フクシマ、第三者による徹底的検証を 地震で壊れた原子炉 田中三彦論文(世界5月号)
2011年 04月 10日
産経の「菅ダメ!」絶叫、朝日も讀賣も、とくに朝日は事故当初からの菅の醜態を動画のようにビビッドに描く。
産経は、今の菅がもっとも神経をとがらせているのは、政界の「菅降ろし」の動きと内外メデイアにおける自分の報じられ方で、めっきり訪れる人が減った首相執務室でひとりで新聞や雑誌を読みふけっている、、とこれが1面記事。
讀賣が特に大きく、他紙もアメリカが日本政府の対応に激怒していると、、つくづく情けない。
前に紹介した3月26日の田中三彦の講演でも触れていたが、田中の世界5月号所載「福島第一原発事故はけっして”想定外”ではない」という論文は「議論されない原発中枢構造の耐震脆弱性」という副題にあるように、今度の事故は津波による前に地震で1号機の配管が破損したことが先行していると推理している。
12日午前2時45分の一号機格納容器内の圧力が設計圧の2倍、8.4気圧になっていたこと、圧力容器内の水位が下がった後、大規模な水素爆発が起きたことを論理的に説明する答えは配管の破損個所から冷却材が大量かつ継続的に噴出し、そのために格納容器内の圧力が急上昇、圧力容器内の水位が下がったと考えれば合理的だ。
そして格納容器内の圧力が最上部にあるフランジ面のどこかに隙間を作り、軽い水素が外に出て水素爆発を起した。
田中は、原子力安全・保安院、東電、原発メーカー、原子力安全委員会の面々が水素爆発を正しく予測していたように見えないという。
なぜなら、あの朝、半径10キロ圏内の避難指示がでたが、それはベント作業に対するものであって、水素爆発に備えたものではなかった。
水素爆発が起きた割には結果は軽く、もしかすると格納容器が破壊したり使用済み燃料プールが吹き飛ばされたり底が抜けるというような悪夢も起こり得たのだから。
朝日新聞によれば8日東電は11日の地震直後のデータを公表(ようやく)、1号機の水位は燃料棒が露出寸前まで下がったことを明らかにした。
下がった理由は不明だが、その後しばらく水位を制御できたことから、地震での損傷による可能性は低いと見ている、と報じた。
想定外な津波以前に地震で原子炉が壊れたとなるとムラの人たちには深刻な事実だ。
今まで田中らが老朽原発の施設の危険性を再三指摘してきたことが裏付けられる(「原発はなぜ危険か」)。
ムラの連中が深刻になってくれるのは歓迎だが今運転中の原発が震度5や6で壊れる可能性があるというのは俺たちにとって死活問題だ。
どんどん検証して菅を辞めさせるのも結構だがもっとも大事なことはムラに取って”不都合な真実”を徹底的に検証し、不明確な場合は、フエールセイフの方向で対処して欲しい。
東電の人が「水位を制御できたから」と言うが講演会で後藤氏が言っているように破損個所が上の方なら水はダダモレにはならないと思う。
先日テレビで民主党の議員が「津波による破壊」と言った時、元東大総長の小宮山が「ちょっと待って、地震による破壊もなかったか、徹底的に検証しましょう」と遮った。
従来の原子力関係事故の事後調査は全てムラの人たちが始めから落とし所を決めておいて行っていると高木仁三郎は指摘する。
高木さんに天国から出張願って検証して貰うわけにはいかないのなら、田中、小出、後藤、、今までとは違うメンバーによる調査検証が必須だ。
36万円を超えたぞ↓
これは想定しようがしまいが原発という存在があってはいけないものだということではないでしょうか。