決めて欲しくないことを決めないでくれ、安倍さん。 中野剛志「反・自由貿易論」
2013年 10月 16日
もっとコワ~イ安倍”決める政治”がず~っと続きそうだ。
物言えば唇寒しの秘密保護法、「税や負担あげっぱなし福祉下がりっぱなし」の動かないギッタンバッコン、寄らば斬るぞ・首切り自由の番外地経済特区、アンパンマンでもないのに地球の裏まで攻めていく集団的自衛権、原発再稼働、TPP、、決めないでほしいことばかりを決めて、
議員定数削減、貧困格差の解消、脱原発、なによりも東電を含む原発対策のフレームの立て直し、、決めて欲しいことはほったらかし。
アメリカでは核弾頭ICBMを管理する将軍がカジノのチップを偽造して首になったほか、あいついで軍の将軍たちがセクハラや指導力不足として首になっている、東京より一足先に首切り特区だ。
困った事態だが厳しい処分なのは評価できるABCのキャスターもヘンなコメント。
将軍を首にしたことを評価されたオバマもテイーパーテイなどの頑固な共和党にはお手上げだ。
世界の指導者・保護者を自任していたおせっかいなアメリカが壊れそうになって、もっと壊れそうな世界を地獄の一丁目にひきづっている(そのティーパーテイのような組織を日本でも構築することを考えないと(維新は)おしまいだ、などとバカなことをほざく石原、まだ”おしまって”いなかったのか)。
それは嘘っぱち!
上に書いたような世界の崩壊の危機は経済的要因というよりアホな政治家や強欲な企業家や一握りの富裕層によってもたらされている。
本書は理論的にも過去の歴史的事実からも自由主義が保護主義よりも優れているとは言えないことを簡明に説明する。
もともと保護主義で自国内の産業を育成した先進国(アメリカもイギリスも)が後進国に対して自由化を迫る。
それは「通貨」と「ルール」を武器にする支配であって理想とか理論とは無縁の覇者の論理だ。
怖いのは今や関税ばかりか商慣行や産業政策、公的サービス、教育、文化、、あらゆる国内のルールや慣行についてまで「レジーム」という名のもとに貿易協定や国際機関(アメリカに有利)が介入してくること。
貿易交渉は企業と一体化した専門家が行いその内容はメデイアにも国会議員にも分からない(今のTPP秘密交渉をみよ)。
一部の利害関係者だけで締結された貿易協定・国際条約が国内法(ときには憲法にすら)に優先することが現実化している。
自由貿易が民主主義を滅ぼすのだ。
台風で土砂崩壊が起きるのも林業の自由化によって日本の林業が壊滅したからかもしれない。
国民皆保険に反対暴走するリバリタリアン、銃規制に命懸けで反対する人たち、強欲な金融資本、命を商品とする製薬会社、自分では口にしない食品を外国に押しつける化学薬品・農産品業者、、自分の尻も拭けずに懊悩するアメリカ。
日本・安倍政権はなぜそのお先棒を担ごうとすのか。
それこそ「決めて欲しいこと」↑をきちんとやり遂げて、その毅然とした姿を世界に示すことこそが刻下の急務ではあるまいか。
新潮選書
日本の製造したF-35の部品や機体パーツは「ALGS」という枠組みの中で行われ、米国の一元管理の下に置かれ、必要に応じて米国に自由に使われ、日本製の部品の使用先について、日本が口を挟むことはできないのだそうです。
これでは憲法はあってないようなものです。
わからないことだらけです。
早晩破綻するでしょう。
もっとも本書は物質的な成長・安定のためにも保護主義を推奨するのですが。
懐かしい田園風景がまずさいしょに槍先にあげられそうです。