”希少価値”を創りだせ! 万里さんに教わる販売哲学
2006年 07月 11日
するとクリームに含まれているアルコールがパンにしみこんでいく。十分に沁みたところでクリームをそぎ落としパンを食べる。
ゴルバチョフが反・アルコールキャンペーンを張り節酒令を行ったときの実話だ。
砂糖があれば何かを発酵させて酒が作れるから町中の砂糖がなくなった。それでも足りないから・・。
「自壊する帝国」に佐藤優が書いていたのを読んだばかりなのに、米原万里も「魔女の1ダース」に書いているのに出会った。
当時のソ連政府機関紙「イズベスチヤ」に掲載された学術論文にも載っているという。
日本でも酒が手に入らない時期に密造酒どころか薬用アルコールを飲んで体を壊した文化人も一人や二人ではないが靴クリームまではね。やはりロシア人のウオトカは命の水なのだなあ。
米原は”満たされぬゆえに欲望が増長する”という。逆に供給過剰なら欲望も萎える。シモネタ好きな万里さんは「ヌーデイスト・クラブの海水浴場で勃起している男はいないものだ」とのたまうのだが。
希少価値は欲望を刺激し値段をつり上げる。子供の頃のバナナ,牛乳、生卵、キャンデイー。
過剰供給・飽和状態の市場を切り開く残された手段はこれだ。
欲望を刺激して要らないものでも欲しいという気にさせろ。その商品・サービスに対する餓え(かつえ)を創りだせ!
満腹でも欲しくなる”ここでしか食べられない””極上の””名人の至芸””あと一つしかない”食べ物たち。テレビには「おいしーい!」を連発する同じ顔の(違う人らしいが俺には見分けがつかない、皆さん”個性的”だから)女の子たち。
狭い部屋でも”この夏一番の””日本初上陸””手作りの”洋服に手が出て結果は”賢い収納特集”と”今からでも間に合うダイエット特集”。
しかし、キャッチフレーズや売り方で”創り上げられた””でっち上げられた”希少価値なんてものは所詮インチキだから乗せられた消費者も直ぐに周囲のみんなが”ここだけの”ものを食べて”自分だけのみんなが着ている”ブランドを身につけていることに気がつく。実際の価値もたいしたことがないと気がつく。
本当の希少価値を創りださないと長い勝負には負ける。
そうするのは実は難しいことではないのだ。
常にお客様のことを考えて、寝ても覚めてもお客様のことを考えて、お客様第一の商品・サービスを誠心誠意創りだすこと。
たったそれだけのこと。
なぜ、それが希少価値になるのか?
やってる人が少ないからです。
私の今の生活で満たされていない部分はどこだろう?と考えてみる。
窓の外の美しい月に、レトルトだが中村屋のカリーに、
インターネット購入したお気に入りの本たちに・・・。
う~ん。
過飽和には程遠いものの、これはある程度しあわせな状態だ。
そうだな、あと求めるとしたら 「時間」 だ。
時間を過去に戻せとは、いわない。
あと10年。
今のままの歳、体力をあと10年続けたい。
ま、でも仮に、「さあさ、本日より歳をとらない10年をさしあげましょう」
なんてことになったらその途端、時間への執着も薄れ、
(男だったら)ボッキもしないんでしょうね。
時は過ぎ行くからせつなくていとおしい。