JR北海道の惨状、その真因は? 福井義高「鉄道は生き残れるか 鉄道復権の幻想」

JR北海道は重篤な症状を呈している。
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赤い部分が異常状態が放置されていた線路だ、全身転移!
社員の一部、どこかのセクションだけがいい加減だったのではない。
まさに全社的な異常。

線路の保守だけではなかろう。
すでに発生して原因が究明できていない何件かのエンジン(それも特急の)異常もある。
公になっていないが、電力、信号、通信など列車の安全運行を支える設備も累卵の危うきに至っているのではないか。
社員の心、チームワークなどソフト面にも亀裂は生じているかもしれない。

原因は、今回のレール異常についての「(副線は)本線を優先しているうちに手が回らず後回しになり、失念したようだ」という社長発言に明らかだ。
つまり”手が回らない”!
予算不足、人手不足なのだ。
社員たちの安全意識が欠如しているとかたるんでいるなどと見当違いなことに責任転嫁するわけにはいかない(そういうことを続けてきた?から社員のモラールは低下しているかもしれないが)。

どうしてJR北海道が予算不足・人手不足になり、それはおそらく旧国鉄以来北の鉄路を守ってきた鉄道人(いまでもいくらかは残っているだろう、いくらかになって、効率至上主義の若者が増えたことも重大な問題ではあるが)には痛いほど分かっていたはずなのに、対策を講じられなかったか。
”無い袖は振れない!”からだ。

そのことを理解するために読んでおきたい本。
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旧国鉄に入社、JR東日本を経て、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授。

国鉄の分割民営化にさかのぼってJR各社がどのように分割されたか、現在の経営環境からみてその分割の仕方に問題はなかったか、そもそも鉄道が将来にわたって生き残る条件はどういうものか、などについて分析する。

営業キロでは全JRの3割を占める北海道、四国、九州の3島会社の輸送量シエアは6パーセントに過ぎない。
分割当初から3島会社が独立経営することは難しいとされ、「経営安定基金」が3島会社に設定(北海道、約7000億円)されその利子によってかろうじて黒字になっている。
北海道についてみれば、
2013年3月期の連結決算では、営業収益約1,650億円に対し、営業利益ベースで約241億円もの大幅な赤字となっており、経営安定基金の運用益収入などの政策的補填による営業外収益(約259億円)により、辛うじて経常利益ベースでは黒字(約17億円)を確保しているが、最終的な純利益ベースでは赤字(約26億円)となっている。(ウィキペデイア)
民営化といってもいまだに国民の負担で補助をしているのだ。
さらに経営安定基金の運用利益が金利低減の結果大幅に減った分を東日本、東海、西日本の本州会社が「旧国鉄から承継した累積債務の金利減少によるメリットを3島会社に還元する形」で補てんしている。
これらの補助はいつまでも続けられるわけではない。

こういう補助を受けている間に経営努力をして一刻も早く自主独立の民間鉄道会社となり上場する。
そんな期待がどれほど現実と乖離していたことか。
それは全国各地にある第三セクター鉄道の苦闘を見てもよくわかる。

筆者はJR北海道は
札幌都市圏など鉄道経営に有利な市場を抱えているので、ローカル線を廃止すれば赤字をかなり縮小できるだろうが、それでも企業として存続できるかどうか予断を許さない
 
という。
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国鉄の民営分割は日本が世界に誇る”成功例”だ。
中曽根大勲位を筆頭にかの金字塔にケチをつけられるのを嫌う人は多い。
とくに国交省は民営化後の政策も含めて自分たちの失政とされるのには我慢できないだろう。
そのことが、JR北海道経営者たちにどれほどの有形無形のプレッシャーとなっているかは想像に難くない。
「赤字は許さない」「もっと効率化を!」、、いくら尻を叩かれても人口は増えない、運賃もあげられない。

