こだまになろう 金子みすゞの世界(2)

あなたは私、だったら相手の存在を丸ごと受け入れる。相手の言うことにこだまになってあげられる。子供が「お母さん、痛いよう」といったら「痛いねえ」と受けられる。かつて俺たちはそういう親に育てられた。なのに今俺はどうなんだ。「痛いよう」・・「痛くないよ。我慢しなさい」。親が子供の気持ちをそのまま受け入れずに、まず自分の気持ちを押し出してしまう。

こだまのように受け入れてくれる親がいないから子供はいっぱい我慢しておなか一杯になるから、いつの日かおなかを空にしようとして目茶をする。
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年寄りの思い出話、繰り返しをこだまのようにきいてあげない。「その話、前に聞いたよね」。思い出話は年寄りの存在そのもの。それをきいてくれないということは存在を否定されたと同じ。
ばあやのお話

ばあやはあれきり話さない、
あのおはなしは、好きなのに

「もうきいたよ」といったとき、
ずいぶんさびしい顔してた。

ばあやの瞳(め)には、草山の、
野茨(のばら)のはなが映ってた。

あのおはなしがなつかしい。
もしも話してくれるなら、
五度も、十度も、おとなしく、
だまって聞いていようもの。


こだまになってあげていない!全くだ。

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by saheizi-inokori | 2005-10-15 00:05 | よしなしごと | Trackback | Comments(0)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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