仲良きことは美しき哉 佐原余情

さっき桜並木を散歩したら、サンチがふっと上をみる。
あ、花咲爺さんだ、ちょっと振り返ってサンチに笑いかけて、そのまますたすたと歩いて行った。
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もう我慢できないよう!
ふくらみ切ったつぼみが陽光に揺れている。
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佐原一万歩は今朝も心地よい余韻となっている。
今まで来たときは、いつも人に車で案内してもらって、お祭りなどのにぎやかな時だった。
何もない春です、を一人あてもなく歩くとさわらの神がさわった神になって話かけてくる。
祟りなんかあるもんか。
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有名な小野川沿いの古い建物もいいが、少し外れたところにある、探し当てていくような銭湯、なにを売っている(いた)のか判然しないお店(月曜日は休みの店が多いようだ)、
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ガラス窓に「ブリキ店」と例によって右から描いてある店、お爺さん二人が盤を囲んで烏鷺の世界に遊ぶ碁会所、
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小学生たちがどんどん駆け上がる急な階段を見上げるだけで尻尾をまいた諏訪神社、
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麹の匂いがたつ味醂造りの店、、歩いているのは俺一人みたいな感じでぶらりぶらぶら。
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帽子を買った。
小さな店の引き戸を開けて入ったら、手芸好きな人たちのバザー会場みたいにかわいらしくいろいろ展示してある。
しばらくしたら、お婆さんが出てきて、丁寧にあいさつをされた。
壁に並んでいる帽子を「こちらで作ったものですか」と尋ねると「主人がいる頃はぜんぶ自分で、、もっとたくさんあったのですが、他界してからは」。
正面の壁に額に入った二枚の写真。
一枚はおじいさんがベレー帽をかぶってにっこりしている横顔がアップになってそれを後ろからいい笑顔で見守るおばあさんの上半身、もう一枚も似た構図だがおじいさんがうまそうにタバコを吸っているところが違う(写真を撮ったがブログに載せる断りをしなかった)。
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「仲良きことは美しき哉」、武者小路実篤のかぼちゃかなんかの絵に添えられたこの言葉。
安っぽく感じられて好きじゃなかった。
さいきんになって、ほんとにそうだなと思うようになった。
帽子屋のお婆さんの物腰も美しかった。
ご主人と今も仲良くしているのだ。
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Commented by mother-of-pearl at 2016-03-29 13:19
一度も行ったことの無い佐原の街をご紹介頂き、有り難うございます。
随分むかし、大きな語学会社(?学校とは思えません)で働いた時の上司が住んでいた街です。
我が家からの月桂樹の一枝が根付いた所。
ふと、あの大柄なオランダ人の笑顔を思い出させて頂きました。

〉さわらの神がさわった神になって話かけてくる。
祟りなんかあるもんか。

ほのぼのと優しくていいですね~!私は子供の頃からずっと“祟りなんて無い!特に御先祖の祟りなんて無い! ”と思う子供でした。

ちょっと懐かしい気分を再確認しています。
Commented by unburro at 2016-03-29 14:54
いい帽子ですねえ。

うちのダンナは、相当アタマが寒そうなのに…
帽子が嫌いです。
夏場も、頭だけ、特に日焼けしています^^;
脱いだ時の置き場に困るのがイヤなのだそうです。
何か、秘訣の様なものがあるのでしょうか?
Commented by kogotokoubei at 2016-03-29 18:10
伊能忠敬の佐原も、佐原市ではなく合併で香取市佐原になってんですね。
歴史のある街も、なんともうら寂しげで、そのうちサハラ砂漠のようにならないことを祈ります。
あくまで、洒落ですよ。
Commented by namiheiii at 2016-03-29 18:14
赤い花の上に置かれたお婆さんの作ったグレーの帽子、いいですね。
声をかけて写真を撮る人はいるがブログに載せることを断わる人は少ないのではないでしょうか、見上げた心がけです。
Commented by みい at 2016-03-29 19:20 x
サンチ君、お花見してる^^。
もうすぐ満開ですね!

