これはお買い得 「落語 昭和の名人 完結編 枝雀 壱」
2011年 02月 17日
枝雀の「代書」「親子酒」が収録されたCD(52分)が付録について490円。
爆笑請け合い!
俺は例によって催眠剤のつもりで聴いていたら面白くてひとり笑い、とうとう裏表(ってCDにはないか)聴いてしまった。
本書には小佐田定雄が「お客といっしょに笑いたいー求道者の軌跡」と題して枝雀の59年を書いている。
世間一般の貧乏に、わが家独特の貧乏が上乗せされていた子供だったが定時制高校の頃から弟のマジカルたけしと漫才コンビを組んで素人番組を荒らしまわった。
神戸大学を“シャレで受験して“合格するものの、もともと落語家になるつもりだったから一年で退学、米朝に入門、小米(こよね)として古典落語に観るべきものがあるとして注目を集める。
34歳、「死ぬのが怖い病」にかかる。
回復した後枝雀を襲名すると、病気からのがれるために芸風をごろりと変えてしまう。
目を寄せ、奇声をあげ、派手なアクション、、今までのファンが落胆して去っていく反面今まで落語と無縁だった新しいファンが押し寄せる。
梅田サンケイホールの成功は歌舞伎座の公演につながり、テレビ出演も増え、アメリカへ英語落語公演に出かける。
NHK「なにわの源蔵事件簿」に主演したときの写真が載っている。
なにげに見ていてびっくり!
ゆうべ「噺の扉」で小沢昭一が往年の芸人の楽しさ・ぐーたらさを回顧する中で名前が出た「笑わせる浪曲師・広沢瓢右衛門」が出ている。
枝雀はこの人に心酔していたという。
シンクロニシテイやねえ。
私はお客さんを笑わせているつもりはありません。と言うて、お客さんに笑われているとも思いません。私は、お客さんといっしょに笑いたいんですストイックで生真面目な笑いの求道者・枝雀は苦しかったのだろうか。
も少し長生きをしていっしょに笑って欲しかった。
小学館
生きていたら、枝雀は西の志ん生になっていたかも知れないと思います。米朝は西の圓生タイプですね。
魅力がありますね。
お持ちでない方には、お徳なことは間違いありません。
アナログジジイはツタヤと言えばビデオだとしか考えない。
レンタルしてきて楽しむという生活ができないのですね。
亡妻が病気になった時に映画を借りてきていっしょに見たくらい。
図書館も利用しないのですから古代人かもしれないです^^。
やはり「大全」がいいのすね。
その行き詰まりの中で死を迎えたとのことで、壮絶な人生だったわけです。
その「壮絶さ」は、この2席の中からも窺われるような気がします。
鯉昇などもちょっと。
新作専門の噺家はどうなのかな。
白鳥などは悩んでもいないのか、失礼か^^。
私は音を聞いてイメージを膨らませるのが好きなので、DVDは志ん朝も枝雀も持っていません。
あえて借りる順番で、お奨めするなら、『替り目』、『青菜』あたりがよろしいのではないでしょうか。