惜しむらくは企画倒れ 「圓朝に挑む!」@国立演芸場
2013年 03月 24日
「花冷え」だ。
春寒、余寒、それぞれどう違うのか、亡母がいたら好い話題になったのに。
今日はさるお方が都合が悪くなって譲っていただいた、「圓朝に挑む!」@国立演芸場。
前座、明楽「犬の目」
初めて聴く人だが、なかなか面白い。
目玉をくり抜く、それを犬が食っちまう、じゃあ犬の目をくり抜いて代わりにいれちゃう、、ゴゾンジ前座噺なのだが、だれに教わったのか珍しいクスグリが多く、喋り方・風貌が噺のブラックな興趣に合っていた。
家に帰って調べてみたら、柳家小蝠が自分のブログで「明楽君との会話」と題して面白いことを書いている。
落語は初心者だという柳亭明楽さんにご飯を食べながら色々お話しを伺いました。香盤は?意外と上の方ですね。亭号は?ちょっと待ってください。、、
Q:円朝師匠って知ってる?
A:うちの協会の方ですか?
最近寄席休んでますよね?
東京かわら版の演芸家年鑑のフリーの所を一生懸命見ておりました、とさ。
2009年の投稿だから、ネ、今は圓朝の亭号くらい知ってるだろう。
こみち「にゅう」
妊娠9か月、女性はすぐわかるけど、男性は分からないらしい、と言ったが、俺はすぐにわかった(9か月とはわからないけど)、落語は想像力で聴く芸能だから妊娠9か月の隠居さんなんて考えないで聴いてくださいという。
圓朝がたくさん残した噺のうち、今では演じられない噺というのは、他の噺と「つく」(=カブル)ような噺であるために敬遠されるか、噺そのものがつまらないからのどっちかだ。
「にゅう」はそのつまらない噺だから、そのつもりで、、。
たしかに、腹を抱えて笑うような噺ではないが、弥吉という与太郎みたいな男のとぼけた造型は味がある。
弥吉が旦那のお使いで行った先でハチャメチャ、スラップスティックなドタバタもバカバカしいと言えばバカバカしいが、やりようによっては笑える。
こみちは善戦したが、扇辰とか鯉昇などで聴いてみたい。
横顔がちょっとアチャコに似ている。
熱演だったが、一本調子。
休憩後、龍玉「やんま久次」
旗本の次男坊がグレて兄から切腹を申し付けられる。
命だけは!
そんなに命が惜しいか、情けない奴だ。
って、そんなあ、だ。
ところどころ雲助を思わせるゆったりした語り口で、もともと大きな目玉をぎょろっと、ニヒルなヤクザをやらせるとニンだ。
大べらぼーめ!片肌脱いで見栄を切って、チャンチャン拍子木が鳴って幕。
何度か聴いたことのある「お若伊之助」がこの噺の発端で、「お若伊之助」はその20分の一くらいなものだから、今日残りぜんぶやると夜が明ける、と言って始めたのは「お若伊之助」。
あらすじだけかと思ったら、みっちりやる。
狸が男に化けて女と契って子供が出来るという噺。
30分もやったろうか、出来がいいから引き込まれて聴いていたが、いつ残りの本番に入るのかと気になっていた。
結局、残りは早口に一筆書きみたいに筋だけ話す。
圓朝のあの込み入った因果はめぐる筋の運び、名前も似たふうなのが頻出する噺はゆっくり聴いても、手元に相関図でも置かないとなかなか頭に入らないのに。
雲助がこういう噺をやるときは相関図やあらすじを用意してロビーに貼りだしたりして理解を深めていた。
噺も長い後半のどこかに絞ってそこをきちんと話すべきではなかったか(ふだん聴く機会がある「お若伊之助」ではなく)。
せっかくの国立の特別企画なのだからもうちょっと考えて欲しかった。
まあ、圓朝を知らなかった落語家もいるような時代だから、「圓朝」の名を題するだけでも意味はあるとは思うが。
圓朝の魅力、の片りんでも見せて欲しかったのだ。
本物に触れる機会が無くてTVでしか拝見出来ず残念です。
北海道はまだ、春が遠く・・・雪がどんどん降ってきます。
3月でこの積雪は流石に異常です。千鳥ヶ淵の桜、靖国神社の
桜も満開なんですね。桜を見る度、日本人で良かったと安堵
します。
ニューヨークなどアメリカも異常な天候のようですね。いつまた東京も?
我が家は昨日ようやく雪山を除雪してもらいましたが、今晩はまた雪ちらほらの予報です。
花冷え、花曇り、花の雨。この季節の言葉はうつくしいですね。
千鳥ヶ淵は一昨年が良かったなあ。
変ですよ。
阿吽の呼吸かな。
なかなかいいじゃないですか^^。