圓太郎が「圓」太郎になってよくなった 鈴本下席・夜の部楽日
2012年 10月 31日
好きな噺家がたっぷり聴かせてくれる独演会は落語好きには必要不可欠だけど、いろんな人が登場し、肩に力の入らない客とともに作り上げる空間にも独特の魅力がある。
眺めていると昼席主任を務めた南喬が寄席のスタッフと丁寧に挨拶を交わしながら出てくる。
今から世に出る噺家、その人なりの芸を完成させた真打、立派な弟子たちを育てて世を去った噺家。
小さな入口をさまざまな人生が交錯したのだ。
一朝の弟子になって12年、嬉しい二つ目、マクラが似ているので「一目上がり」かと思った。
ゆったりした入り方は若者では珍しいか、時間もたっぷりとって、大物だぜ(体だけじゃなく)。
右太楼「宮戸川」
うまくなったけど、どこかにある暗さがなんとかならないか(無理か、活かすべきか)。
仙三郎社中・太神楽曲芸
最前列に座ったせいか普段見えない芸人の表情がクローズアップで見られる。
横を向きあってバトンを投げ合うときの仙三郎の顔の怯えすら感じさせる真剣さを発見。
前に観たのはいつだったかトンガッタ感じがあったけど、今日はちょっと肥えて丸い印象、前半を要領よく短縮して、杢兵衛が化け物を恐れて暇をくれというところから細部を話す。
一つ目をポンポンと使いまくる隠居が出色、身体だけじゃなくて芸もすごくなった。
文左衛門「のめる」
喜多八と一緒に落語会をやることが多いせいか、何となく、暗く出てばあーっと盛り上げるやり方は喜多八風(ちょっと前の)、だがあまり乗らなかったなあ。
「つまらない」が口癖の人、たしかにナンにつけマイナス面ばかりを言い立てて楽しまない人がいる。
ご自分もお気の毒だがはた迷惑でもある。
そういうやつが「一杯飲める」を口癖の楽天家に勝つのは「つまらない」。
遊平・かほり・漫才
旦那がボケで奥さんが突っ込み、笑えないのだ。
なんかほんとにイジられているようで、京太夫妻とそこが違う。
最前列から見るとわかるのだが、ものすごくきつい顔をして出てきて、正面を向いて座ってお辞儀をして笑顔になった。
古典をやれという天使と新作で勝負しろという悪魔のせめぎ合い、ネタを決定する瞬間の噺家の内心の葛藤を大熱演。
一之輔に抜かれている焦り、鈴本の席亭に対する恨みまでクスグリに使った汗びっしょり。
俺は結構面白かったが、いかんせん、長すぎた。
変な噺、感心して聞いていたけれど、長すぎる!私の時間がもう7分くらいしか残っていないシャレではなく苛立った顔、この人にしては珍しいセリフで始めたのは、中トリ、扇辰
どうまとめるのかと思ったら「目黒のさんま」。
殿様がプチプチシューッと焼きあがったばかりのサンマを食うところが、なんともうまそう。
14分で仕上げて満足させるのはサスガ!
美人もあまり近くで仰ぎみてはイケんね。
時間がないからか都々逸はやらず、「さのさ」、「つんつるてん」という「藪入り」みたいな歌が明治から大正への浅草風景を謡って珍しいのだが、早口過ぎて聞き取れないのは隠居の困った症状だ。
さん弥「壺算」
二つ目ながら深いところに抜擢されて早い時間から張り切っていた、と百栄がやっかみ半分にいじっていた。
しかしそういわれるほどの芸とも思えなかった。
ちょっと独特の風があるのが席亭の気に入ったのか。
正楽・紙切り
正楽もちょっといつもの雰囲気と違って硬く不機嫌オーラがちらっと、どうも今日の楽屋は何かあったのかな、楽日だというのに。
「相合傘」「満月」「紅葉狩り」「スキューバダイビング」。
三三「質屋蔵」
出てくる前にトン!隣にいたフアンらしき女性が「あ、ジャンプ!」、それがクセらしい。
三番蔵に夜な夜な出る化け物は質物の気が化け物になるらしいといって、即席で質屋の旦那が作り上げる「帯と女の怖い噺」、まるで噺家みたいな才能がある、って噺家がやってるんだけど。
三三のこの噺は初めて聴いたが、これは鯉昇のがいい。
臆病な番頭と熊さんがお互いに体を紐で結びあっている姿が今思っても可笑しいのは鯉昇。
とぼけた味わいが三三に勝ってる、ってことは三三ももうちょっと力を抜いたらどうだろう。
それでフンギリがついてコンビニでお握りを買って帰りましたとさ。
「一杯呑める」じゃなくて「つまらない」の勝ち!
世のお年寄りは病院好きで、私達より頻繁に検査を受けています
そりゃぁ初期に見つかりますよ、転移もないし
でもそれって体だけ丈夫にしても脳は衰えますよね
壊れたサイボーグにはなりたくないですね
茶色の方はサンチより私に興味があったみたいでした^^。
ほめく様のブログでお世話になっている福と申します。
お話の朝呂久は声が大きく、潔い感じで、将棋で言えば香車を思わせます。
今後は滑稽話の名手として寄席を飾ってほしいと思います。
他の話ですが、「鈴本演芸場」の良さは不忍池が近いというロケーションにあります。なんとなく癒される感じです。
たしかに朝呂久はスカッとしてますね、香車?肥った槍かな^^。
不忍池、根津寄りの方も好きです。時間がないとまわれないけれど。
この日はこっち側だけでした、池の蓮を切って水路みたいなのができてました。
ふところに余裕があるときは藪蕎麦もいいし、もっと余裕があったら「シンスケ」が!
ここからだと出番前の噺家の姿が見えて一興です。
喬太郎が緊張した面持ちで、掌に扇子で「人」と書いて飲み込む姿など意外な面を見ることができます。
末広亭では桟敷下手の一番前の通路側に座ったことが何回かありましたが、どうもまだ私には家賃が高すぎるようで今は椅子席にしています。
膝の痛みもあるんですけどね。
学生時代、根津の寄席でトイレに立ったら通路(土のままだったような)で漫才コンビが夫婦喧嘩、女がさめざめと泣いていたのです。
トイレから戻ったら満面の笑みで舞台に立っていました。
サンちゃんも綺麗な色ですね、グレーですか・・・?
すぐに薄くなって今の色になりました。
チャコールグレーというかなんというか独特の色合いです。
ときどき同じ色のトイプーに逢いますがお互いになんという色かはわかりませんよ^^。ミルクティーにも近いかな。
さきほど、散歩中、二度目に会った黒ぷーのママさんに、「ちび太くんでしたっけ?」と言われ・・・絶句。「マメ太です・・・」
チビタはないよなァ~~。なんか可笑しくって・・・土手を歩きながらずーっと笑ってました。