笑わせて怖がらせてシンミリさせて 第一回「まいどおおきに露の新治です」
2013年 02月 17日
松屋でm.yamさんの陶展「folklore」を観る。
欲しい作品↑↓があったけれど、年金暮らしにはちょっと、それに飾る場所もないのだ。
会場でウッキーさんに紹介していただく。
松屋から日本橋三越の先、お江戸日本橋亭まで歩く。
風が強く、帽子が飛ばされそう、耳も痛いのでダウンのフードを両手で首のところで掻きあわせてかぶって前のめりになって歩く。
途中のドラッグストアで足に貼るホッカイロを買って、その場でつけて歩く。
上方から新治の友人たちがやってきたようで、昨年11月、さばの湯での独演会にも来ていた人たち、始まる前から楽しそうだ。
金比羅フネフネのお囃子で登場して開口一番が新治。
夢にも思っていなかった東京での”大独演会”、「これが私の人生のピークかも知れない」と冗談を交えながらも謙虚な挨拶をして「つる」。
知らないことはないと威張る甚兵衛さんに
ほんなら、聞くけど、南京虫は脚気患うかなんで中国を唐土(モロコシ)というか、
紙の作り方や漢字や、汚れた空気や、モロモロをおこしてくれたさかい、モロコシ甚兵衛さんと町内のアホのやり取りが関西弁の面白さと相まって何とも言えない。
おこした後はなんにもないようになって唐(カラ)か
江戸落語の「つる」、とくに扇橋などは鶴の名前の由来を説明する「つ~っときて、る~っと来て」の飄逸を面白がらせるけれど、こちらは饒舌の楽しさだ。
達者、悪くないけれど長すぎる。
新治「雪の戸田川」
師匠の露の五郎兵衛が先代正蔵に習った噺をやります。
冬の怪談、笑いがない噺、寝てしまわないように、とすぐにネタに。
歌舞伎「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」の発端部分、講釈「戸田の渡し・お紺殺し」を正蔵が落語にしたもの。
宵闇迫る、戸田の渡しでの成功した商人・佐野屋治郎兵衛と、病みつかれて性別すら定かならず、言葉も明瞭を欠く、乞食・お紺の遭遇。
二人はかつて夫婦だったが、お紺が病んだ時に治郎吉(当時の名前)が金策に出てそれきり、捨てられたと思ったお紺が怨みのたけを述べれば、次郎兵衛は、さあ、一緒に帰ろう、きっと病気も直して、元のお紺にしてあげると、やさしく言う。
というのはマッカな偽り、こんな女を連れて帰るわけにはいかない、お紺は川に落とされ、杭にすがれば指を切り落とされめったづきに殺される。
顔なじみの船頭に頼んで舟を出して帰ろうとすると、、。
芝居仕立てとリアルな描写とが塩梅よくまじりあい、男の狡さ、非道、女のいじらしさが、くっきりと浮かんだ。
醜きものも美しきものも白一色でございます。ぶるぶるっとくるようなラストだ。
仲入り後、めおと楽団ジキジキ
この↑動画はだいぶ前のものと感じられるほど一段とフクヨカサを増したカオルコとキヨシ。
初見、明るくて親しみがあって、又観たくなる。
新治「井戸の茶碗」
めおと楽団の連中が新治の髪が薄くなっていることをネタにして笑わせたのを受けて、日本人の禿げ頭に対する偏見について爆笑のマクラ、内容もともかく、語り口が爆笑を産むのだ。
東京進出にあたって力を添えたさん喬の勧めだといってネタに。
バカがつきそうな正直者の屑屋に堅物の浪人や若侍が織りなす、世にも稀なる美談を、リアルな描写などにこだわらす笑い中心(と言ってもつまらないギャグで汚したりはしない)でポンポンとスピーデイに語る。
そうか、この噺はこういうふうに語るべきものなのか、と腹を抱えながら納得。
若侍の従者がさいごに漏らすひとこと、
私は、この千代田様に会いたくなりました。こうして書いていても笑い出しそうになる、そうだ、これがこの噺のヘソだ。
仏様から50両が出たと思ったら300両の茶碗で毎日お茶を飲んでいる。
それでいて思いっきり貧乏している。
このネタでこれほど笑ったことはない。
屑や・清兵衛が千代田に娘を高木の嫁にして貰えないかを訊きに行ってくれと言われて
ホントに良いんですか、私のような者がお侍さまの仲立ちをしても?良いから頼むと言われ
孫子の代まで自慢できると喜ぶのがナンともめでたく気持ちの好い清々しい笑いを誘う。
滑稽噺、怪談、人情噺、短いけれど楽しいマクラ、それぞれに緩急自在な芸を見せてくれる新治。
ますます、追いかけなくっちゃ。
14000歩、ラーメン一杯にあたる。
一ん日歩いてもそんなもんかい、とも思うし、一食分歩いたんだから大したもんじゃないかとも思う。
気が付いた時には完売でした。それでも諦めきれずに一人だけ入れて欲しいとメールを送ったら、ご本人から丁重なお断わりの返信がありました。
次回には是非。
2000円と言うのもえらいです。
となるとヤリはアメノヌボコで橋はアメノウキバシですね。
その上に描かれている、土器を野焼していてアブダクションされそうになっている縄文人と小動物がシュールで素敵です(作家さんの自画像ですよね)。
ロシアでも宇宙人が降りたったのか^^?
実は、やっぱり「勘違い」だったのです。私が存じ上げていたのは、sahanjiさんでした。
でも、せっかくのご縁です。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。(^^)
冷たい男です。