北海道のみならずJR四国や貨物会社も同じような窮状にある。
一方で本当に利用者が見込み通り確保できるのか、アルプスのトンネルを安全に掘れるのか、多くの課題をそのままにJR東海はリニアの実現にまい進する。
福井は分割とその後の新幹線の資産買い取りをめぐってJR東海はあまりにも有利になっているという。
東電に問題を押しつけないと他の原発に飛び火するのと同じで、北海道だけの問題にしないと四国や貨物、さらには整備新幹線・リニアの是非にまで話が拡がるのを怖れる政府・政権。

福井は鉄道は基本的に衰退産業であって生き残る”すき間”が見いだせない路線は順次かつ速やかに廃止すべきだといい、
「整備新幹線はもういらない」「リニア新幹線は作るだけムダ」「青函トンネルは閉鎖がベスト」「鉄道貨物は日本には必要ない」などとショッキングな発言をしている。

JR北海道の社長はこの際臆することなくほんとうの会社の実情・惨状をさらけ出し、将来見通しが暗いことを訴えるべきだ。
それは会社だけでは何ともならない、国の政策を待たなければならない事柄が多いはずだ。
自殺に追い込まれた何年か前の社長の轍を踏むことのないように戦って欲しい。

繰り返すが、脱線は現場社員たちのせいじゃない!

中央経済社
Commented by at 2013-09-23 16:20 x
何所もかも、無責任に金を使って、中途半端な仕事をしている。
一度でも逆の立場を考えたことがあるのだろうか、ないよな、
馬鹿野郎!と叫びたい。
Commented by kuukau at 2013-09-23 16:32
郵便事業にも同じことが言える。
弱者切り捨て。
Commented by saheizi-inokori at 2013-09-23 18:45
蛸さん、利用者と現場社員が可哀そうです。
Commented by saheizi-inokori at 2013-09-23 18:46
空子さん、郵便の労働条件の切り下げもひどいようですね。
自殺者は病人がたくさん出ているようです。
Commented by gakis-room at 2013-09-23 19:21
「(副線は)本線を優先しているうちに手が回らず後回しになり、失念したようだ」といいながら本線ても放置があったという訂正のおぞましさ。この社長には戦う意志はないようです。

