ルソーに始まって狂気にたどり着く素人の旅 ガルシア・マルケスほか「美しい水死人」
2013年 10月 31日
散歩しましょ、いつ、今っしょ。
世田谷美術館に続く道はなかなか風情がある。
読み終ったばかりの「西行花伝」に出てくる崇徳院。
落語でおなじみの人だが保元の乱で讃岐に流され怨みのうちに亡くなった悲劇の天皇だ。
西行やその恋人・待賢門院(崇徳院の母)の歌もある。
気持ちのいい昼下がり、子供を遊ばせるママたちが多い。
天皇や法王の寵愛を争い公家たちの権力争いに巻き込まれたママたちに比べたら健やかな毎日を過ごしている(?)。
ルソーの作品は4点のみだったが見応えのある展示だった。
税関吏、苗木商、道路工夫、郵便配達夫、、素人が余暇に気持ちの趣くままに描いた作品は個性的そのもの、自由で楽しい気分に満ちていて見ているこちらまでワクワクしてくる。
カミーユ・ボンボワの「活気のある風景」にいるふくよかさん。
ルイ・ヴィヴァンは建物や舗装などをまるで貼り絵のように一本一本線を引く。
夢中だったんだろうな、楽しかったんだろうな。
シュールレアリズムに通じる絵も多い。
チャーチルの絵はそのなかでオーソドックスだ。
「人生の夕映え」と題されたコーナーではグランマ・モーゼス「川を渡っておばあちゃんの家へ」を始め、アダルベルト・トリルハーゼ、エーリッヒ・ベデガー、クラーリー・シトロエンなど、高齢になってから何かのハンデイや不幸に見舞われたのを契機に目覚めるようにして絵を描いた人たちの作品が並ぶ。
グランマ・フランは字の読めない2歳の孫に手紙の代わりに田園生活の楽しみを描いた。
羊、鶏、牛、、動物たちが遊び、子供たちが学び駆けている。
「数遊び」や「言葉遊び」、いや物語を創るのに最高の絵本のような絵だ。
こんな絵を壁に架けておいたらどんなに楽しいか。
「道端と放浪の画家」コーナーも刺激的だ。
誰か具眼の士が見出さなければ朽ち果てていたような作品の持つ輝き・力!
奴隷の子だったビル・トレイラーの絵は現代ラテン文学に通じる。
山下清は有名になってからは放浪が出来なくなっちゃった。
ほかにも見出されて”良好な環境”を与えられたとたんに描けなくなった人はいる。
「才能を見出されて―旧ユーゴスラヴィアの画家」を見て
「絵にして伝えたい―久永強」の部屋に入ると今までの明るい楽しい雰囲気が一転、暗く厳しく息を詰めて絵に見入る。
シベリア抑留から一命を取り留めて帰国したカメラ屋・久永が
望郷の念をひたすらに抱えながら異郷の地に死んでいった戦友のためにを描いた29点。
戦争の非人間性の「いけにえ」になって何ひとつ報われることのなかったひとりひとりの事実
”希望も安息も削り取られて 心は生きているときからもう骸骨となっている”兵たちの日々、骸が描かれ、ロシア人の「鬼の現場監督」の顔が忘れないぞと記録されている。
「シュルレアリスムに先駆けて」ではマッジ・ギル、ジョアン・ミロ、草間彌生、「アール・ブリュット」ではガストン・シェサック、ジャン・デュビュッフェ、そして「心の中をのぞいたら」「グギングの画家たち」と進むにつれて幻想・妄想・精神障害・狂気の生み出す作品が並ぶ。
さいきん”夢のない即物的な夢”を見ている俺もこんな風景を見ていたことがある。
137点の作品を見て外に出たらちょうど夕陽が沈むところ。
ちょっと公園を歩いて心を現実に戻す。
気が進まないことはやらないことにしょう。と三軒茶屋で降りてしまった。
もう今日はタップリだ
楽天が負けたのがグヤジイ。
歯あ磨いてションベンして寝た。
久永氏の作品が28点ですか。
世田谷美術館はアプローチよく環境抜群ですね。
オレンジに染まる空の写真が素晴らしい)^o^(
歩けるうち、感動できるうち^^。
キュレーターの力もそうですがsaheiziさんのご案内が素晴しいです!
久永氏の作品のご紹介をありがとうございます。 初めて知りました。
最後に、ママ手作りの「枝豆入りガンモドキでほっこりしました。
こんなお店がお馴染みとは羨しい事です。
こちらは、美しい夕焼けタイムをはしょって、いきなり夕闇となる感じの日が増えてきました。ふ、冬の足音。(´o`)
アウトサイダーの方の絵画展はとても奥深いものを感じます。
ヘンリーダーガーという方の作品に興味を持ち美術系の雑誌などを読んだりしました。
彼の描いた作品を一度でいいのでみてみたいです。
楽天、マー君で決まりかな。
アウトサイダーってなかなか心に訴えますね。
排気ガスだらけは環八ですね。
負けるな、楽天!