでしょう。それが問題なんですよ。
ヤツらは制服を着たスパイですからね。全部上に筒抜け。
Commented by fuku(庶民) at 2006-12-15 15:32 x
ネギ!は最高。鴨がついて戻ってくることはなかったのですね。
形形形・・好きですねー、日本人は。
わが町は、ハイヤー族のマンションと庶民(学童、保育園通いが多い)マンションがあります。当然ながら、ハイヤー族のマダムから、庶民の働く母と子は差別されました。ハイヤー族の夫の笠を着る妻たちもいるんですよ。テヤンデー、って思いましたけどね。若いころ、番記者の知り合いがハイヤーで私用に乗りつけ、深夜まで待たせていた、嫌な気分を思い出しました。よかった!saheiziさんがそういう人でなくて。
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-15 20:17
fukuさん、お父さんがエラクても娘は娘という考え方はそんな笠かぶりお母さんがいたんじゃどうしようもないですね。格差固定社会の進展でそういう連中がますます増えていくと思うとなんだか情けなくなります。
Commented by きとら at 2006-12-15 23:19 x
 藤沢周平の口癖は「普通が一番」でした。
 庶民の口癖は「せめて人並みに」でした。
 
 一旦は人並みの暮らしが実現したのですが、昨今は雇用融解で人並み以下のワーキングプアが増えました。改めて、せめて人並みに、と思う今日この頃です。(笑)
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-16 00:32
きとらさん、心さえしっかりしていれば、といっても人並みの生活は必要です。それを望むことは当然だと思います。しかし、このままではワーキングプアは減りそうもないですね。
Commented by hanamaki3 at 2006-12-17 17:09
上野藪?
お盆の感じが池の端藪のような気がするけどな~
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-17 23:02
上野って池之端じゃなかったっけ?確かに池の端でしたよ。
Commented by hanamaki3 at 2006-12-18 14:59
上野に「上野藪」と「池の端藪」があるのよん。
じゃあ池の端のほうね。これはかしわ南蛮?かな?
随分変っちゃったのね。
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-18 15:16
hanamakiさん、それは知りませんでした。謹んで訂正します。
美味しいけど量が少なくて若い子は二杯づつでも物足りないようです。高くつきますね。
Commented by Fou at 2006-12-18 23:58 x
私も知らなかった。
上野の藪、と言えば池之端の通りの1本か2本奥の路地にある店。
池之端の通りに藪? と思いながら読みました。
私が知っている池之端は十三夜、伊豆栄(こうだったかしら)くらい。
Commented by Fou at 2006-12-19 00:07 x
(言い残し)
そして、藪と同じ通り?に「江戸...」とかいう江戸家具の店がありましたね。露柴の文様が得意な家具店。友人の結婚祝いに何度か贈ったことがあるけれど、自分のものは何も持っていないみたいです。
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-19 08:15
Fouさん、おはようございます。
池之端というのは一帯の地名ではないですか?
一つ一つのお店はあまり知らないけれどなんとなく懐かしい地名です。
若い頃、ある種の憧れを抱いて歩き回りました。
最近美術展や寄席に行ったりして歩くことが増えました。あの頃は何をみていたんだろう?と思うような”新発見”があります。
皇居とは違った意味で東京の大事な中心だと感じます。
東京というより江戸かな。
Commented by 散歩好き at 2006-12-19 22:03 x
池之端仲通りの入り口に連玉庵と言う蕎麦屋があります。ここも文人が寄ったところです。上野藪は丸井の裏の小さな交差点の斜向かいブルームーンの前にある蕎麦屋さんですよね。子供が食べ頃の時分からその近くの大型餃子の昇竜に良く行きました。
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-19 23:54
連玉庵もいいですね。藪より安いのではないでしょうか。
でもはじめての人を案内するときはやはり藪にしてしまいます。
とりあえずは、という感じですね。
上野藪は未体験です。今度行ってみます。
Commented by ginsuisen at 2006-12-20 01:29
蓮玉庵。若いころ、同僚といったときに、彼女がお蕎麦を食べる前にお茶が欲しいと頼んだら、「うちは蕎麦の前に出すお茶はない」と言われました。初めて、田舎者の二人がお蕎麦を食べるための流儀があることを知った店です。同僚の友人は二度と行かないと言いましたが、私はそれから上野に行くたびに通いました。蓮玉庵のとろろ蕎麦、美味しいですよね。
Commented by saheizi-inokori at 2006-12-20 08:12
神田の藪と松家の関係に似ているかもしれませんね。
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by saheizi-inokori | 2006-12-14 22:10 | よしなしごと | Trackback | Comments(24)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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