ところで,台風18号による豪雨の時,近畿のJRだけがほとんど「運転見合わせ」になっていました。私鉄の「運転見合わせ」はほとんどありませんでした。
これも人員削減と関係あるのでしょうか。
Commented by noreizoko at 2013-09-23 20:27
最近、あるプロジェクトに参加していますが、行政サービスの内実の酷さは、どこをどうしたらいいかわからない感じだと思いましたよ。全然働かない(もしくはやらなくてもいい事ばかりする)人とがうじゃうじゃいる一方、やるべきところに人手が足りない・・・。そのmうじゃうじゃいる人たちは、実はそのことに殆ど気がついていない・・・。民間化した「国鉄」や郵便局・・・。
Commented by chaiyachaiya at 2013-09-23 20:33
人間性善説だった私は、小学校の低学年くらい迄、一見非道い事してるように見えても、為政者達は、うんとうんと先を見透し、最終的には、きっちり人びとの為になるようにしてくれてる筈だと信じていました。見事、裏切られてます。
人類は、幾度も革命や改革を繰り返し、もっと良い世界を目指していた筈なのに、気がつくと、極々一部の人にだけ、富の蜜は齎されるようになっている。ああ。
・・・昨日、茨木のり子さんの眼鏡と短髪と「自分の感受性〜」を、ふと思い浮かべていましたら、コメント欄で、見てびっくり!
それから、東京にいた頃、とあるバーに、酩酊状態の詩人の長谷川龍生氏が、ひとり入ってきて「選手だった頃の王はいいが、監督になってからの顔は良くない」と繰り返され、やがて出ていかれた事を、久し振りで思い出しました。(長々とm(._.)m)
Commented by saheizi-inokori at 2013-09-23 20:59
gakis-room さん、テレビで観る限りでは大人しそうですね。
でも腹をくくって欲しいなあ。
関西の私鉄とJRについては知りませんが、大事を取るという社風もあるのかな。
国鉄/JRはいったん何かあったときの影響が全国区になりやすいとか。
Commented by saheizi-inokori at 2013-09-23 21:06
noreizoko さん、そういうところもあるのでしょうが、JR北海道はコスト削減で余計な人員は当然のこと、必要な人員や予算を削減しているのではないかと思います。
業種を問わず保守修繕部分はカットしてもすぐに影響が出ないのでしわ寄せを受けやすいのです。
また教育研修費もそうなのです。
そういうことが何年か続くと大きなアクシデントが発生することも鉄道に限らないのです。
線路の幅が基準より広がってしまったら社員個々人で直せるものではない、多分外注会社に発注しなければならない。
その予算がなかったということでしょう。
そういう実態を見ている社員のモラールは下がりますね。
Commented by saheizi-inokori at 2013-09-23 21:09
chaiyachaiya さん、たしかに個々人としては好い人が組織の幹部になると途端に保身の塊みたいになって平気で観て見ぬふりをしたり自ら無茶な指示をすることが多いと思います。
感受性も封印してしまうのかも。
Commented by j-garden-hirasato at 2013-09-23 22:37
結局、
都会は勝ち組、
田舎は負け組。
そんな図式でしょうか。
いくら百万都市・札幌があっても、
北海道全体から見れば、
やはり田舎。
しかも、ルートが長い。
国鉄の民営化、
公共交通に関し国が放棄した時点で、
この国、大丈夫か、
と、学生のとき、
漠然と感じました。
Commented by keiko_52 at 2013-09-23 22:58
JR北海道の話は本当に心が痛みます。
なにやってるんだか、、、
国鉄で(父親が北海道の国鉄マンでした)ご飯食べさせてもらっておおきくしてもらっただけに本当に残念です。
Commented by hisako-baaba at 2013-09-24 10:08
儲からないから----って、危険を放置されては困ります。
ずいぶん人手が足りないようですね。

いすみ鉄道のような活路は、無いんでしょうね。
Commented by saheizi-inokori at 2013-09-24 10:43
j-garden-hirasato さん、もともと北海道は貨物の方がウエイトが高い地域です。
それなのに貨物会社に線路を安く貸すことを義務づけられて出発しました。無理が重なっています。
Commented by saheizi-inokori at 2013-09-24 10:46
keikoさん、JR東日本、東海の華々しい成功の陰で島会社は青息吐息ですね。九州でかは人口密集地が点在していることもあって黒字経営ですが。
Commented by saheizi-inokori at 2013-09-24 10:51
hisako-baaba さん、地元に労働力はあるのでしょうが経営上雇えないのだと思います。
いすみ鉄道のように首都圏を後背地に抱えてメデイアの支援もあるのとはあまりに違い過ぎる条件です。
そのいすみといえども楽観はできませんよ。
Commented by 旭のキューです。 at 2013-09-24 19:18 x
北海道が、潰れるのでは、感じています。
Commented by saheizi-inokori at 2013-09-24 20:27
旭のキューです。さん、私もそう思います。
つぶすつもりで対策を立てなければと。
社員の意識でどうにかなるものではなさそうです。
Commented by HOOP at 2013-09-25 05:06
今回、監査をたった4人でやろうとしていた、それでよいと思っていた国土交通省にも、JR北海道を責める資格はないと思います。
9人に増やし、それでも足りないとあわてて20人だそうです。
何をやっているんだか、、、
Commented by suiryutei at 2013-10-03 16:06
お元気そうですね! 記事に同感です。
普段やっていないトラックバックをやってみたのですが、うまくいったかな。
Commented by saheizi-inokori at 2013-10-03 18:04
suiryutei さん、あの長い長いフンドシ時代が懐かしいです。
Commented by 地虫 at 2013-10-05 08:25 x
はじめまして。酔流亭日乗経由でお邪魔しました。
日本の鉄道網はどうなってしまうのでしょう。心配です。そういえば、全労協の加盟組合一覧に”国鉄労働組合”と言う名前があってびっくりしたことがあります。敢えて改名せずがんばっているのでしょうか?
(すいません。次からは非公開コメントにしますね)
Commented by saheizi-inokori at 2013-10-05 10:31
地虫さん、いらっしゃいませ。
鉄道は特定の区間を除くと今や歴史的使命を終えたというのが福井教授の論のようです。
経済効率だけで交通機関のようなインフラの存廃を決めてはいけないと思います。
そのさい、民間資本でとほっぽり出されたらやっていけない。
国鉄に戻るわけにはいかなくとも必要な助成を行って住民の足や貨物輸送を守るべきなのは農業問題とも通底しますね。
国労はいくつかの組合に分裂しましたが根っこのところは残っているようですよ。
Commented by Masaya at 2014-03-17 17:40 x
初めまして。
調べ物をしていて、ここに辿り着きまして。