佐原、行ったことないから興味深く拝見してます^^。
ハット、いいですね。
Commented by hanamomo08 at 2016-03-29 21:06
佐原の帽子屋さんのお話、いいですね。
おばあさんの物腰が浮かぶような、いいお話です。
素敵な帽子を求められましたね。
帽子職人が作った帽子、なかなかセンスが光っています。

さんちゃんもお花見ですね。
こっちは来月15日が開花予想日、でも咲くのかな?
Commented by nenemu8921 at 2016-03-29 23:29
いい買い物をされましたね。
さすがに観光客とは違った歩き方、ふれあいをされたのですね。
ここの出身の知人が「観光ルートじゃないところに佐原の古い町の良さが残っているんだよ」と言っていました。
稼業も景観も継承はなかなか大変なようです。
先日は駐車がたいへんで、町はずれの駐車場に停めましたが、隣が廃屋で今にも崩れ落ちそうな壁面で庭は草木が生い茂っていました。
Commented by saheizi-inokori at 2016-03-29 23:51
> mother-of-pearlさん、年を取ったからか、ますます何でもないようなことに気持ちが動きます。
そういう駄文があったこともない人に何かの思い出を喚起したとしたら、とてもうれしい!
Commented by saheizi-inokori at 2016-03-29 23:55
> unburroさん、さっきまで飲んでいた店では帽子の置き場所は私の頭です。
落語会など帽子を取らなきゃいけないところに行くときはバッグにしまえるような帽子にします。
もっとも帽子を欠かさないようになったのは隠居してから、それもパーマをかけて遊ぶ毛量がなくなってからのことです。
それまでは髪形が壊れる帽子なんてかぶるもんですか。
Commented by saheizi-inokori at 2016-03-29 23:57
> kogotokoubeiさん、そうなんですよ、あるいていて香取市という看板とか表示が多いので変に思ったら合併というお化けに食われていたのですね。
我が本籍も変な名前になってしまいました。
Commented by saheizi-inokori at 2016-03-29 23:58
> namiheiiiさん、いい写真なのですよ。
電話番号を調べて許可を得てアップしたいほど。
Commented by saheizi-inokori at 2016-03-29 23:59
> みいさん、今朝さっそくかぶって歩きました。
ルンルン^^。
Commented by saheizi-inokori at 2016-03-30 00:06
> hanamomo08さんの毎日に登場するようなおばあさんでしたよ。
去年、まだ間に合うからと故人が誘ってくれて角館から玉川温泉、八幡平と廻ったのが4月27日からでした。
きっと今年もきれいな花が咲きますよ。
Commented by saheizi-inokori at 2016-03-30 00:16
> nenemu8921さん、古いままの佐原、それを売りにする佐原、取り残される佐原、関係なく現代の佐原、それぞれの相克もあるのでしょうね。
観光も波があると対応が大変だろうなと思います。
そういうなかで小堀の蕎麦は良く品質を保っている、しかも安いことに感心しました。
Commented by 旭のキューです。 at 2016-03-30 11:04 x
千葉の佐原にいらっしゃたんですか!私は、いま佐原の職場なんです。驚いたな~
Commented by saheizi-inokori at 2016-03-30 13:26
> 旭のキューです。さん、おやまあ!私も驚きです。
Commented by ikuohasegawa at 2016-03-31 18:11
7年前に行きました。
車で行ったのでsaheiziさんのような町並みは見ていませんでした。また行きたいなあ。
Commented by saheizi-inokori at 2016-03-31 21:30
> ikuohasegawaさん、腰や膝の痛みをこらえて歩く、その報いがこれです。
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by saheizi-inokori | 2016-03-29 12:05 | こんなところがあったよ | Trackback | Comments(18)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori