連続殺人犯が身に付けたモノが欲しい ジャック・カーリイ「デス・コレクター」
2014年 08月 20日
いろんな人たちがいる。
いつも機嫌がよくて、こちらまでにこにこしてしまうような人、無愛想の国から無愛想を広めにやって来たような人。
無意味に自信たっぷりの人、なぜかこそこそしている人。
いつも背筋を伸ばしてプレスの利いたズボンを穿いて襟付きのシャツをきちんと着ている紳士は温顔で丁寧に挨拶をされる。
現役時代は何をされていたんだろう、経理担当役員?先生?
毎朝、楽しげに語りあいながら歩いて行く。
近所の友だち?兄弟?
小説家だったら、二人の関係、会話の内容、、いろんな想像をするだろうな。
ごくごく穏やかな笑顔で語りあっている中身が麻薬取引だったりして。
「僕」ことカーソン・ライダーはアラバマ州モビール市警察本部の精神病理・社会病理捜査班(PSIT)に所属する優秀な刑事、その相棒がハリー・ノーチラス、大柄な黒人で根はやさしくユーモアを解する素敵な男だが、必要とあらば容疑者に対して”礼儀を知らない刑事”の役割を見事に果たす。
安っぽいホテルで発見された女の裸の死体はしおたれた花に覆われ両目には白いキャンドルが立ててあった。
室内のいたるところに様々なキャンドルが置かれている。
その死体は一度埋められたものを掘り起こしてきたらしいのだ。
次々に殺される者たちは30年前に死んだ大量殺人犯の描いた絵の断片を送りつけられていた。
恐ろしいなあ、殺人鬼ゆかりの品物を集めるコレクターがいるなんて。
せんじつの新聞でもアウシュビッツでナチスゆかりの品物を盗む人たちが多いと報道していたっけ。
蝶から入るケースが多いのだと本書に出てくる色魔・マニアオバサンは言ってる。
見かけはまったく普通の市井人が恐ろしいモノに狂気を示す。
初対面の来客に
ムッシュー・バダンティエかマドモワゼル・バダンティエに会いに?マドモワゼルでしたら、階と階のあいだでお止めするほうがお気に召すかもわかりません。マドモワゼル・バダンティエは、かなり気難しい人のようですね、と訊かれて、少し考えて
タクシーとのセックスは容易ではございません。ですがマドモワゼル・バダンティエとは不可能かとと答えるのだ。
エレベーター係だけではなく主人公の「僕」もなかなかのウイットとユーモアのセンスで周囲の人たちを戸惑わせる。
ねじれにねじれた陰湿なストーリーの彩りは主人公のテレビキャスターとのラブロマンスと彼および相棒・ハリーの余人の介入を許さない掛け合いだ。
退職刑事の執念だとか連続殺人鬼である「僕」の兄の物語(僕はこの兄に事件解決の鍵を貰ったりするのだ)など趣向もあってサーヴィス満点。
世のコレクター諸君!ゆめゆめ、ストッパーの手入れは怠らないように、監視カメラの目も光っているのだし。
まあ、カネのコレクターがいちばん非行に走りやすいのだろうが。
毎朝お会いする散歩するみなさんは俺の正体を知っているのかな、ウフフ。
三角和代 訳
文春文庫
海外ドラマでコレクターものの怖いシリーズがいろいろあって、以前、はまったことがあります。
結局、本当に怖いのは、生きている人間だという結論にたどり着きます~^^ さて、saheiziさんの正体は・・・・?
こっちは父親殺しをはじめ何人かの女性も殺し精神異常だということで厳重な施設で暮らしているのです。
私の正体は私もわからない、サイコですよ^^。
笑えました(^_^)
最初に言ったのは誰かなあ。
こちらでもよく見かけますが、ピンクの茎に黄緑の実がつきはじめたころは、ちょっと毒っぽくて面白いなあ。
花も面白いです。
道路の熱くならないうちに出なければならないので早起きになりました(私が)。