さて、この問題――JR北海道も問題ですが、福井義高さんの「論調」には、疑問を感じています。

「道路と鉄道の挟撃」と言い、赤字路線を全て切り離せ――と仰っていますが、その「赤字の原因」は理解されているのかな?――と、思うのです。

一つは、「固定資産税」などの負担が大きく、乗客が少なくなっている中では、運賃収入以上に“双子の赤字”に陥っています。
福知山線脱線事故で問題になった、JR西日本の経営姿勢の背景も実はこれであり、地方路線の“負担の軽減策”を纏めるべきでしょう。

二つ目は――実は、これが諸悪の根源でもあるのですが――、“公共交通に対する、一人一人の意識の低さ”です。
車社会化が進展しきり、それで事が足りる社会が出来上がってしまっている中では、公共交通は、それこそ“限られた乗客”ばかりを集める事になる――それが、地方の交通機関が経営難に陥る理由です。
Commented by Masaya at 2014-03-17 17:43 x
長くなるので、分けます。

一番必要なのは、
「駅で、鉄道&自家用車との乗り換えを改善出来れば、ある程度は経営の改善に繋がる」
――と言う事です。
実際、その好例もあるからです。

福岡県は、筑後を走る甘木鉄道。
1986年に、国鉄甘木線を3セク化して誕生した路線ですが、開業当初から、刮目すべき政策を実施し続けました。

一番大きな者は、各駅前に駐車場を設け、自家用車との乗り換えを便利にした事です。
その次に、国鉄時代は一日7往復だった本数を32往復(開業当時)に増やし、乗車機会を増やしました。
そして、小郡駅を、西鉄大牟田線の駅に近付けて乗り換えを便利にしました。

――これらの施策が功を奏し、開業した年から黒字経営が続いています。

問題は、これを、何故JRや大手私鉄が出来ないのか――と言う事。
それを、早くから実施出来ていれば、ここまで鉄道利用が落ち込む事は無かったのでは?――と思えるのです。

別に、鉄道を残せとは言いませんが、福井さんの様な人には、もっと勉強してもらいたいな――と、感じますね。

長くなりましたが、それでは、またです。
Commented by saheizi-inokori at 2014-03-17 22:07
Masayaさん、JR北海道は記事にも書いたように全JRの営業キロの3割という施設のみ過大、沿線の人口は過疎、そもそも民営化、それも上場を前提とするような、は無理だったと思いますよ。
だから歴代のトップは駅ビルなどの非鉄道事業に勢力を注いだのでしょう。
九州がやったような駅前駐車場の無料開放などもやったはずですが、なんせ絶対人口が少なすぎるから増発してもペイしないと思います。
三セクは自治体の補助などもあり少し同列には論じられないけれど全国的にみると苦しい経営の会社が多いのではないでしょうか。
おっしゃる通り、公共交通をどのようにするかが最大の問題です。
国鉄民営分割は国労などの組合を叩くこと、土地を放出させて民間会社のビジネスチャンスを作ることなども大きな目的にして、むしろ貨物や4島の赤字路線は廃止することをひそかに狙った国策だったと思います。
Commented by Masaya at 2014-03-18 00:50 x
ご返事、有難うございます。

