北条に学べ 長谷川宏「日本精神史 御成敗式目」
2017年 10月 17日
暗愚の身だから考えが足りなくて間違った意見を述べることもあろうが、それは悪意から出たものではない。それとは別に、だれかに味方して、それが道理だと分かっていながら理に反すると強弁したり、根拠のない訴えを証拠ありと主張したり、人の欠点を隠蔽するために、事情に通じていながらそれを口にしなかったりすれば、ことばと本心とが相違し、後に非難を招くことになろう。安倍政権とそれにぶら下がる役人や司法関係者に対する警句ではない。
評定の場にあっては、訴訟当事者にたいする親疎や好悪によって理非を判断してはならない。もっぱら道理に従い、心に思うことを、同僚に遠慮せず、権門を恐れることなく、しっかり発言すべきだ。ひとたび判決が下されたとなれば、それが道理にかなっていたとしたら一同が理にかなっていたことを意味し、根拠のない判決なら一同が法を犯したことを意味する。
御成敗式目(1232年、執権・北条泰時が評定衆の協力を得て作成・公表した51か条の法典)を公布するにあたり泰時以下13人の評定衆が神仏に誓った起請だ(長谷川宏・口語訳)。
ただ道理だと思えるところを記したまでだ。そのように前もって制定されていないと、ものごとの理非を問わないで当事者の力の強弱をもとに裁決がなされたり、判決済みの案件が素知らぬふりして再び裁決の場にもち出されたりすることにもなる。それでは困るので、裁判の基本を定め、身分の上下にかかわりなく、依怙贔屓もなく裁決がなされるように、と、一条一条書きとどめておいたのだ。泰時が弟にあてて書いた手紙の一部(口語訳・長谷川)。
頼朝から政子の時代に将軍から与えられた所領は、それ以前の所有者が現れて返還を求めても返還しなくてもよい、という「不易の法」、20年以上継続して支配した土地は書類上の権利いかんにかかわらず知行権を認める、という「知行年紀法」の二つ、すなわち領地をめぐる裁判の二大原則をうたう。
御家人領地の安堵こそが武家政権による東国支配の基礎であった。
それまで認められなかった女性の財産相続や養子をとって領地を譲るという現に存在していた慣行を是認して裁判上の基準にする。
農村における男女の共同生活という土着の生活実感が、法の制定に当たってもリアルな実感として生きている。強姦のみならず和姦であっても、人妻を抱きしめた者は、所領の半分を没収され、出仕を禁じられる(所領がなければ遠流の刑)。
色好みの貴族社会とは、かけ離れた規定は、
一対一の男女の結合によって夫婦関係が生まれ、二人のあいだに子どもが生まれることによって家がなりたち、その家が維持されることが社会の安定と発展のもとになるという倫理意識だ。武士たちは、貴族たちと違って、たとえば戦闘の場面で、状況判断など各自の決断に基づいて行動した。
そのような主体性は、判決を下す(評定衆の)合議の場においても、道理を踏まえた知的・持続的な主体性としてあらわれねばならない。
それが、冒頭の起請に生き生きと表現されている。
御成敗式目は日本精神史上まれに見る高度な知性と合理性を具えた法思想の表現であり、政治思想の表現であった。安倍はどうせ取り戻すなら、こういう精神を取り戻すべきだ。
鎌倉時代、、江戸時代を経て明治時代、現代社会へと、、、
安倍様にしたら絶好のチャンスで行き成り解散!!
今の所目論見書通りに、、 株もアップ気味 一般人はアップアップ、、 選挙当日に成り投票所変更された処も多いのではないでしょうか?! 何故か?!