四次元無限軌道を行く飛行船 ジエイムズ・P・ホーガン「星を継ぐもの」
2012年 09月 04日
自民党も民主党も「本当に」ダメな政党だと、これは本当にそう思うけれど。
1980年初版、2000年52版。
多くの人が読んでページの下の方が丸まったり折れたりしてるのを直しながら読んだ。
SFは詳しくないので本書の存在は知らなかったけれど誰かの文章に出てきたので図書館に予約したのだった。
月面で発見された真紅の宇宙服を着た死体。
地球人にそっくりだけど誰だかわからない。
彼が5万年前に死亡していたことが分かる。
2028年、地球人は既に月には誰でも旅行会社手配で行くことができるようになっていたが木星その他の惑星には特殊な任務を持った人のみが行くところだった。
そういう地球の頭脳が集まって現代人類が生まれる前に存在していた死体が何者なのかを突き止めようとする。
謎ときというよりも生物学、物理学、地理学、言語学、、あらゆる学問・知識が総動員されてああでもないこうでもないという、その知識・薀蓄が読みどころ。
それ(なんか磁場の理屈みたいなんだが俺にはちんぷんかんぷん)によって作り出される重力ポテンシャルの大きな変動を何らかの形で制御して、宇宙船の周囲の空間を自由に歪めて推力を得たのでしょう。言い換えると、宇宙船は自身が前方に作り出す穴にどこまでも落ち込むことで前進するわけです。言うなれば、四次元の無限軌道ですね。ちんぷんかんぷんでもなんとなくワクワクしませんか。
つまり、宇宙船は自分で時空の泡(あぶく)に閉じ籠って、その泡が何らかの形で通常空間を突き進む、ということですか?
ホーガンはこの一作により一挙に一流作家の仲間入りをしたようだ(2010年に亡くなっている)。
本の後ろの目録にもずいぶんたくさんの作品が並んでいる。
池 央耿 訳
創元SF文庫
今でもsfファンタジー大好き!たまりませんなぁ、