今の広告会社経営者はどういう勉強をしているのか デイヴィッド・オグルヴィ「売る広告」
2012年 05月 28日
懐かしい。
25年前に広告会社を創ったことがある。
ナリは小さくとも質では世界一の会社にしよう!なんて若かったなあ(その後も仕事を変わるたびに”世界一”を口にしていたんだから懲りない男だった)。
3か月ほど前に会社設立準備室の責任者になった。
それまで広告会社のことなど知らないから毎晩何冊も関係の本を読み、電通や博報堂、読売広告、、会社見学にも行った。
そのころ出会ったのが↑の「売る広告」。
分厚い本で高かったけれど、写真がいっぱい載っていて、どういう広告が消費者の買う気を起こさせるかを具体的に説明してあって、興奮した。
難しい言葉を使うとそれまでの「ハードセル」から「ソフトセル」への革新だった。
知性とユーモアがあった。
当時アメリカで評判になった本だ。
就業規則やら賃金規定、会社組織、、ほとんど全部おれ一人で白紙から作った。
採用試験の問題も作り面接は何度もやった。
そうしていよいよ会社創立、初めは他所の広告会社からの中途採用者が仕事の中心だった。
彼らに「売る広告」を読んだか、と聞くとほとんどの人が読んでない。
なかにマジメ(そうな)男がいて、貸してくれ、というので貸してやった(いまだに返ってこない)。
クライアントの担当者は広告のことなど目にイッチョウジもない上司が文句を言わなきゃそれでいい。
大枠はそういう中で、いかに予算をうまく取って、費用は使わず、出来るだけ仲良しの制作会社(その担当者)とうまくやるかが何より大事。
そういうことを要領よくやって社内の付き合いに長けている人が重宝がられる。
俺は会社設立後、三か月ほどで首になった。
あの会社の連中はこの本を読むのだろうか。
良書ですね。