映画「シャンハイ」のこと、、ではなくて「東京かわら版」のこと、さん喬×権太楼の対談のこと
2011年 08月 26日
面白かった、と、菊地凛子がとくに良かった、って子供の夏休みの宿題みたいなことしか書けないので、別のことを。
コメントを下さる方の中に落語に興味はあるけれど寄席に行ったことはないという方がみえる。
寄席は大きなところで池袋、新宿、上野、浅草と4つあって年中休みなし昼夜を問わずやっているし、ほかにも小さな寄席やホールで毎日どこかで誰かが何かをやっている。
そういう情報を見るにはこの雑誌が便利だ。
たとえば26日、「上野鈴本では、昼席(12時半から)のトリは歌之介で、おや、三三、白酒、菊之丞、一朝、喜多八もでるぞ」とか、寄席じゃないとすれば、浅草東洋館では12時から「東洋館8月下席バラエテイ寄席“夏は水ヨウカン!笑いは東ヨウカン!”」、19.30分からは内幸町ホールで「真一文字の会 春風亭一之輔勉強会(完売御礼)」があって(それには俺も行くのだが)、経堂・カフエさばの湯では「立川談四楼独演会」が20時からで終演後打ち上げありだそうだ、、今日だけで25ものイベントがある。
「早耳情報」として三か月先の公演情報もあるからチケット予約を忘れないように。
小さな本だがイベント情報だけでなくちょっとした連載コラム、ゴシップ、「暦と縁日と年中行事」、出版情報、ラジオ・テレビの番組情報など充実していて読み物としても楽しめる。
8月号には「真夏のスペシャル対談 柳家さん喬×柳家権太楼」が面白い。
二人の芸風について、
さん喬 僕はだいたい落とし噺(俺注、滑稽噺)の方が好きなんですけどね。権太楼師匠はたぶんどちらかというと人情噺が好きなはず。人間に焦点を当てるのが好きなんですよ。俺は前にさん喬は滑稽噺の方が向いているのじゃないかと書いたことがあるけれど、本人もそっちの方が好きだったのだ。
でも客がさん喬に求めるのは人情噺なのだ。
権太楼 みんなの中に、さん喬師にはちゃんとした噺をしてもらいたいっていう雰囲気があるじゃない。「権太楼さんは『ジャンバラヤ』(抱腹絶倒の漫談)演ってよ」って雰囲気がある(笑)。私の場合は「代書屋」でお客さんを帰した方が、私自身も嬉しいんですよね。「面白かったね!!」っつって帰って貰いたいんです。「良かったねぇ」って帰るのはどうも私自身もうひとつ乗らないんだろうね。(略)去年権太楼が腎臓がんで倒れたときにさん喬は代演を引き受けた。
さん喬 でも俺絶対落とし噺の方が難しいと思うし、面白いと思うなぁ。
権太楼 落とし噺くらい難しいネタはないんですよ。こうやればこんだけ受けるだろうってのを外されるのが、落とし噺よ。「えつ、受けねぇの?」っていうその怖さはね、凄いのよ。それで一回でも二回でもおんなじとこらへんでからしくじりだすとね、もう怖くてね、その噺できなくなるんだ。
さん喬 人情噺にはそれが無いんですよ。ストーリーが主で、落とし噺はストーリーが無いですから。人物だけをどう楽しく面白く聴いてもらうかっていうことだけですからね。基本的にはストーリーのある噺の方が楽なんですよ。
権太楼 上手い人がやればですよ。誰でもがじゃねぇんだ。
実はその朝、さん喬の母親が亡くなった。
さん喬 母親が亡くなって、息が終わって、じゃぁなって出てきて、そのまんま権太楼師匠の代わりをやった。権太楼はそのことをこの対談の席で初めて知った。
この対談に何枚かの二人の写真(表紙にも)が載っている。
二人の雰囲気が良く出ている。
撮ったのはむーちょさん、こと武藤奈緒美さんだ。
「東京かわら版」、一年購読5040円(送料込)、これは図書館やブックオフでは役に立ちそうもない。
そして、「代演」の話。黙っていても「分かり合える二人」
本当に「素敵」です。
でもこういうライバルが落語界のレベルを上げてくれる^^。
そぉそぉ、その調子で遊び回って、がんがん書いて!
「かわら版」8月号、まだ売っているかしら。
今日は雨が凄くて落語に行けませんでした。
ご紹介ありがとうございました。
9月、石川県関係の記事はなかったけれど、すみません^^。