お茶がうまかった &渡辺裕之「反逆捜査 オッドアイ」
2016年 02月 02日
布団に着替えに簡単な料理道具と食器に炬燵と石油ストーブ、ほかは何もない部屋を見て、手伝いに来てくれた男が、そうだ!あれがない、と買ってきたのがお茶の道具一式。
駄菓子の鉢などを常備しておけば最高だ。
お茶がなければ話が始まらない。
大学生の夏休み、母の働く会社でアルバイト、中学だったか高校生用の社会参考書の原稿を書いた。
出勤してしばらくすると女性社員がお茶を配ってくれる。
朝と三時と二回、それがうまくて楽しみだった。
東京にいても帰省しても、誰かがお茶を淹れてくれることのない生活。
それを呑むだけでなくちょっと話をするのも楽しみだったのだ。
安物の、いいかげんに淹れたお茶がうまかった。
散歩のときなど、工事現場の休憩時間らしき光景に出会う。
缶入りのコーヒーみたいなのを呑んでいる場合が多い。
ちょっと話、はしているのかな。
初めて読む作者、1957年生まれ、アパレルメーカー、広告制作会社を経て2007年デビュー。
満を持して挑んだ警察小説だという。
主人公・朝倉は陸上自衛隊最強の特殊部隊に所属していたが、日米合同演習中に米軍の過失による爆発事故で九死に一生、後遺症で左目の視力が落ちシベリアンハスキーのような青みがかったシルバーグレイ、左右の目の色がちがうオッドアイになる。
使い捨ての自衛隊を見限り警視庁に転職して9年、今は本庁の捜査一課で殺人捜査の刑事、階級は巡査だが昇進試験を受ける気はない。
自衛隊員が巧みに仕掛けられた罠にかかって首を切り落とされる。
自衛隊内の中央警務隊が捜査に乗り出す。
別の場でやはり自衛隊員が首を落とされる。
沖縄米軍でも米兵がブービートラップで爆殺される。
こっちは米海軍内部の犯罪捜査局員が捜査に乗り出すが、その一人が惨殺される。
米軍も沖縄の殺人事件を日本人に知られたくない。
日米の指令系統を異にするさまざまな捜査当局がいろんな思惑によって捜査の妨害をしあう。
主人公は直属幹部の指示に反して自腹で沖縄に飛び、、、。
とちゅうからはアクション大活劇。
あちこちに日米安保・行政協定の不公平、日本の権力者のポチぶりを批判する描写。
いささか力が入りすぎ、あれもこれもと詰め込みすぎ。
でも自作を期待する。
中央公論社
実は、七福神…的な誰かの、気配がしますね。
布袋様かな?
築地だから恵比寿様かな、とも思ったのですが、
持ち物が違うようだし…味がある石像ですね…
わが家にもよく似た茶びつがありますよ、ポットの脇に。