いくつになっても酒は楽しい 吉行淳之介 編「酔っぱらい読本・壱」

せんじつカミさんと外でいっぱい呑みながら晩飯を食っていたらはあちゃんからメールで
しりとりしよう あなたから
といって来た。
一年生、対等ではつまらないので、俺は食い物に限ることにした。

ねぎ、「ぎが」、ガム、「むひ」、ひらめ、「めか」、かに、「にんにく」、栗饅頭、「うきわ」、ワサビ、「びり」、りんご、「ごりら」、らっきょ、「きょうし」、しじみ、「みす」、す、「すみ」、みそ、「そら」、ラデイッシュ、「しゅみ」、みみがー、「がき」、キノコ、「ここ」、米、「メキシコ」、こい、

かっこ内がはあちゃん。
「ギガ」「メカ」なんて今の子だなあ。
「み」とか「こ」で攻めるなんて知恵も付いた。
勝負は九時、寝る時間になったので引き分け。
学校のある時は8時前で終了だ。
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酒はどうやって飲んでも楽しいけれど、ひとり酒がちょっとさびしかったり無聊をかこつことがある。
事情ありげにバッグからメモ帳を取り出して眺めているおっさんもいる(俺もやったことがある)。
なにか思案しているようだが、なに、もう一杯呑もうか、隣のおっさんに話しかけるきっかけがないか、てな事しか考えちゃいない。
今は携帯の人が多い、話し相手がしても携帯だ、携帯に酒つぐなよ。

こないだは友人にメールしたら、旅先で一緒にいた人から電話がかかって、同席していた連中が次から次に代わっちゃあ馬鹿を言い合った(俺はもちろん外に出て)。
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一人で呑むときは酒が三本くらいがいいところなのだが、その一本目より二本目、二本目より三本目と飲み干す時間が短くなって、次のもう一本への希求度が増してくる。
そこをピタッとやめて帰るのがベテラン、治にいて乱を忘れず、なかなかの達人なのだ、我ながら意思の強さにほれぼれする。
こうやって自制出来るんだし、やろうと思えば禁酒日も作れる(作れた)。
これはアル中ではなかろう(ないに決まってる!)。

ところが先日のように突然の電話で盛り上がったり、妙齢が「こんばんは~、ここ座ってイイですか」なんて来ると、やばいのだ。
今まで一本も飲んでいなかったような気になるのだ。
ここから素晴らしい新世界が始まるような。
よし、がんばろう!って気合いが入るのだ。

イタコ一枚、落ちないようにしなければと思っている今日この頃だ。
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上に載せた「酔っぱらい読本」、吉行淳之介編集で、サーバー、丸谷才一、チエーホフ、内田百閒、太宰治、エイミス、大岡昇平、志ん生(「替り目」)、、21人の芸達者が酒を語り人生を語る。
昭和53年に買って一度は読んだのだが、今また目を通すと初めて読むように面白い。

フィリップ・アリンガムの「星占いから見た酒の飲み方―占酔学入門」ってのが中田耕治の訳とも相まって傑作。
俺は魚座、
おっと、刺身のいいのはねえかい?まぐろの、、ウン、中トロンとこでも、、威勢よく一杯(ぺえ)キューッと引っかける。魚座の男衆(おとこし)は、いなせなもンです。間違っても、チビチビ飲んで、ご飯を食べるってえと、ゴロッと横ンなって、肱枕で、高鼾なんてザマをさらすような性分じゃない。
ただ、お酒が入ると眼がトロンとしてくる。ひどいのは、鰯のくさッたような眼になっちまう。が、足をとられるような不様なこたァない。惚れた女にフラれた傷心(ぶろーくん・はーと)の繰り言もたまには口にする性質(たち)だが、たいていは聞き上手。
酒となると、水を得た魚みたいになる。(以下割愛)
だってさ、「鰯のくさッたような眼」だってよ。
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こういうのを読むと又呑みにいきたくなるかもしれない。
試してみよう。

「二日酔い」になったら、キングズレー・エイミス(吉行淳之介・訳)が「二日酔い」と題して、「形而下的あるいは肉体的二日酔い」と「形而上的あるいは精神的二日酔い」の両面から読むべき書物、聞くべき曲目までを教えてくれるているから大船に乗ったつもりで。

もっとも、「二日酔いの完璧な治療法」として三つ挙げているうちのひとつが「無蓋(オープン)の飛行機に乗って三十分空中に舞い上がる。言うまでもないが操縦は二日酔いにかかっていない人にやってもらう」であったりするのだから後は推して知るべしなのだが。

この本、「弐」も出ているのだが我が家に無い、もしかすると二日酔いのときに喰ってしまったのかもしれない。

講談社
Commented by unburro at 2014-10-28 16:00
「酔っぱらい読本」!
嘗て、読んだような気がするのですが…
面白かった、という読後感だけがあり、内容はまったく憶えていない事に気付き愕然としています。
記憶が、酒に溶けてしまったのかもしれない。
もう一度、読みたいです^^

