驀進する権太楼 進化する小猫 さん喬・権太楼二人会
2014年 12月 30日
何でもなかった歯が傷ついて痛い。
行きつけの歯医者は昨日の午前中まで、予約もせずに朝飯抜いて氷雨降る中を大手町へ押しかけ患者。
応急処置、年明けに本格的に治すというが憂鬱なことだ。
いったん帰宅して、ピケの「21世紀の資本」を読んで夕方再び長靴を履いて(雨は止んでいたが保温のために)新宿へ。
さん喬・権太楼の余一会、手に入りがての切符を今年も回していただける幸せ。
チケットを末廣亭の前でいただくということで東京かわら版に5時30分開演とあったので、5時に行くともう始まっている。
5時開演のかわら版の間違い、後から来る人のチケットをモギリに預けようとしたら「そういうことはやらない」と冷たい対応、しょうがないから30分ほど外で待った。
というわけで入場したときは、前座・さん坊が終わり、右太楼「蔵丁稚」の後半。
すでに二階席まで一杯、”なにがなんでも笑ってやるぞ”の気魄を感じる熱い空間。
あのね、あのね、みんなでね、一緒にフワフワフワハフハウに行っていいですか!おカミさんに「お女郎買に」いくお許しを得ようとフワフワ云って、「はっきり言ってごらん」とやさしく叱られる与太郎が可愛い。
錦の袈裟を褌にするために住職にかけあう与太さん、「親類の狐に倅がつきまして、火事とかボヤとか(加持祈祷のこと)いろいろやってるけど、、尊い袈裟をかければ」なにを云ってんだか。
23分、爆笑まっしぐら。
さん喬「笠碁」
風邪声、小さん夫妻の思い出などのマクラももたもた。
伊勢屋のおカミさんを痔主にして、美濃屋をたづねる口実を痔の見舞いにする。
さいごに笠をつけたままなのを指摘されて笠をぬいで終わらない。
お互いに謝って、囲碁を再開、その手つきが碁石をうつのではなくばらまく感じ。
さっそく早くもマッタでサゲ。
いろんな工夫が見られたが体調のせいか流れが悪く、言い間違いもあり、あまり効果がなかったのはお気の毒。
お花が若旦那の見た夢を大旦那に泣きながら報告する。
その喋り方・泣き方の百面相が見ものなのだが、やはりクドク、リズム感を欠いた。
この噺もマクラがもたつく。
小猫・物まね
ホで始まる鳥の声、ホトトギス、ホオジロ、歩道の青信号。
猫の振り向きざまのひと啼き。
ヒツジは投げやりに、ヤギは誰かに訴えるかのごとく切々と、
アルパカは寝ぼけたおじさんのような声
大群の中に一頭だけみんなと違う啼き方をするヌー
謝るゴリラ
、、
親とは違う機知にとんだ語りをいれて実に楽しい。
ちょっとした仕草が如何にもそれっぽい。
何でも鑑定団、自分の持っている宝物、高橋義孝に貰った道明の二つ亀甲の羽織の紐、圓朝直筆の本、さっとマクラを振って、「なんかねえか、珍しいもの」「小野小町が清水次郎長に書いた手紙なんかどうでしょう、ないはずのものがあるから珍しい」。舞台は古道具屋。
権太楼バージョンのカミさんは凄まじい。
おマイさんの買ってくる古いモノってロクなものはない。志ん生の爆笑落語が14インチ、モノクロだとすれば、権ちゃんのは40インチ、カラー、ステレオの「火焔太鼓」。
淀君の腰巻、あれはボロボロになったからハタキにしてるよ。
猛烈・苛烈に驀進、笑わせ続けて、終わって「フ~」いい笑顔。
そのまま、座ってさん喬も呼んで来春真打になる、さん弥・喬之進・右太楼を紹介。
恒例の手締め。
さん喬が「9度5分ある」とぼそり、かなり無理をしたんだ、お疲れさま。
ゆっくり休んで、、といかないのが噺家の年末年始なんだなあ。
お大事に。
思ったより早く終わったので予約していた店に入れず、少し歩いて「犀門」へ。
明日早朝、ウイーンのニューイヤーコンサートに出発するという方は一週間前に102歳の御母堂を亡くされた由。
さいごまでしっかりしていて、せっかくのウイーン旅行に行ってくるように、葬式のことから何からすっかり話をし、前夜には施設の方たちとクリスマスのお祝いを楽しみ、みんなにお礼を云って逝かれたという。
凄い人がいるものだ。
年に一度か二度寄席に行くくらいだった俺にホール落語や聴くべき噺家を教えてくれた方、知らなかった本の面白さを教えて貸してくれた方も一緒に11時近くまで語りあう。
居残り会のメンバーもそうだが、この歳になっていろんな人たちと知り合えて俺の世界が広がる。
苦しいことも多かった一年だけれど、それを補う喜びもあった一年だった。
それはいいけど今朝は真昼の決闘(ゲーリー・クーパー)、歯を気にしてよく噛まなかったからか呑みすぎか。
やれやれ。
さん喬師、高熱を押して出演とは・・・辛かっただろうなぁ。
私、今年は初めて居残り会に参加させていただいた記念すべき年となりました。来年も是非よろしくお願いします。
聞きたいなあ・・・
来年もよいお年となりますように。
それもあるからこその、権太楼の奮闘なのではないでしょうか。
良い笑い納めができて何よりでしたね。
歯は、年明けしっかり治していただき、年始の居残り会では万全にしてくださいね^^
今年もお世話になりました。
来年も、よろしくお願い申し上げます。
来年もぜひ団欒しましょう^^。
お互いに元気でいい年を迎えましょう。
歯の詰め物が取れてしまって歯医者のお世話になりました。
年末年始休診中じゃなくてほんとによかったです。
saheiziさんと一緒でなんだか嬉しい(^^ゞうふふ。
良いお年を。
いいおとしを!
ちゃんと噛めないと胃腸に堪えますから、くれぐれもお大事に。
私も歯科へは2ヶ月毎くらいに通っています。
>志ん生の爆笑落語が14インチ、モノクロだとすれば、権ちゃんのは40インチ、カラー、ステレオの「火焔太鼓」。
猛烈・苛烈に驀進、笑わせ続けて、終わって「フ~」いい笑顔。
saheiziさんのたとえはこの年の瀬まで冴えていますね!
今年も落語の楽しさ、面白さ、人生の豊かさ本当にいろいろありがとうございました。
(またお邪魔するかもしれませんが、ごあいさつです)
歯の治療、がんばって。
体で唯一自然治癒がないのが歯ですものね。
よいお年を!
早く直さないとそちらのブログのご馳走がますます目の毒になります。
いつも目のご馳走、食べ物だけでなく、楽しみにしてます。
寒いでしょうがお大事に、いいおとしを。
小猫は大きくなりました。
さん喬は風邪もあるのでしょうが、どうも感心しません。今年でいえば良かったと思う高座には巡り会えなかった気がします。
小町が妹子に、なんて歴史ヲタクなら言うかも。
さて、落語にお酒は私も大好きで、一年間楽しく拝読しました。
(最近はハゼの佃煮の苦みにハマっております)
よいお年をお迎え下さい。