二合の下地が効いていい気持ち 第33回「人形町 らくだ亭」
2011年 02月 27日
昼日中は暑くてバッグにしまっておいたマフラーをしっかり巻いて日本橋公会堂に。
開口一番が宮路「弥次郎」
寒い国で鴨を採るのに田んぼに鴨が降りてきたら水を撒くと鴨が凍りつく、それを鎌で足首から切り取る。
春になると残った足から芽が出てくる、それがカモメ。
法螺吹きの噺、下手でも楽しい。
橘ノ圓満「いかけ屋」
38歳で落語ファンからプロになり、4年で二つ目になって5年目と云う人。
独特の古風、バレ(艶笑)噺の雰囲気をまとっている。
さん喬「按摩の炬燵」
先日、ここで小満んの同じ噺を聴いたばかり。
按摩のせこさ、哀愁はさらっとやった小満んの方が巧い。
全体にじっくり劇的にやるのがさん喬。
酒の燗の加減を褒めるところでさっき飲んだ笹新の酒の燗が良かったことを思い出した。
暗い夜には目明きがぶつかって来ないように提灯を下げるのだがそれでもぶつかってきた奴がいる。
なにしやがる!この提灯が目に入らないのか、怒ったら「按摩さん、提灯の火が消えてるよ」。
嫁を貰えと言われて見合いをして手で顔をなぜると鼻がない。
ヨクヨク確かめたら、小さな穴があった。
めくらだと思ってバカにしやがってこんな女を押し付ける。
めくらの悲哀を陽気に語って、わはははあ!バカ笑いをしてみせる。
古典落語だから笑って聴いているが新作でこれをやったら同じ気持ちで聴けるだろうか。
メデイアにはのらないだろうな。
古典落語というスタイルの力を思う。
嬉しかったのは一朝が「湯屋番」を軽妙にやってくれたこと。
さっき銭湯の番台で目隠し板を廻るやりとりがあったことなどもこの噺の枕的出来事だったのかもしれない。
一朝は絶好調だ。
トリは志ん輔「井戸の茶碗」
上がるや一朝アニさんに前座時代から世話になったという懐旧談。
頑固な侍の間を行ったり来たりする正直清兵衛、面白い噺だがややもすると力が入りすぎてクドクなってしまう人が多い。
志ん輔は繰り返し部分をカットするなどの工夫をしてスピーデイな展開とした。
今日志ん輔のブログをみると一朝アニさんの気負うところがなく、それでいてサービスも充実している高座を見て楽しい気分で上がれたとある。
こういう連鎖反応がライブの楽しさだ。
志ん輔の該記事には当世芸人の三タイプについてなかなか厳しい所見がある。
職人的な芸人が営業努力もするいわば工務店の社長のようになり、自分の営利だけを考える商人的な芸人が多い、芸人的な芸人は噺家にはゼロであると。
また頑張りすぎるところを見せるようなのは、粋とは言えないとも。
落語の楽しみ方としては心を空っぽにして目の前の芸をただそれだけを楽しむのが粋と云うもので、俺みたいにどうたらこうたら理屈をこねたり噺家のブログをみて同行人みたいな気持ちを楽しむなんてのは邪道だろうとは思う。
邪道だと思うけれども面白いことも確かだ。
誘惑に負けて恐る恐る飲んだ酒だったが、居眠りも出ず好い心持の2時間ちょっとだった。
味をしめて、、危ないなあ。
着物の着こなしと言い、なんかいなせで好きです。
奥様も歌舞伎の世界の娘さんですし(笑)
味噌田楽が食べたくなりました。
志ん輔もさん喬もニンなネタですよね。
CDのデザイン、そんな褒められたものではないです・・・・・・。
楽しんでいただければ幸いです。
(これで“K”が誰かバレてしまった・・・・・・)
今年になって日本橋劇場は3回目。きっといらっしゃっているんだろうなあと思いつつ、赤いバラでもさしていないとわかりませんね。
一朝さん、最高でしたね。翌日の三田落語会も絶好調でしたよ。
志ん輔さんは抜糸したばかりというので心配でしたが、なんとも楽しそうでこちらも安心して楽しめました。
私もこちらに来ておりました。
井戸茶が苦手なせいか・・・集注できず・・・カラオケボックスで練習する姿ばかり浮かんで苦笑いでした。
邪道かとも思うけど・・・いいですよね!
二次会にお連れしたかったなあ^^。
小満んもその一角かもしれないです。
今度の週末は、セリ(芹)と白ウド(独活)、あるいはウルイ(ギボウシの幼葉)、ワケギにアサリと木の芽を付けて「味噌ぬた」に挑戦しようかしら・・・
それに付けても、「ダラ菅」、「決して民主でない”民主”」には腹立ちますネ 草々
いいですねぇ、佐平次さんに合わせたアレンジなんですね。
私はIpodに落語入れ過ぎて、シャッフルしたりしたもんならもうワケわかんない話になってしまいました(笑)
人形町や伝馬町、浜町と魅力的な町です。
女ひとりブラッと笹新さんみたいなところに入っても大丈夫でしょうか?
せいぜい5話くらいにしておこうと・・・・