中国によるモンゴル人虐殺 楊海英「墓標なき草原(上下)」
2012年 01月 17日
映画「無言歌」はそのころの強制収容所で労働改造を強いられていた右派知識人たちの惨状をみせる。
1958から1962の間で4500万人の人民が非自然死している。
これは1966年から始まる文化革命以前での数字だ。
150万人いたモンゴル人のうち殺された者は3万人とも10万人とも推計される。
ソ連との対立を深める中国にとってモンゴル人民共和国と連携(ヤルタ協定により民族統合は否定された)、民族自立をめざし満州国時代から日本人への親近感も強いモンゴル人たちの存在は脅威だった。
内モンゴル自治区には漢人たちが入植しモンゴル人は1割強とマイノリテイ化していた。
農耕民族である漢人たちは、遊牧民族であるモンゴル人たちを「野蛮な異族」として貶め、開墾したから豊かな草原は砂漠化した。
遊牧のために家畜を飼う牧主を搾取階級と位置づけ拷問にかけ殺した。
農地化するのに抵抗するリーダーは反毛・反共産党として粛清された。
モンゴル語統一の動きも否定する。
先頭に立たせるのは同じモンゴル人の共産党員、モンゴル人同士の争いだったとして漢人の責任を取らない。
手柄を立てた毛沢東に忠実なモンゴル人も次には逆心ありと決めつけられて粛清・殺害の対象になる。
今、モンゴル人は相も変わらず差別され虐待されているがそれに対して異議を唱えるべきリーダーがいない。
すべて粛清されてしまったからだ。
それだけに語られる酸鼻を極める虐殺・拷問の様子には胸苦しさを感じる。
ナチスのように毒ガスでいっぺんに殺す方が優しい人たちだと思えるほどだ。
日本の一部の知識人たちも賛辞を送る「中華民族の多元一体構造」は、少数民族にとって危険な思想である。「全人類の解放」や「世界への革命の輸出」を過去にすすめてきた中国の漢族社会には、「文明的な漢人」対「立ち遅れた少数民族」という思想が未だに根強く残っている。2009年3月末に、中国は自らのチベット侵略を「百万人の農奴を解放した偉業」だと定義し、再解釈した。「奴隷たちが暗黒な中世に喘いでいる」以上、殺戮も止むを得なかった、とのレトリックである。大学を出たはずの俺は毛沢東の大飢饉もモンゴル族虐殺のこともろくろく知らずに生きてきた。
漢人たちが砂漠化した大地から飛んでくる黄砂のよって来る所以も知らなかった。
著者(新聞写真)は1964年、内モンゴル・オルドス生まれ、モンゴル名は「オーノス・チョクト」、日本に帰化して「大野旭」。
幼少期は常に文化大革命の政治的暴力におびやかされていた。
楊家もたびたび私刑や家財略奪を受けたという。
本書は昨年の「司馬遼太郎賞」受賞。
岩波書店
原発の安全性と同じかもしれない。
でも、佐平次さん。それはそれとして、風邪気味で気力がないときにこういう類いの本はどうかと。もう少し免疫力がアップしそうな本を選んで下さいませよ。
私もね、ついこのあいだまで知らなかった―と恥ずかしくなるような時が何度もあります 汗’
それって、やっぱ報道規制がかかってたってこともあるとは思いますけど、まあ私の無知のなす業だわな 再汗’
イタリア人は、ものすごい残酷な事を「中国人の拷問」と呼びます
日本ってさ、結局そう言う親日民族に対しても、なんの保護もしない、非常に自分勝手な冷たい国なんだよね
日本がまだ元気だったころ、いつも私は日本は中心となってアジアをまとめればいいいと思ってたけど
そんな器量もないよね
自国の子供さえ守れない国ですから...
なかなか保護するってことも難しいですね。
ただ迂遠ではあっても国際世論てのがあるからこういうブログでも黙っているよりはいいかなと思った次第です。
毛沢東の中国、幼いころの私は不思議でなりませんでした。
まだ国交が正常化していなかったころ、中国に近い私の故郷では「中国展」という企画が時々行われていて、食べ物や日用品の他に赤い表紙の中国共産党の本が売られていました。
どうして中国は共産党になったの?と親にきいたら、大きな国をまとめるにはそれしかなかったんやろね。と答えていました。
子供心に何もかもを1つにしてしまう事が大変恐ろしく感じたものですが、その答えがsaheiさんの記事にあると思いました。
毛沢東に政策失敗も、江青女史を含む4人組のせいにして、今も毛沢東は中国では尊敬の対象になっていますよね。不思議な国です。
こうやって他国で暴かれる自国の秘密。それを眼にする事ができない中国より、まだ日本の方がましのような気がしますが、事実はこうしてインターネットで暴かれていても、一向に脱原発を決定実行できない国っていうのも残念な国だなと思います。
先日、 中国の内モンゴル自治区からの留学生の人たちが、南モンゴルが中国で弾圧・虐殺され続けていることに抗議して、デモを新宿でしました。
そこに来てた南モンゴルからの留学生の人たちも、モンゴル草原で羊を700頭持っていた人が土地を強制的に追われ、今生活のためにゴミを漁って生活をするしかないという話や、モンゴル人の中で経済的に少し成功した人が出ても言いがかりをつけられて財産を没収されてしまうと、話されていました。
こんな怖い状況に中国がなっていたと、つい最近まで自分も知らなかったです。
こういう酷い民族迫害をしている中国との付き合い方を日本人は考え直さないと!と、一人で最近憤慨しています。