さて、仰る事――気持ちは解りますが、釈然としません。
3島会社の場合、「基金があるから、大丈夫」……な安易さは否めませんが、
「国鉄で続けば、今回の問題は無かった」
……みたいに感じますが、本当に、そう言い切れますか?

人口の減少に、車社会化の弊害が重なる中、交通の担い手が「公営」か「民営」かばかりが争われては、「何故、車社会化に対し、後手に回ったか」が総括されず、結果更なる車社会化に進み、今より悪くする――それが、気がかりです。

JR北海道の“今後”は、「公設民営」でしょう。
線路の保有&管理は公営で行い、列車の運行は民営で行う――と言う方式です。
これは、富山ライトレール富山港線で執られている方法で、JR北海道のエリアは全域が北海道庁の管轄だから、線路の保有&管理は北海道庁が行い、運行はJR北海道で行う。
そして、北海道庁がJR北海道の株式の多くを保有し大株主になる――これなら、民営と公営、双方の良さとを活かせるのでは?……と思いますが。
私が、どうこう言えませんが、もっと勉強して欲しい――とも感じますね。

それでは、またです。
Commented by Masaya at 2014-03-18 01:07 x
あと、補足として思う事が。

>国鉄民営分割は国労などの組合を叩くこと、
>土地を放出させて民間会社のビジネスチャンスを作ることなども大きな目的にして、
>むしろ貨物や4島の赤字路線は廃止することをひそかに狙った国策だったと思います。

――と仰いますが、一部までしか同意は出来ません。

何故ならば、国鉄経営の悪い所は、
「黒字路線の収益で、赤字を補填する」
……と言う考え方であり、実は、それにも欠陥があり、
「大半の路線が赤字に陥ったら。機能しなくなる」
――と言う欠点を持つ為です。

国鉄の赤字が膨らんでしまった理由の一つがそれであり、“国労潰し”で終わらせるのならば、制度が持つ欠陥に目をつぶる結果にしか成らず、現状よりも悪くする――と、予感しますね。
Commented by Masaya at 2014-03-18 01:12 x
書ききれないので、分けます。

40年前、国鉄の赤字が問題になり始めたじき、一部の路線の廃止が検討され、実施にも移されましたが、「国鉄の赤字は、金額だけで見るべきでは無い」……と釘を刺され、一時沙汰止みになります。

問題は、これが、“単なる棚上げ”に終わってしまい、車社会化の弊害を国鉄が一人で被る形になり、その弊害を自覚する機会を逸した事でした。

もしも、この時点で“赤字の理由と、その中身”が検証され、「地方路線での“事実上の上下分離”」に至っていれば赤字の増大は抑えられたはずです。
当然、今とは違った形になっていた――と、思います。

ところが、返事を見ていると、「国鉄で続けば良かった」と叫ぶばかりで、根本の問題解決に繋がらない、そんな不安を感じてしまいます。

だからこそ、「もっと、勉強して欲しい」と言いたいのです。
Commented by saheizi-inokori at 2014-03-18 09:55
Masaya さん、不勉強ですみませんね。
上下分離は現在の旅客と貨物がそうなっています(JR北海道は貨物に対して過重負担になってます、かといって貨物にかぶせたら貨物がやっていけなくなります)。
問題は線路などのコストをだれがどういう形で負担するのかということ。
税金となると住民は納得しないと思いますし運行会社に負担させたらやっていけないし、さらばとて結局運賃に転嫁したのではますます競争力を失います。
内部補助というのは程度の問題ではありますが全国をつなぐ線路網を維持しようとすれば多かれ少なかれ必要なことでしょう。
私も国鉄のままでいればよかったとは思いません。
ただ島会社や貨物会社のフレームは見直す時期が来ているように思います。
どうしたらいいかは私のような隠居にはよく分かりませんが。
Commented by Masaya at 2014-03-18 13:38 x
ご返事、有難うございます。

