STAP騒動の責任は野依良治にある? 小畑峰太郎「STAP細胞に群がった悪いたヤツら」
2015年 01月 04日
医療を産業化して経済規制(医療規制より甘い)の下に包み込む。
産業イノベーション、女性活用、安倍政権の目玉を象徴する広告塔になるはずだった小保方。
理研を「特定国立研究開発法人(仮称」に指定する政策がSTAP細胞論文と同時期に動いている。
億単位の年収を保証する法人、文科省の貴重な天下り先にもなるはずだった。
東京女子医大・早稲田大学連携先端生命医科学研究教育施設(TWIns)なる寿限無的名前の施設長岡野光夫は、日本の再生医療を主導するボスであり、かたがた細胞シート再生医療・再生医療支援を事業内容とする会社・「セルシード」を創設、役員になっている。
岡野は再生医療の急速な事業化をもくろみ、日大にいた大和雅之・東京女子医大教授をスカウト、ともにTWInsを動かす。
細胞シートとは「人工的に細胞を培養することができる培地」、大和が作製に成功した。
大和が早大修士科時代の小保方を指導し、小保方のSTAP論文共著者であり、現在行方不明という。
「セルシード」は資金不足から「継続疑義」の状態だったのがUBS証券と新株予約権付き証券発行及び第三者割当増資引受契約を締結し、34億円余のファイナンスに成功、存続することができた。
この取引と小保方のSTAP論文発表の時期が微妙にクロスしているため、証券監視委員会が調査に動いていることが「エコノミスト」に報じられた。
『特許』と『科学研究』と『インサイダー』を三位一体とする経済犯罪はアメリカでは確立しているスキームであり、そのために研究公正局を創ったが、日本では規制も及ばず、これから増加する恐れがある。
科学・医療の産業化によって主管庁(経産省・文科省)が推進と規制の双方を行う図式は原発事業とよく似ている。
本書のさいごに武田靖・北大名誉教授、チューリヒ工科大学特別研究員が、著者の問いに答えて、理研は野依良治なるノーベル賞学者、すなわち
科学を忘れた化学者のリードの下、科学を知らない若いエンジニア系の研究者が、ふんだんな資金と自由さを以って、生命科学の大きなテーマに取り組んだ。と語っている。
しかも在職中に成果を挙げさせようとする官僚主義的な理事会の圧力の下で。
こうして騒動は起こるべくして起きた。しかもその騒動の中味たるや、科学そのものではなく、マネジメントの問題だった。特許や特定法人化などの管理運営面の要請の方が強い。したがって、当然、その全責任は野依理事長にあるだろう。おそらく早期の収拾を図りたいという強い指示が出されていることは想像に難くない。
武田が云う「科学を忘れた化学者」とは、「なぜ?」という問いかけすらしなくなった、単なる[技術者]になってしまった化学工業に携わる多くの学者のこと。
「なぜ格差が出来るのか、どうしたら格差をなくせるのか」という問いを忘れた竹中流経済学者と相通じるなあ。
指示、それは下村文科相など政権側からもあったと、俺は推測するのだが、、。
巨額な国家予算をどうしたら獲得し続けることができるか、そういうノウハウにたけていたのが自殺した笠井教授だった。
こういう事件の背景をえぐることがアメリカのような退廃を少しでも防ぐよすがになるはずだ。
新潮社
コメント欄を閉じるときに非公開コメントを押して消してしまうのかも、わたしもときどき書いたつもりの記事がないことがあります。
スカッとした記事を書きたいけれど世の中はスカッとしませんね。
それがいつの間にか、違う方向になってしまうって悲しいですね。
新宿の貸座敷のお杉をオボちゃんとすると、彼女を騙す男芳次郎は、理研の責任者ではないかと思い、その背後に霞が関や永田町がいるように書いたのですが、実際そのような背景があったようですね。
特殊法人狙いだったのは明白でしょう。
理研は利権に字を替えるべきかな^^
STAP細胞の問題には国家ぐるみの利権の臭いがすると感じていましたが、ここまで複雑化しているとは...
この本読んでみたいと思います。