インチキワールド・アベノミクスとは違うアフリカのワンダーランド エイモス・チュツオーラ「やし酒飲み」
2013年 04月 28日
その趣旨は
アベノミクスとはホラー小説・「シャドーランド」にでてくる黒魔術のテーマパークみたいなものだ。浜は警告する。
人々の不安や願望に巧みに働きかけ、彼らの飢えや渇き、欲や切望をわしづかみにするから、ついフラフラと足を踏み入れてしまう。
しかし、しょせん、まやかしの世界、正体は枯れ尾花、「三本の矢」とか「異次元金融大緩和」などという看板自体が見世物小屋の宣伝文句みたいだし「アベノミクス特区」にいたっては怪しげなテーマパークそのもの。
シャドーランドはトリックの世界。
トリックは人を騙すためにある。
下心があるのだ。
アベノミクスという客寄せのトリックの背後にちらちらと見え出した、靖国問題や憲法改正という下心に気をつけよ。
カラクリ館そのものの虚構にも用心せよ。
ちょっと見に、誰かが安倍の下心をからかった”見世物”かと思ったら、さにあらず。
安倍自らが陸自出展の戦車に載ってポーズしたのだという。
なんとも”リリシイ”総理のお姿ではないか。
この写真の下には
米2紙 「歴史直視せず」 首相「侵略定義」発言 社説で批判という見出しで安倍の(日本の侵略行為を否定するかのような)国会での発言をワシントンポストが
戦前の帝国主義への郷愁に浸っているようでは、国内改革を推し進めたり、正当な主張である防衛予算の増額などを隣国に納得させることも困難になると論じたと報じている。
やれやれ、安倍さん、頼みのアメリカからもカラクリ館の安普請を見抜かれているようだ。
10歳の頃からやし酒飲みだった男が死んだやし酒作りの名人を探しに「死者の町」に出かける。
悪意に満ちた恐怖の森林(ブッシュ)を通って「幽霊島」「帰らじの天の町」、、を旅する途中で、”擬声で太鼓に命令できる死神”や”身体の部分を所有主から借りている完全体の男の頭蓋骨一家””幻の人質””ぞっとするような袋の中の生物””飢えた生物”指から生まれた強力の息子”、、恐ろしい生物や神たちに捕まり殺されそうになるが、知恵と勇気と我慢やジュジュを駆使して間一髪、脱出する。
やし酒飲みは白い木の内に入る前に「死」を売り渡してしまったから、死について心を煩わす必要はなかったのだ。
白い木の主である”誠実な母”など生の神たちに助けられて赤い魚と赤い鳥を退治して赤化された住民を救い出す。
「ドラム」「ソング」「ダンス」たちがやってきて、だれよりも上手にドラムを打ち、歌い、ダンスを踊る。
そして死の国からもってきた卵に命じて人々を大飢饉の飢えから解放するのだが、人々は乱痴気騒ぎをして卵を割ってしまう。
そこで「地の神」が「天の神」に降伏の証を贈り、天の神は機嫌を直して雨を降らすのだ。
それはアフリカの人びとの姿を映すようでもある。
古事記に出てくる神々の戦いのような世界が1920年生まれの作者・チュツオーラの世界観なのかもしれない。
アベノミクスのカラクリ館のような底の浅いインチキ安普請とはまるで異なる怪異の世界でもある。
土屋哲 訳
岩波文庫
とても変わった英語だそうです。
映像にしたら面白そうですね。
なんしろ奇妙奇天烈な者どもが出てきて、表現しがたいことをやってのけるのですよ。
やし酒を一日飲んで過ごしている、って羨ましいような気もします。
私も若いころはよくカクテルを飲みました。家にカクテルセットを揃えたりしましたよ。
そもそもどんなものなんだろう?^^。