私も、勉強を始めたばかりなのでまだまだですが……。
JRの在り方を巡る議論を見ていると、

「国鉄のままの方が良かった」
「地域密着の体制になれた」
「非効率なやり方が、改まった」

……この様な見方に大分けされるケースが多く、それでいて、“車社会の弊害”について語られる事が殆ど有りません。

確かに、“利便性の改善”が、全てが全て良い結果を生む訳では無いでしょう。
でも、全くと言ってよい程語られず、その結果、公共交通の使い方に疎い人=消費者の大半にとっては中身が理解しにくい、使いにくいものに成ってしまっています。

そこを突く形で車社会化が進展してしまったと言える訳で、その改善策が必要と思います。
Commented by Masaya at 2014-03-18 13:55 x
書ききれないので、分けます。

>内部補助というのは程度の問題ではありますが
>全国をつなぐ線路網を維持しようとすれば
>多かれ少なかれ必要なことでしょう。

――やはり、そうなるわけですね……。
それが問題と言いたいのは、“車社会の尻ぬぐい”に終わっている事です。

確かに、「負担の問題」は有ります。その「財源」をどうするか――は考えねば成りません。
でも、経営難の原因の一つが、車社会化の進展に伴う乗客の減少にもある訳で、それを改善し、バランスが取れた状態に戻す事を前提にしなければ、「内部補助の方が適性」と主張したところで、乗客の減少が続く以上は赤字が膨らむ。
それこそが、JR北海道の置かれた状況と言える訳で、「交通体系のバランス」が取れる状態に持って行く事を前提にしないと、結局は
元の木阿弥に終わる気がするのです。
Commented by Masaya at 2014-03-18 14:13 x
また、分けます。

それに、「上下分離」はヨーロッパに於いては広く採用されています。
人口密度が北海道程度であり、経営難が予想出来た為です。
無論、「負担」の問題はありますし、参考になる点は限られるかも知れませんが、学ぶ点は多くあるのでは無いでしょうか?

ともあれ、言えるのは、「車社会化の弊害を、同時に糺すべき」と言う事。
その上で、自家用車から公共交通への転移しやすい状況を如何に生み出すか――これに尽きると思います。

思えば、日本に於いてはこう言う“議論”自体に歴史が無く、フランスなどに比べるとかなり遅れている――と言う事ですよね。
その結果、どうしても、“事業者の問題”に行き着きがちで、“交通のバランス”にまで話が及んだ事が無かった――JR北海道の問題は、このツケでもある訳ですよね。

だからこそ、まずは知識を集めて咀嚼していく――これしか無いのかなぁ……と、感じています。

長くなりましたが、それでは、またです。
Commented by saheizi-inokori at 2014-03-18 21:08
Masaya さん、いろいろご丁寧に教えていただきありがとう。
Commented by Masaya at 2014-03-27 00:32 x
再び書きます。
>Masaya さん、いろいろご丁寧に教えていただきありがとう。
……と、一行で書かれていた事から、ふと気になりまして。

saheizi-inokoriさんからすれば、
「これらは、企業の、社会的責任の問題だろう。“車社会化で乗客が減った”と言われても、今一つピンと来ない」
……のかも知れません。解りますが、それでは、50点だと思うのです。

車社会化の全てが間違ってはいません。今回の問題、沿線の過疎化も背景にある訳ですし。
ただ、このような過疎地程、車社会化が進展している事をもっと弁えるべきとは思いますが。まだ不十分とは言え、道路整備は進んでいる現状ですから。

