隠居の義太夫で雪が積もらないって 鯉昇「寝床」ネタおろし、一之輔の脱力
2012年 07月 04日
今を去る5日前、29日の、新宿・亭砥寄席、「鯉昇・一之輔二人会」のこと。
近頃はなんでも俺に無断でやるのが腹立たしい、小沢君だってひとことアイサツがあってもいいのに。
鯉丸「転失気」
一之輔「加賀の千代」
いたいけな老人に布団を売りつけるような会場だと、たしかに。
昭和女子大付属高校の良い子たちに「初天神」を聴かせて、飴玉をいじった指を舐めたり、しゃぶった団子をもういちどタレの壺に入れると、「それはいけないよ」という視線で咎めたけれど、素直でちゃんと笑う良い子たちだった、、一之輔にとっては彼女たちは異星に住んでいるようなものかもしれない。
ネタは、さらっと笑わせた。
最前列でみると迫力あるけど優しさもある顔だね。
浅草にいた鳩がスカイツリーの電磁波の影響で鯉昇の近くに退避してきたという。
そういえば浅草であったことのあるのが二三羽、、新しいマクラ。
新ネタに取り掛かると溌剌としていいのだけれど、でき上がらないうちにかけたくてたまらなくなるのが困る。
おもしろくないと思うけれど我慢してくれと言って「寝床」だ。
今頃?意外だった。
志ん生のを下敷きに?独自のギャグを加えてたっぷり。
ガンモドキの作り方はテレビの料理番組よりも丁寧だ、包丁の向きまで指南する。
旦那の義太夫がもたらす甚大な被害のいろいろ、ちょいとした毒入り竜巻だ。
ブラジルで日の出が遅れるってんだから、ちょいとしたレベルではおさまらないか。
寝床が出てこない寝床。
休み中はロビーで一之輔、鯉昇並んでCDにサイン、鯉昇の方が多かったかな。
身の置き所がなさそう、照れくさそうな一之輔のたたずまい、ちょっとよかった。
鯉昇「粗忽の釘」
箒をかけるんじゃなくて、おばさんの形見にもらったロザリオをかける釘を打つのだ。
夫婦の馴れ初めを語るところは一切カット。
18分、すきっと終った。
高校生のとき初めて浅草演芸ホールに飛び込んだら柳昇がトリで鯉昇も出ていた。
あれから17年かな、その鯉昇師匠と二人会ってすごいですね、たしかに。
蔵前の噺から、渋谷なんてなくなりゃいい、ってやっぱり一之輔は山の手嫌いだ。
笹乃雪、豆腐なのに気取って高い!
俺も賛成、鎌倉の何とかいう店で玉子焼き定食なのに1200円も取る店があって、そこに並んで食うバカな客がいて、それをまた何度でも映すバカなテレビがデエッキレエだ。
男なら漱石、女なら雅子!ご隠居が定に持って来いという茶の道具、なんだかわかる?
そう、棗、なつめですね。
鯉昇、さすがに貫録でした。
末広亭が小三治だったのにチケットを早くに取ってしまったからもったいない精神で来たこの会。
それなりに満足、帰りのいっぱい、おなじみになった客たちとの話も満足。
落語聴いてるときぐらい、我慢しなくていいですよォ~~!
小柳枝さんの「野晒し」・・・聴いてみたいわァ~~。
最前列は、緊張します。
かるみがよかったです。
メモも取れないし^^。
タイのアユタヤ王朝、第19代目の王、ナレースワン大王が愛玩した闘鶏だそうです。