弁当二つ買って寄席に 菊丸、権太楼、才賀、扇遊、一朝、、勢揃い 末広亭上席・昼・夜
2012年 06月 06日
伊勢丹の地下で2割引きになっている弁当を二つ買って末広亭に入ると、日曜日だというのに楽勝で通路側に坐れた。
喜多八には間に合わず小袁治「夏泥」から、泥棒もさることながら泥棒をカツアゲする男も憎めない。
泥棒が煙草入れを忘れたのを男が褌一丁で追いかけて届けるというサゲは初めて。
仲入りで弁当その一を食う。
3時のランチなり。
勢朝「雑談」、ペー「ギター漫談」と続いて、扇治「長短」、長さんをイラチ気味の俺がのどかに聴けた。
小団治はどこかの中堅どころの会社監査役みたいな顔をしていたと思うが何をやったかを忘れてしまった。
和楽社中が今日もミス、ミスは連鎖するのかな。
トリは才賀、ナイキの形に剃り残した頭の悪人づら、ガラガラとババアババアを繰り返し年寄りネタのマクラ。
券売機の前で顔をこすっているババアは「しわを伸ばして入れてください」、美人画展で、ちっとも美人じゃないわ、というババアは鏡の前にいる。
そこから鏡の存在を知らない人たちの民話みたいな「松山鏡」に入る。
品がないようでぎりぎり許せるシャレの領域におさまっていると思ったが俺はババアじゃないからなあ。
俺の隣近所に坐ったオバ様方は涙をふかんばかりにして爆笑していたが。
終わってから
今まで生きてきてこれ以上バカバカしいものはないと思うようなものをご覧にいれますと断ってやったのが「はるばる来たぜ函館へ」サブちゃんの歌をバックに芝居仕立てで舞って見せる。
舞台の真ん中にあった段ボールの箱をたてて「箱立て」、珍妙・猥雑な仕草でまたもやオバサマたちは笑い転げる。
俺も声に出して笑った、気が晴れた。
夜の部に入って一力「寿限無」、ほたる「珍獣動物園」、紫文「三味線漫談」と会場は冷えっぱなし(6分の入り、割引策もうべなるかな)。
菊太楼「転失気」で懸命に温度をあげようとするが、喬之助「宮戸川」で一陣の涼風。
ホームランが湧かせて、菊丸だ。
先日の落語研究会で感心した、今日のお目当ての一人、酒席でお追従に人の言葉尻をまねばかりする「真似バカ」の真似をして見せて「幇間腹」。
ああ、貧しい人がうらやましい、、並大抵の遊びに飽きた道楽若旦那の述懐がよくて、全体のメリハリテンポがよくて、品もあって、、いよいよ好きになった。
〆治「辻占の独楽」、美登・美智「奇術」でまた冷えてさん八「親子酒」は親の造型もいいけれど渋くて冷えた会場を沸かすまでには至らない。
こうなれば一朝にイッチョウケンメイやってもらうほかはない。
「祇園祭」、楽しかったが京男の「あっあっあっ!」と言う笑い声に力が入りすぎて、それが笑いを誘っていたのがちょいと気にくわぬ。
仲入りでお弁当その二を食う。
さすがにうまくない。
久しぶりの扇遊、楽しかった。
「夜中のハバカリみたいにいい女」=「目が覚めるようないい女」ってね。
馬の助「権兵衛狸」、権兵衛の朴訥でやさしい人柄を好演。
噺のあとのお約束、羽織と扇子、手拭いをつかった百面相が嬉しい。
「大黒様」「恵比寿様」「文福茶釜」「はなさか爺さん、正直・嘘つき」「修行中のダルマ大師」、一人で鏡を見て稽古するんだろうな。
もう一人のお目当て、トリの権太楼「一人酒盛」
熊さんが人の好い留さんに火の熾し方(若い人には発見かも)、「かくやのこうこ」の作り方、、事細かく指示するのが面白い。
どうせ飲むなら留さんと一緒にと思ったの!ひとり呑み続け一人盛り上がって、留さんを使いまわす。
ほらほら、見てみて見て、いい具合に盛り上がって、、、
楽しみにして楽しみにして!
今日の権ちゃんの熊さん、根っこはいいやつに見えた。
終わりよければすべてよし、かくて6時間余の頑張り(ほんと、くたびれるんだから!)は報われたのであった。
思い立っての落語とは羨まし過ぎ。
五代目古今亭ん生ベストCDを買いました。
来週の遠出で車内で聴く予定。楽しみ〜〜♪
隠居の楽しみは限られてますから。
それだけsaheiziさんを虜にした落語を生できいてみたいです。
一つ笑うと一歳若返るといいます。どんどん若返ってください。
権太楼さんの「一人酒盛り」、前回の人形町では後味悪かったけど、この日は熊さんの好感度アップ。愚図愚図したトメさんが悪い!
末広亭、大当たりでしたね!
高座に上品な色気があり、何を演ってもガッカリさせることのない人です。もっと人気が高くてもいいんですがねぇ・・・。
ときどき立ち上がって後ろの立ち見をすると楽になります。
菊六贔屓が増えるのは嬉しいです。
デモ切符が取れにくくなるような人気は出ないかな^^。