たった一人の参会者

今朝は爽やかな秋日和、洗濯にはもってこい、二回やってストレッチもフルバージョン(マイナス四股、足がちょっと痛いので)。
今週はさすがに8千歩には届かない日が多かったけれど平均では8200歩を確保できた。
その内容が病院の行きかえりとか葬儀の相談準備とか気持ちよく散歩したのではないから足も喜ばなかったかな。
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昨日もほぼ一日かけて葬儀の相談、ようやく答えがでた。
家族葬、こじんまりと身内だけで心のこもった葬儀をというのが、遺された義兄(喪主)の意向でありカミさんも同意だ。

小さな規模で身内だけというなら、何をそんなに相談することがあるのか、と思うが、さにあらず。
最終結論が出るまでにはいろいろ詰めなければならないことが多い。
義兄とカミさん、葬儀屋さんの間に入って、意思疎通の仲介をする場面も多々あった。
自分のことなら、さっさと決められても、懐具合や人生観、どういう「身内」がいるのかもよくわからないから、忖度しながらの話だ。
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今までの自分が施主だったり一般会葬者として関わった多くの葬儀のいろいろ、二千人を超す参会者のあった葬儀、キリスト教式、神式、社宅の玄関を入ったところに祭壇を設けて焼香してもらった葬儀、田舎の家の葬儀、、を思い出す。
時間との戦いの中で葬儀社などの言うままに、ひたすらミスのないことを念頭に進めてしまったこともある。

お通夜のもてなしについて、学生時代に祖父のお通夜(自宅でやった)で施主の叔父が酔って酒臭い息でいろいろ話しかけるのに反発したことなどもあって、亡妻や亡母の葬儀のとき料理や場所の用意はしても、自らは最後まで式場に残って参会者に挨拶をし続け、酒食の場所には顔を出さなかった。
事実、式が終わったのちも参会者の列はいつまでも続きもしたし、笑い声すら漏れる酒の席に出る気力・体力もなかったのだ。
句集を発行したいと亡母の俳句の仲間たちがいらしたときに、さいごの模様や思い出を語りたかったと、文字通り面罵されて、ああ、なんと未熟な息子だったかと、それを思い出すと今でも叫びだしたくなる。
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(ゆうべは「はじめ」に行く元気が残っていた)

それはともかく、そもそも葬儀入門なんて小学校から大学卒業まで改めて学んだことがないのだ。
仏教の教え、宗派や坊さんの違い、土地の言い伝え・習わしに一族の長の意向などが絡み合って伝わってきた葬儀のやり方。
それにビジネスとしての寺や葬祭業の「アイデア」などが加わり、「世間体」とか「故人の遺志」「故人の冥福のために」などが殺し文句になって葬儀本来の趣旨が見失われていることがないだろうか。

亡妻はさいごにいたホスピスの構内にあったチャペルの讃美歌を聴いて、こういう葬儀をしてくれといい、神父さんに信者ではないけれど大丈夫ですか、遺された者たちは仏教であっても「あちらの世界」で逢うことはできるのだろうか、などと尋ねたうえで、キャパシテイなどの事情もあって三鷹の寺に神父さんにお出まし願って大きな葬儀を司式してもらった。
いよいよというときに、神父さんや聖歌隊の人たちが病室に来てお祈りをしてくれたなあ。
でも山梨のお寺から日蓮宗の戒名(葬儀社のいう相場から見たら、ほんとうに「お気持ちだけ」のお布施で)をいただき、葡萄畑の中の墓地で眠っている。
聖公会の信者だった伯母は教会だった。
概してキリスト教は簡素でみんなで讃美歌を歌って送ったりするのがぼくの「好み」(葬儀式の在り方として)ではある。

とはいえ、自分の遺志として葬儀をどうしてほしいのか。
やらなくてもいいけれど、みんな(カミさんと子供たち)のやりたいようでいい、基本はやらなくてもいい、ということかな。
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(義母が大好きだった「翁寿司」の親方の体調が好転することを祈る)

とつおいつ、考えてみたら、葬儀の基本は
家族が自宅で故人の寝床のある部屋で、泣いたり、故人の思い出話をしたり、感謝の言葉を口にしたりして、酒も飲み(僕も成熟した?)、酔ってはまた故人の顔をみて焼香したりして、火葬場に出発するまでのお別れをする。
ということじゃないだろうか。
たった一人の参会者なんてのも悪くないような気がする。