それらが絡み合ったからこそのローカル線の赤字でもあるし、甘木鉄道の成功は、その溝を適切に埋めた――と言いたいのです。
そこを、解ってもらいたいのです。
で無ければ、内部補助を主張しても通らないと思うからです。
Commented by saheizi-inokori at 2014-03-27 10:21
Masaya さん、いろいろご丁寧に教えていただき重ねてお礼申し上げます。
でも私が考えていないようなことまで忖度して反論されてもなあ。
いちいち申し上げるのはもう勘弁してください。
内部補助、いまでもたとえば東日本の在来線の多くが線区単位で計算したら赤字なんじゃないかな。
この辺はJRの方にお尋ねになってください。
Commented by Masaya at 2014-07-29 19:07 x
ご返事に、感謝します。
しつこい様ですが――私が、"しつこくなる"とすれば、典型的な、"一利用者の反応"を見る為だろうと思います。

つまり、
"問題の根本を何も知らないまま、勝手な思い込みだけで怒っている"
――と感じる点です。

"怒る気持ち"は理解しますが、"背景&経緯"を何も知らないで怒っている感じを抱いたのです。

だけど、この問題は、私が挙げた理由が背景にあり、それらも解決していく政策も実行しないと、逆に深みにはまる。
それが伝わらないマスコミの報じ方にも問題はあるし、読者&視聴者の受け止め勝てにも問題があるよ――それを、言いたかったのです。
Commented by saheizi-inokori at 2014-07-29 21:39
Masaya さん、同感です。
JR分割の無理をもう一度しっかり検証して新たな対策を講じない限り社員たちの努力でカバーできることには限界があると思います。
Commented by Masaya at 2014-07-29 22:37 x
ご返事、感謝します。

まだまだ勉強中ですが、思う事として、
「レールや枕木などを、固定資産税の対象から外したらどうか?」
――と、思うのです。

ローカル線の赤字問題は、とかく"乗客の多寡"ばかりが語られがちですが、実は、固定資産税の負担の問題が大きいそうです。
線路や駅舎などの"不動産"は当然としても、レールや枕木などの"消耗品"もその範疇に入っています。

それならば、レールと枕木は固定資産税の範疇から外したら、その分の負担は減るし、"存続"の助けにもなると思います。
折も折、「パチンコ税」の話もある、考えるタイミングに感じます。
Commented by Masaya at 2014-07-29 22:39 x
長いので、分けます。

あとは、やはり、"乗り継ぎの改善"も必要でしょうね。
"案内表示"を変えるだけでも、大きな助けになります。

その意味で、福岡の大手私鉄・西日本鉄道と民放局・テレビ西日本(フジテレビ系列)とが共同開発した『バスナビTV』は、画期的と思います。

これは、データ放送の簡単な操作で、バスの接近情報(バスの現在位置やバス停への到着予測時間など)をリアルタイムに表示するサービスです。
事前登録などが必要となるけど、自宅のテレビが面でバスの時間を確認できるのは、便利と思います。
小さいことだけど、"乗り継ぎの負担"は、意外に大きいから、意味はあると思います。

長くなりましたが、それでは、またです。
Commented by saheizi-inokori at 2014-07-30 10:12
Masaya さん、ありがとう、と言っても私には何もできないのです。
Commented by Masaya at 2014-07-30 21:44 x
ご返事、ありがとうございます。

"やってもらいたい"のでは、無いのです。
"知ってもらうだけで、良い"と言いたいのです。

――と言うのも、市井の人のレベルで知らなければ、変わらないことも、たくさんあるからです。

"行動"は、時期が来たら、自分から動くべきだし動きたい――と考えています。

"知ってもらう"だけで良いのです。まずは、そこが肝心だからです。

ともあれ、お付き合いいただき、深く感謝しています。
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by saheizi-inokori | 2013-09-23 12:10 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(42)

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