ニュートリノより速い想像力が能舞台を駆け巡る りゅーとぴあ「ペリクリーズ~船上の宴~」
2011年 09月 24日
時が過去に進む!
わくわくするなあ。
でも朝の散歩は平穏に未来に進んでいる。
透き通るような空気のなか、日向を選んで歩くのは今日が初めて。
昨日は「りゅーとぴあ」による「ペリクリーズ~船上の宴~」を梅若能楽堂で観賞。
能舞台に展開される太古地中海のロマンス、2時間ぶっとおしでわくわくした。
鏡板と地謡座の鴨居から地中海の地図が下がって、その前に出演者が坐り、さまざまな楽器を演奏したかと思うと立ち上がっては、さまざまな役を演じ、戻っては坐り楽器を手にする。
正面とワキ側の縁には白っぽい三角錐の形をした布が置いてあり、ガワーを演じる栗田芳宏がそれを取り上げると王冠や帽子などが現れ、ガワーがアンタイオカス大王になったりセリモンになったり都合7役になる。
取り上げて懐に突っ込んだ布切れは手紙になったりハンカチになったりその後の展開で象徴的な意味をもつ小道具となる。
本で読んだときも無駄のないセリフと自在な時の進行と場所の移動が能に通じるものを感じさせたが、ずばりこうして能舞台で演じられるとシェイクスピアは能舞台を想定していたのかと思うほど素晴らしい構成・演出(栗田芳宏)だ。
時は矢のように過ぎますが、ガワーのセリフは云わずもがな、わが貧困なる想像力をもってしても怒涛逆巻く海原、騎士たちの槍試合、宮殿の舞踏の華やかさ、猥雑な売春宿が現出する。
皆様方の想像力でたくみに補っていただきましょう。
矢よりもニュートリノよりも速く過去や未来に飛翔する人間の想像力、ありがたい力だ。
当たり前かもしれないが本(松岡和子訳)を読んでいるときには読み過ごしていたセリフの重みを感じ、ペリクリーズ(柄谷吾史)とタイーサ(山賀晴代)がスパニッシュダンスを踊る場面などは「ああ、ここが前半の山場だ、ようようご両人!たっぷり!」と声をかけたくなる楽しさを発見する。
読んで楽しみ、舞台で一層楽しみ、いうことはない。
はて、困った、シェイクスピアにもはまりそうだ。
谷 甲州の「仮装巡洋艦バシリスク」には、
そんなことを意識させられました。
流速は、確かにニュートリノより速いかも!
さわやかな空気が心地よいですね。
お散歩に最適な時季、サンチ君も喜んでるでしょ^^。
「ぺリクリーズ」本も読んでないけれどなんだか面白そう~
秋の一日楽しめましたね^^。うらやましい(笑)