いいぞ!小沢さん、がんばって !どっちの小沢ってかい? 第5回「噺の扉」
2011年 02月 18日
小満ん、小沢昭一、小朝をレギュラーに毎回ゲストをひとり、会場は人形町の日本橋劇場。
小沢昭一が
いつもお笑いたくさんをやっている小朝さんが志をヒトシクする小満んさんと「きっちりと落語の伝統の上に立ってそれを受け継いでいく会をやろう」という趣旨でやっているということを今頃やっとわかった。と前回語ったように、なかなか志のある催し、趣旨に賛同して俺は出席率100%。
いつも楽しい一夜を過ごしているのだが、前回、前々回と問題があった。
それは「おかしいですよねェ、認知できないのに認知症って」と本人がぼやく小沢の壊れたテープレコーダー状態。
その話しぶりははっきりして魅力たっぷりなのに如何せんグルグルグルグル同じことの繰り返し。
なかなかハーモニカ演奏に至らずやっと「東京ラプソデー」を吹き終ると無情にも幕がスルスルと下りてくる。
強引に打ち切らないとトリの小満んの時間がなくなってしまうと俺だって気が気じゃなかったのだ。
だから今日はどうなるんだろう、と同行の皆さんと不安を語りあい「でも小沢さんのそういう舞台を見たってことだけでも思い出になるからね」なんて見る前から自分を納得させていたりした。
今日のゲスト鯉昇「蛇含草」、餅をたらふく”鯉の滝登り”だの“遊園地のブランコ”などとゲージツ的に食べて笑わせる短い噺。
ついで小朝が「三枚起請」を際どいエロ話を枕にすっきりと笑わせて、そうして二人で50分くらいで休憩。
おや?これは作戦を練ったな、小沢の証人喚問のために時間を確保したのか?
小沢昭一「隋談」
”今生のお別れのつもりで”この会に出ていると言って、前の文楽の家に行くと紅顔の美少年だった小満んが内弟子でいたのを覚えていると語り、
いっぱいのお運びでございまして、文楽と
酒と云うものはけっこうなもので、、ビールは飲んでもションベンになっちゃうけど酒は運子になる志ん生のマネをちょっとやる。
小沢が麻布中学の頃から落語の世界に夢中になったのは同級の大西信行のお陰だと、中学時代の悪戯の懐旧談。
大西は今でも浪曲師の後援をしている、大西が引き合わせてくれたのが正岡容で、「利根の川風袂に受けてェえ、、」「街道一の親分とォ、、」俺も聞き覚えのある浪花節の始めをウナってみせる。
これがうなりたくって100歳になる現役浪曲師・木村若友、この人には勲章をあげるべきだと思ってある人にそう言ったら、そんな人知らないと言われちゃった、、でも本人はそんなもの欲しくはないだろうな、本当の芸人、、良いですねェ。
前の前の?だったか、こういうのよく知らないんだけど、圓太郎の音曲が良かった、もちろん落語もうまいんですよ。
圓太郎のしかけた握りっ屁の噺はアリエン噺だが可笑しい。
グータラでおかしな風来坊が多かった。
今はみんなマジメ、大学出てるし、、どうでございましょうかね、芸人なんてものは、どこかグータラなところがないとつまらないんじゃないでしょうか。ここから↑に書いた認知症の話につながっていった。
グータラだけは守って行こう、、(間)
年を取ると、グータラもめんどくさくなって、、
そしてハーモニカ、いつもの「東京ラプソデー」をやっても幕が下りない。
客は遠慮してアンコールを言わない。
と、「アンコールもないようですから」お辞儀をしようとするところへ大きな声が
アンコール!ぱっと顔を挙げて
おお、ありがとう!小沢も大きな張りのある声で、「花も嵐も踏み越えて」。
見事に直ったテープレコーダー。
懐かしい噺をたくさん、ありがとう!
次回も期待してるぞ。
というわけで今日はゆとりをもって上がった小満んが「按摩の炬燵」
文楽のテープで聴くくらい、めったに高座にかからない噺。
大店に住みこんでいる小僧やら丁稚やら、寒くたって、修行中の身の上、暖房はおろか布団は煎餅より薄い。
大番頭はみんなの手前と自分も炬燵も入れないで我慢する。
いいことがある!
旦那のところに来た按摩に酒を飲まして泊って行け、その代わりみんなの炬燵になってくれ。
酒好きで独り者の按摩が番頭と語りながら酒を飲む。
意地が汚いような、でもなんともうまそうに、めくらにまつわる滑稽な噺をしながらも、哀愁が底に流れている。
お約束の炬燵になるとて、背中を丸めて四つん這いになるってェとみんなが背中や股の間、頭の上、てんでに足を伸ばしてくる。
あれ、もうみんな寝ちまった、疲れてんだなあ、お店のみんなのことを思いやり、主を持たない自分の自由を噛みしめてみたり、しょうがないや、腹を決めて炬燵になってやろう、おっ、くせえな、誰だい?すかしやがって、歯ぎしりは嫌だよ、寝言で喧嘩してやがら、可愛いなあ、「もう我慢できないよ!どぶ川にしちゃうから」、えっ?なんだって?
そのとき遅く炬燵はびしょぬれになる、火も消える。
ピシッと決まった4人の芸、外に出ると水天宮の上に真ん丸お月さん。
春も近いぜ、お姐さん、ちくっと、いきやすかい?
綺麗にカットされたって分ってるのでしょうね、、
動物のそういうところって可愛いなあ〜
小満んの『按摩の炬燵』か、いいなぁ。
鯉昇は十八番の食べ物ネタですね。小朝は最近聞いていないのですが、どうなんでしょうねぇ。以前に結構意識して聞きに行ってガッカリ、というのが多かったんですよ。
まともな(?)小朝を聞きに行くならこの会しかないのかなぁ。
また、いろいろ教えてください。
私は彼の高座は少ないのですが、やはりうまいもんだと思いますね。
小沢昭一も顔色、声、滑舌は立派なものです。
何度も何度もサンチに逢いに来ています。
可愛い! 本当に可愛い。
下の縫いぐるみとえらい違い・・
ついでに下の縫いぐるみも見て
笑って帰っています。今、楽しい日課にして、、フフフ・・
(^O^)/
ゆうべの月、見上げながら歩いて、今お思うと危険だったかも^^。
今度書きます。
初めての「按摩の炬燵」を小満ん師匠で聴くことができて幸いでした。奉公の身のつらさや寒さが身に沁みて感じられました。
一つ疑問に思ったのは‥「蛇含草」って夏の噺なんですね。鯉昇師匠、マクラからことさら暑さを話題にしてこの噺に入ったのはなぜなんでしょう。
ちょっと前に小三治が「青葉」をやるのを聴きました。