3・11が分断した日本 桐野夏生「バラカ」
2016年 11月 05日
「さんちゃ~ん!」隣りの奥さんも犬の散歩、「今日は異常に寒いわねえ」「水曜日にはグッと寒くなるそうだから、この週末に冬支度しといたほうがいいって」「そうね、ダウンとかだしとかなきゃ」、、まるでオバサン同士の会話だ。
犬のPTA会話で困るのは、あっちが「サンチ」と名前を呼んでくれるのに、こっちがなんど聞いても忘れてしまうことだ。
今朝は、あちらの方から、「あらあら、サラちゃん、サンちゃんのパパにいたずらしちゃダメだよ」と言ってくれたから助かった。
人懐っこい、え~と、あの犬種の名前が出てこない、くしゃくしゃのワンちゃんが俺にじゃれついてきたのだ。
俺も参加すればよかった。
サッパリしていそうな、少しは行列のできている店の前に並んだら、その行列が遅々として進まない。
しまった、と思ったがすでにチケットを取られているので、がまんすること10分。
俺がサンチをそばに置いて(犬と並ぶのは禁止)、舞台で女の子が歌う、頭が痛くなるほどヘタクソな歌を頭の後ろで聞きながら食っている間にカミさんが別の店のを取ってきた。
味?
いつまでもニンニクなどの変な味が残っていた、もったいながるのもことによりけりだ。
それでも、今晴れあがってきた土曜日は、ずっと長い行列ができるのだろう。
名前は?と訊くと「ばらか」、日本人なのかどうかもわからない。
彼は「薔薇香」と名付けた女の子を連れ帰り育てる。
3・11直後の「小説すばる」8月号に連載が始まり2015年5月号まで続いたという長編小説だ。
薔薇香の生い立ちをめぐる悪魔的人間が跳梁する物語と、2019年という近未来・ディストピアを舞台に展開される、原発推進派(国・警察、企業、メデイア総ぐるみ)が反対派を殲滅しようとする不気味な物語。
薔薇香は両派のシンボルとして利用される。
薔薇香の逃亡の物語でもある。
棄民、「なかったことにする」、放射能汚染;被害の実態隠し、オリンピックによる目くらまし、ミソジニー、ヘイトクライム、人身売買などの現代の宿痾が、現実よりいっそうグロテスクに進行している。
今、このくらいはしょうがないと見過ごされている症状が、どれほど取り返しのつかない恐ろしい世界を招来するかと言わんばかり。
ネットの恐ろしさも描かれる、エンタテインメント小説。
650頁をほとんど一気読みしたが、読み終わってみると、仕掛けの大きいわりにやや竜頭蛇尾、それで終わりかい?という感もあった。
集英社
それはいけませんねえ。
もうひとつ、トンコツ臭いのもゴメンです。
原発関係に関しては事実のようです。
http://koro49.exblog.jp/25489901/
重い本は避けたいけど、やはり読まなくてはとリクエストしました。
最近、本が読めないのです^^;
怠け者になってしまったかな?
本など読まなくてもきちんと生きていらっしゃるから、それがいちばんです。
本書、最初の方で川島が登場するあたり、よほど読むのをやめようかと思ったのですが、なぜか読みつづけたのは作家の力に負けたのでしょう。
怖ろしいことがたくさん出てくるけれど、それは根も葉もないことではないと思いながら読みました。
「復興オリンピック」という言葉の空々しさを感じます。
過日初めて行った喜多方のラーメン店は、スープを飲み干すほど美味しかったです。あっさり、旨味はしっかりで。
興味がないわけではないのですが、
行列に並ぶのがイヤなので、
ほとんど参加しません。
一杯890円、
イベントにしては高いかなあ。
東京では普通なのでしょうか。
それ以外のリアルな情報は福島と沖縄は日本ではないかの如くに遮断されているようです。
都内にも喜多方ラーメンの店はあって、それはたしかにうまかったなあ。
ああいうショーではインパクトのあるしつこい味でないとだめなのでしょう。
この前、クラフトビールショーではいっぱい900円(中ジョッキ?)でした。
もちろん飲みませんでしたが。
でも同じ日本人が故郷亡くし塗炭の苦しみを味わっていて、よくなる見通しもないのだということは忘れてはならないと思います。
エンタメであってもこういう小説が書き続けられなければならないとも。