天鼓と天笛 一噌幸弘は天の笛だ 国立能楽堂・普及公演
2013年 06月 10日
友枝さんのチケットなど取るのに失敗し続けると、しょせん俺は縁無き衆生だから、なんてひがんでしまう。
一噌幸弘が「天鼓」を吹く!
これはぜひ、と思ったら一念通じてゲットできた。
村瀬和子「解説・能あんない 魂鎮めのうた」
お着物をお召しになって「お初めてでいらっしゃいます」とか、ちょっとざわざわ来る「お言葉」。
自分がお酔いになっていて、眼目の女子高生たちが納得できるお話だったのだろうか。
俺はもっとメリハリの利いた大きな声で、具体的に所作などを指して解説してやらないと親切じゃないように思った。
昆布売(高澤祐介)が大名(前田晃一)の刀を持たされて逆切れ、その刀で大名を脅して昆布売りの売り声をやってみろと、謡節、浄瑠璃節、踊り節のやり方を指示する。
昆布めしそうらへ若狭の小浜の昆布~北海道から下ってきた昆布が小浜で加工されて京都などに売られた。
小浜は世阿弥が70歳のときに佐渡に流されたときの港、彼の最後の作品・「金島書」に舟のなかから「白山、倶利伽羅峠、礪波」が見えたとある由。
明るく滑稽な狂言も、配流を控えた世阿弥がこんな昆布売りの姿を見たかと思うと、なにがしかの感慨が深まる。
能「天鼓」
息子を天子に殺された王伯(前シテ)と天鼓の亡霊(後シテ)に武田幸史、その王伯を呼び寄せて鳴らない天の鼓を鳴らさせようという天子の勅使(ワキ)が高井松男。
前半の王伯の嘆きが長々しく、冗長に感じた。
前回観たときの粟谷明生さんの演出がよかったということ↑。
後半、死んだ少年・天鼓が現れて恨み言を言わず、管弦講で弔ってくれるのを感謝し自らも舞い踊る。
その舞姿、随所で決めのポーズがよかった。
なによりも幸弘さんの笛が絶品。
飛翔し地面すれすれに舞い降りて、円を描き矢のごとく、きりもみのようにも、、明晰な長く変化にとんだ曲を息を継いでいるのかと思われるような演奏、”天笛”か
この曲あるがゆえに幸弘さんの出番になるのだろう。
まだまだ能楽堂に縁を切るのはもったいない。
アイ 三宅右近 小鼓・鵜澤洋太郎 大鼓・佃 良勝
やれやれ
↑昨日。今朝↓
saheiziさんは多趣味でいらっしゃる。
多趣味のひとつあてもない町歩きをして帰りの途中です。
赤字会計ですから^^。