Commented by 豆ママ at 2017-10-08 13:27 x
旅立って行く方もまた、お寂しいんですよね・・・
昨夜、そんなさのさを聴きました。
いずれにしても寂しくなりますね。
Commented by saheizi-inokori at 2017-10-08 13:41
> 豆ママさん、なんにも言わないまま逝きました。
一週間前にカミさんが行ったときに施設の人がだれか分かるか尋ねたら「娘です!」と言ったそうですが、愚痴みたいなことは一切言わなかったそうです。
Commented by koro49 at 2017-10-08 17:07
自分の葬儀の希望は家族葬でと伝えています。
子どもたち、孫たちだけでいい。
散骨希望でも、それは断られました^^;
仏事で全部済んだら、感謝しながら旅立ったことだけを伝えて欲しいと。
自分の事は決めれるけど、義父母の事は私は言われた通りにするだけ。
義父の時は、この家に連れて来て、それから怒涛の日々でした。
今は、体力が無いから、あの時と同じようには出来ないと話していますが^^;
主人も家族葬でいいと言ってますが、どうなるかな?
Commented by saheizi-inokori at 2017-10-08 21:22
> koro49さん、義母と一緒に住んだらどうだったかな。
車で40分の距離がよかったのかな。
死んだ後のことなど何を言っても当てにならないとは思うけれど、それでも言っておいた方が親切なのかとも思う日々です。
Commented by doremi730 at 2017-10-09 00:56
亡き主人の通夜は、坊さんは呼ばずに
ずっとJAZZを流し、白いフリージアの献花を
お一人ずつして頂きました。
翌日の葬儀はお寺の墓地に入れる関係で
お坊さんにお経をあげていただきましたが、、、
私も曲を指定で息子達に頼んであります。
友人達に集まってもらって、一晩中でも呑んで
笑って送ってほしいな、、、、
Commented by j-garden-hirasato at 2017-10-09 06:39
自分の時はどうしてもらいたいか、
真剣に考えた方がイイかなあ。
いつ何が起こるかわからない世の中だし。
Commented by ikuohasegawa at 2017-10-09 07:53
自分の時は
「最近見ないと思ったら亡くなったらしいよ」
っていうのが好みです。
Commented by ginsuisen at 2017-10-09 08:07 x
お葬式って、家族のものですよね。すでに、母の親戚も友人もあちらの世界に行っていて・・の母の葬儀は、家族だけでしました。お金だけが目当ての遠い寺の住職は絶対来ないので、お坊さんなし、無駄な祭壇なしの葬儀。それでも、姉妹4人に孫たちが6人、連れ合い2名の結構な人数。お棺には、あちらでケーキができるように、少しの粉と砂糖を入れて・・レシピ集はダメといわれました。紙は舞い上がって火葬ストップになるとか。火葬場で待つ間には、お棺にも入れた私が焼いたケーキと手作りチョコレートで母をしのびました。町内会の人にも遠慮していただいたこじんまりの葬儀。夫たちにも口出しさせませんでした。一切相談もしなければ口出しもさせない・これは我が家の方針みたいなものかな。義兄の関係者にも知らせなかったので、大げさな華輪もなし。すっきり。葬儀屋さんは儲からなかったかも~
たった一人の会葬者も大勢の会葬者のいる葬儀も、故人を思えば、どっちでもいいですね。
Commented by saheizi-inokori at 2017-10-09 09:53
> doremi730さん、亡妻のときは若い友人に頼んで式の前に流す曲を録音してきてもらいました。
クラシックなのですが曲名が出てこない、喉元まできてるのに。
Commented by saheizi-inokori at 2017-10-09 09:54
> j-garden-hirasatoさん、世の中に関係なくいつ何が起きるか分からない自分です。
Commented by saheizi-inokori at 2017-10-09 09:55
> ikuohasegawaさん、同感だなあ。
Commented by saheizi-inokori at 2017-10-09 09:58
> ginsuisenさん、宮川先生といったかな、その高弟でしたから、式場に義母の使った菓子作りの道具とか手書きのレシピを置こうかと相談してます。キッチンのある式場なんですよ。
Commented by tona at 2017-10-09 11:06 x
この頃この問題は考えています。
遺書を残します。つまり葬式はいらないと。
そのような葬儀屋のチラシなども冷蔵庫に張ったりして。
この考えに反対の知人もいたり、お坊さんはあの世にこれではちゃんといけないよとおっしゃいますが、意志を伝えて残った者に任せましょう。
Commented by gimsuisen at 2017-10-09 12:10 x
キッチン付?そんな式場があるんですね。近かったらうかがって、宮川方式のケーキを作って差し上げたいわ~。それにしてもお義母さまは、きっとPTMの会員?母とご一緒だったかもしれませんね。宮川先生の弟子は健啖家かも。うちの母も直前まで、刺身やいちごを食べて満足して眠るように、でした。ウナギも好きでした。やっぱり、たんぱく質!ね。
Commented by saheizi-inokori at 2017-10-09 14:45
> tonaさん、そうですね。
延命治療もいらないとか。
Commented by saheizi-inokori at 2017-10-09 14:50
> gimsuisenさん、ご馳走に目がなかった、寿司屋が驚きかつ喜びました。
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by saheizi-inokori | 2017-10-08 13:03 | よしなしごと | Trackback | Comments(16)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori