猿が舞い鵜が舞いアベが舞うか 狂言「靭猿」・能「鵜羽」@国立能楽堂
2017年 07月 31日
トランプと「さらなる(強硬)策が必要だ」という認識で一致したと語っていたのは、実は小泉のひそみにならって金正恩との対話についての事前了承を得たのであって、硬軟両様の構えということか、とちらっと考える。
動機が支持率回復を狙ったものであっても、ウソから出た誠という言葉もある、北朝鮮をテーブルに引っ張り出すことが始めの一歩だ。
まあ、夏の夜の夢だろうが。
きのうは昼から国立能楽堂で七月公演・企画公演<復曲再演の会>へ。
狂言(大蔵流)「靭猿」
大名がウツボに飾りたいから子猿の皮をさしだせ、さもなくばお前の命もないと言われた猿引きが、いったんは猿を殺そうとするが、その愛らしさに、子供のころから育てたこの子を殺すなら自分を殺してくれと泣き伏す。
大名は心を打たれ許す。
喜んだ猿引きと子猿が謡い舞う、大名も大喜び。
前半の緊迫感と後半の珍しい猿の舞いの幸福感。
猿にはじまり狐に終わるという子役の愛らしい演技にぼくも幸せ。
世阿弥の作品を平成3年に復曲初演したものの再演。
恵心僧都が九州・鵜戸の岩屋で、鵜の羽を葺き残した小屋を見つける。
それは龍宮の豊玉姫が山幸彦との間に出来た子供を産むための小屋だった。
葦などがないために鵜の羽で屋根を葺いていたのだが、ぜんぶ葺き終わらないうちに子供が生まれて、だからその子は鵜草葺不合命(ウガヤフキアエズ)と名付けられる(その末子が神武天皇となる)。
筋らしい筋もないが、前シテ豊玉姫化身(上品なパステルカラーの市松模様の着物の上にきれいな錦で縁取った紗をかけた装束)と海女の美しさ、後シテ・豊玉姫の威厳が素晴らしい。
後シテが海の底の満珠と干珠を狭い一畳台から取り上げ見栄を切るようにするとき、降りるときの緊迫感、僕のワキ席の真ん前で演じられ、ぞくっとするほどよかった。
満干、それぞれの珠を海に投じると潮が満ちたり引いたりする。
それを橋掛かりを幕前で走って行ったと思うと、ぴたっと止まり、静かなゆっくりした動きになる(イロエ)。
緩急をお囃子・地謡とともに演じ分け(ジャズを思わせる)自然・宇宙の呼吸を感じる。
お囃子と言えば、小鼓が人間国宝になったばかりの大倉源次郎、ハンサムな容姿に威厳が加わったかのようで、見てのお得なりき。
太鼓、観世元伯が病欠で林雄一郎の代演。
海彦山彦の物語のあと、祝いの鵜の舞い、ダイナミックで楽しかった。
潮の満ち引きを自在にする珠、それで山幸彦は海幸彦を懲らしめ日本の棟梁になって、日本会議の崇めるところとなった。
そういったことどもを月が、ず~~っと黙ってみているんだなあ、などと思いつつ、「月に照らされ」のようなセリフを聴いていた。
古代神話をちかしく感じた。
先週はBBQの日の3422歩を含んで平均8216歩、昨日は11542歩。
けさはストレッチ&筋トレは10分だけ、その代わり三時間近く汗びっしょりになって掃除やらなんやら、暑さにめげずガンバリル爺、アワビの肝が効いたか。
口述や言い訳をしてゴロゴロしていワタシまた反省です
田原総一郎さんの助言ってそれだったんですんね