根津善光寺坂で手焼き煎餅を買って、みちのくの仏たちに逢ってきた
2015年 01月 22日
それで時間もできる。
歯医者の後、根津に出た。
氷雨が霰になる中を言問通り、善光寺坂を上る、スコブルいい気持。
声をかけたらお母さんが立ってきてくれた。
「90年やってます」、すごいな。
カリッと、じわっとしょうゆ味に香ばしい胡麻。
王林寺で千代の富士の「日本人が育たないなあ」という愚痴を聴いてトーハクへ。
東北一円14の寺社から19体の仏像が静かに集合。
大地の霊性をまとった木彫りが温かい。
岩手・天台寺の「聖観音菩薩」、鉈のあとが美しい。
仏力のあるという鉈音の視覚化かもしれないという解説になるほど。
如来立像が口をすぼめて、ふっと息を吹きかけてくれるようだ。
福島・勝常寺の「薬師如来坐像」の堂々たる押し出し、「凡夫たちよ、困ったら俺んとこへ来い」って、両脇の日光・月光菩薩さんは嫋やかに腰をひねって優しい。
さすがに東北初の国宝というだけのことはある。
宮城・双林寺、山形・吉祥院、青森・常楽寺、岩手・毛越寺、、地名と寺の名前を見ているだけでみちのくの寺のひっそりした佇まいが彷彿。
青森・恵光院の「女神坐像」(オクルミにくるまったお祖母さんのような)や秋田・小沼神社「聖観音菩薩立像」(雪ん子みたい、ほっそりした雪の精)などを見ると彼の地の知人の面影を感じもする。
円空の早期の作が三体。
観終って休みながらビデオを見ていたら、宮城・給分浜観音堂「十一面観音菩薩立像」のことを語る地元の漁師、3・11に被災者が観音堂に避難生活を送ったことを語り
観音様に導かれて家族が助かった、他にも四十人くらいの”仲間”も一緒にここで暮らした。大きな観音様、ホントにいい笑顔だった。
観音様を思うと、あの笑顔が目サ浮かぶんだよね。
きびしいお顔の仏もよくよく見ればいいお顔だった。
こじんまりした展示会だが深い安らぎを与えてくれる。
こんな冷たい雨の日はとても出かける気になれません。
美味しいおせんべいや陸奥の仏たちに出会えたとしても。
同年代かと思いましたが、お若いのかな? 負けてます(>_<)
みちのくの仏たちも京都奈良の仏とはちょっと違う親しみがありました。