メールしりとり、いいですね。
「ぎが」には、びっくり。
Commented by sweetmitsuki at 2014-10-28 19:36
ねぎ、「ぎ」は難しいですよね。
私だったら、何と答えようかしら。
「魏志倭人伝」
あ、これでは私の負けですね。
Commented by tona at 2014-10-28 19:47 x
はーちゃんとのしりとり、面白いですね。
は-ちゃんも語彙がなんて豊富なのでしょう。
食べ物もどんな字でもあるものと感心しました。
Commented by Nap at 2014-10-28 20:31 x
日本酒の季節になりましたね〜
佐平次さん又いっぱい行きましょ♪
Commented by j-garden-hirasato at 2014-10-28 21:05
一人でいると、
どんどんお酒(今は焼酎のお湯割り)が進んでしまいます。
一人でも二日酔い、
よくあります(苦笑)。
Commented by fukuyoka at 2014-10-28 21:58
久しぶりのハーちゃんですね。「しゅみ」「ここ」
「むひ」?「めか」?とか 何でしょうね。可愛いですね。
Commented by sheri-sheri at 2014-10-28 22:51
今晩は。今日はまたとりわけ、面白く愉しい話がいっぱい。はぁちゃんの利発な可愛いお顔が目に浮かびます。きっとさへいじさんに似てらっしゃるだろうなぁ…と楽しく想像しています。おじいちゃんに、しりとりしましょ、あなたから。・・なんてキュート。さへいじさんは、魚座、水の星座ですね。私は、11月うまれの蠍座。たしか水の星座だったような・・・・。
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-29 00:08
unburro さん、私などは覚えている方が不思議・奇跡という状態ですよ。
戯画ではないと思いました。
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-29 00:09
sweetmitsuki さん、禰宜なんてのもあるんですね。
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-29 00:11
tona さん、「り」のつく食べ物ってありますか。
リンゴ、リキュール、、?
「り」で攻められるとよわいないあ。
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-29 00:12
Nap さん、行きたいけどどなたですか・
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-29 00:13
j-garden-hirasato さん、たしかに一人の方が呑みすぎることもありますね。
酔いがたまるからかもしれない。
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-29 00:15
fukuyoka さん、今日の夕方も歩きながらやりました。
「メカ」だと思いますよ。
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-29 00:19
sheri-sheri さん、蠍座の女は、「カクテルを飲むのがいちばんで、それも弱いミクスチュアにすると、これはもう最高ですな。相手は、酒に酔ってるンだか、酒を飲む貴女に酔ってるンだか、わからなくなるてえ寸法で」とあります。
なんか判るような判らないような、、。
Commented by 根保孝栄・石塚邦男 at 2014-10-29 05:31 x
吉行淳之介はしゃれた作風でしたね。
戦中派と戦後派の間にあって、第三の新人なんて言われましたが、何の何の、第一の新人でした。
安岡章太郎と並んで、小説のテクニシャンでしたね。
Commented by k_hankichi at 2014-10-29 07:30
酔っぱらい読本、面白そうです。saheiziさんの章も追加しましょう。
Commented by at 2014-10-29 07:46 x
吉行は「目玉」という短編集の「葛飾」。
落語の趣さえある名品です。
Commented by nao at 2014-10-29 10:02 x
佐平次さんσ^_^;すみません!
私ですm(_ _)m
手がすべってNapになってました。
失礼いたしました。
Commented by sheri-sheri at 2014-10-29 10:17
おはようです。私は、サソリ座の星座というのは、あまり言わないことにしています。一方的に流行歌できめつけられてしまった印象があるので。でもその占いにこれまた興味もそそられますね。人間の一生なんてほんの一瞬。占いといえど愉しめばまた、一層人生も楽しからずや・・ですね。
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-29 10:20
根保孝栄・石塚邦男さん、吉行のよく使ういい方だと「感じがある」作家でした。
一時よく読みました。
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-29 10:22
k_hankichi さん、吉田健一が「飲む場所」で吉田節を聞かせてくれます。
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-29 10:23
福さん、それ読んだかなあ。
読み直してみるかな。
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-29 10:26
nao さん、そうかなあ、と思ったけれど、違う人かもしれないと。
ぜひ行きましょう!
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-29 10:28
sheri-sheri さん、人間は多面的ですから、なんでもあたっているような気がしてしまいます。
座興ですね。
Commented by at 2014-10-29 11:36 x
コメント投函が変わったね、
昨夜、人と酒を飲んだが、美味くもない飯で美味くもない酒、
相手は勝手に酔っぱらう。、
気がつけば深夜過ぎ、そいつを捨てて帰って来た。もぉ金輪際・・・、しかし仕事で繋がってんねんなぁ
そんな酒は嫌や ;;
Commented by c-khan7 at 2014-10-29 12:34
コミュニケーションも日々進化してますね。でも、楽しそう。生ガキは昔のままで頂きましょう。。つるっとね。
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-29 12:40
蛸さん、そんな酒を飲まなくていいのが隠居の幸せ。
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-29 12:41
c-khan7 さん、今年初。ウマかったなあ。
Commented by HOOP at 2014-10-29 19:08
「ぎ」には「ギバサ」と答えましょうか。

「酔っぱらい読本」、私は絶対に読まなければいけない本ですね。
Commented by saheizi-inokori at 2014-10-30 00:56
HOOP さん、ギバサがはあちゃんに分かるかどうかは別にして気がつきませんでした。
この本をなぜ「絶対に」読まなければいけないのでしょうか?
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by saheizi-inokori | 2014-10-28 11:27 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(30)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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