円朝は幸せだった、、か? 松井今朝子「円朝の女」
2011年 09月 29日
森まゆみの「円朝ざんまい」は森が円朝にぞっこんだということがよく分かるし、この「円朝の女」を読むと松井今朝子もそうとう重症ではないかと思われる。
この小説はどれほど円朝が女にもてたかを描いている。
円朝の人生の節々に現れた5人の女を描き円朝の人となりも浮かび上がってくる。
華やかで寂しい人生も。
惜しい、昔は「あたらしい」と言ったのを、「あらたしい(新しい)」をひっくり返した云い方が流行って本家本元が引っ込んでしまった。
アタラいい言葉を惜しいことをした。
ほい、惜身の女だ、「惜ったらもの」をつけそこなって女に生まれてきた、男勝りの直参の殿様の娘が第一の女だ。
武家の終焉の幕末を雄々しく生きて円朝と、、どうなったか、それは、、読んで感じてくりゃれ。
吉原の大楼(おおみせ)でナンバーワンの花魁。
幕末には噺家ごときは大楼の客にはなれなかった。
なのにどうして円朝が長門大夫と馴れ初めてすぐに好い仲になったのか、その様子はどうだったのか、そしてその後どうなったのか。
「吉原手引草」で直木賞を獲り「吉原十二月」を書いた作家のミニ吉原案内(これを読むだけでも相当な知識が身につく)とともに、色っぽい経緯(ユクタテ)を読んでくりゃれ。
幕臣の娘、ハナは寄席に追駆連として来てそのうち楽屋に出入りするようになり
ある日、楽屋にあらわれたお里さんが前とは様子がちがったんで、弟子どもはすぐにそれと感づいた。男女のそういうことは互いの目つきやしぐさで直(じき)に知れますお里さんは円朝のたった一人の息子を生む。
それなのにどうして円朝とは夫婦にならなかったのか、それは円朝が悪かったのか。
このあたりもよ~く読んでくりゃれ。
「雌鶏に突かれて雄鶏が時をつくる」、円朝に時をつくらせた柳橋芸者。
井上馨にも懸想されたという美人でキップのいい女が円朝と晴れて夫婦になったについちゃあどんなユクタテがあったのか、妻となったお幸さんの雌鶏ふりはいかなるものであったのか。
時を作った夫婦がどういう結末を迎えるのか。
ハンカチまではいらないけれど心して読んでくりゃれ。
円朝には養女として育てて立派に嫁に出した二人の娘のほかに養女とはしないままに家人のようにしていた娘がいた。
気立てが良くて働き者で賢くて、とどのつまりは円朝の晩年を親身に支えたのがこの娘・せつ。
せつがどういう結婚をしたか、なぜ作者は戦争(日清)が嫌いなのか、そしてこの小説の語り手である八つあんはおせつをどうしたか、ジンとくる噺です。
読み終ってから4日ほど経つのにときどき幕末から明治に(圓朝は幕末と明治を半分づつ生きた)かけての江戸の町を円朝が歩いている姿が脳中に浮かぶようだ。
文藝春秋
ねえsaheiziさんって一日単位で本読んでない??
凄いよね
私も江戸時代が一番好きかも
大体民ってのが好きなんで
民のパワーが芸術にも花開いた時代
なんかね、それまでの虐げられた時代と違ってほっとするのです
聖徳太子の時代も好きだけど...
この本読んでみたいです
でもね―私読むの遅いんだ
集中力がないんだね ^^
香川照之が市川中車を襲名することについての、松井さんのコメントが興味深いですね。(一昨日のブログ)
語り口が良いし、蘊蓄が楽しい。
渡辺京二の本にいろいろ教えられました。
ついつい亀に親近感を持ってブログに書込みさせて頂きました(汗
私よりずっと自然に任せる飼い方でつがいにしてて、すごいです。
うちのみゅうは一生、ボーイフレンドを作らずに卵も産まないんだと思うと申し訳ないような気がしてきた、、
でも、、卵産んでも私は孵化させる技術がなく、みゅうの体を弱らせるだけだなあとか、色々考えてしまいました。
ご本はとても面白そう、、いつか読んでみたいです。
サンちゃん、もふもふ〜かわいいっ!!!
でも、雲助師匠からCDのプレゼントをいただいちゃいました!しばらくはiPodでがまんがまん。saheiziさんのブログを楽しみにしています。
私はちょっと過剰です。