これはお買い得 「落語 昭和の名人 完結編 枝雀 壱」

テレビ、新聞紙などで大々的に展開しているからご存じの向きも多かろう。

枝雀の「代書」「親子酒」が収録されたCD(52分)が付録について490円。
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爆笑請け合い!
俺は例によって催眠剤のつもりで聴いていたら面白くてひとり笑い、とうとう裏表(ってCDにはないか)聴いてしまった。

本書には小佐田定雄が「お客といっしょに笑いたいー求道者の軌跡」と題して枝雀の59年を書いている。
世間一般の貧乏に、わが家独特の貧乏が上乗せされていた
子供だったが定時制高校の頃から弟のマジカルたけしと漫才コンビを組んで素人番組を荒らしまわった。
神戸大学を“シャレで受験して“合格するものの、もともと落語家になるつもりだったから一年で退学、米朝に入門、小米(こよね)として古典落語に観るべきものがあるとして注目を集める。
34歳、「死ぬのが怖い病」にかかる。
回復した後枝雀を襲名すると、病気からのがれるために芸風をごろりと変えてしまう。
目を寄せ、奇声をあげ、派手なアクション、、今までのファンが落胆して去っていく反面今まで落語と無縁だった新しいファンが押し寄せる。

梅田サンケイホールの成功は歌舞伎座の公演につながり、テレビ出演も増え、アメリカへ英語落語公演に出かける。

NHK「なにわの源蔵事件簿」に主演したときの写真が載っている。
なにげに見ていてびっくり!
ゆうべ「噺の扉」で小沢昭一が往年の芸人の楽しさ・ぐーたらさを回顧する中で名前が出た「笑わせる浪曲師・広沢瓢右衛門」が出ている。
枝雀はこの人に心酔していたという。
シンクロニシテイやねえ。
私はお客さんを笑わせているつもりはありません。と言うて、お客さんに笑われているとも思いません。私は、お客さんといっしょに笑いたいんです
ストイックで生真面目な笑いの求道者・枝雀は苦しかったのだろうか。
も少し長生きをしていっしょに笑って欲しかった。

小学館
Commented by 創塁パパ at 2011-02-17 12:44 x
佐平次様。私も買いました。すでに出張のお供です(笑)
Commented by at 2011-02-17 12:45 x
人を笑わせていたこの人の目が怖かったときがありました。
Commented by maru33340 at 2011-02-17 19:18
私も会社帰りに購入しました。この所、会社から帰ったら寝るだけの生活だったので、無性に落語が聞きたくてたまりません。楽しみです。
Commented by c-khan7 at 2011-02-17 19:38
枝雀さんは常々、笑いは「緊張と緩和」だとおっしゃっていました。あの大げさな仕草がイヤだと言う人もいますが、私は好きでした。「貧乏神」という噺がスゴク好きで、癒されます。今、高座にいない事が残念でなりません。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-17 22:21
創塁パパ さん、出張も又楽し、ですねェ。羨ましいですよ^^。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-17 22:22
蛸 さん、くるしかったんでしょうね。可哀そうに。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-17 22:23
maru33340 さん、今頃は枝雀と夢の中かな?まだ早いか^^。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-17 22:24
c-khan7 さん、若い頃はあまり好きじゃなかったのですが今は惜しむことしきりです。
Commented by きとら at 2011-02-18 01:45 x
 高座の基調はヒューマンな癒し系でしたが、常に実存的深淵を垣間見せていましたね。得体の知れ無さが最もよく現れたのが『ドグラ・マグラ』でしょう。わけの解らない映画のわけの解らない役が枝雀にはまってました。
 
 生きていたら、枝雀は西の志ん生になっていたかも知れないと思います。米朝は西の圓生タイプですね。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-18 09:32
きとら さん、全集を買おうかと迷っています。
魅力がありますね。
Commented by 小言幸兵衛 at 2011-02-18 21:20 x
東芝EMIの「枝雀落語大全」の音源なので、すでに持っていますが、縁起もんとして買いました。前回のシリーズ第一回の志ん朝の2席はソニーで既発売の音源だったことをブログで書いたので、今回は何も書きません。
お持ちでない方には、お徳なことは間違いありません。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-18 22:37
小言幸兵衛さん、全集を買うならどれがお薦めですか?
Commented by 小言幸兵衛 at 2011-02-19 08:55 x
買わなくても、「枝雀落語大全」の作品の多くはTSUTAYAに置いてますから借りてはいかがですか。

Commented by saheizi-inokori at 2011-02-19 10:52
小言幸兵衛さん、そうかあ、そういう手があるんですね。
アナログジジイはツタヤと言えばビデオだとしか考えない。
レンタルしてきて楽しむという生活ができないのですね。
亡妻が病気になった時に映画を借りてきていっしょに見たくらい。
図書館も利用しないのですから古代人かもしれないです^^。
やはり「大全」がいいのすね。
Commented by ほめ・く at 2011-02-19 11:21 x
これは大阪の落語関係者から聞いた話ですが、晩年の枝雀は、それまでの枝雀落語を壊して、もう一度オーソドックスな落語に戻りたいと、もがいていたそうです。
その行き詰まりの中で死を迎えたとのことで、壮絶な人生だったわけです。
その「壮絶さ」は、この2席の中からも窺われるような気がします。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-19 11:36
ほめ・くさん、レベルとか質は違いますが、喬太郎を見ていると苦しいんじゃないかな、どこかぶつかってしまってるなあ、笑われても嬉しくないんとちゃうか、と言う気がしてくるのです。
鯉昇などもちょっと。
新作専門の噺家はどうなのかな。
白鳥などは悩んでもいないのか、失礼か^^。
Commented by 小言幸兵衛 at 2011-02-19 20:50 x
全てを聞いているわけではないですが、私は「大全」が基本だと思います。TSUTAYAには、店にもよりますが全作の六割から七割は置いてあるんじゃないかと思います。たぶん経営者の増田さんがファンなんでしょう^^
私は音を聞いてイメージを膨らませるのが好きなので、DVDは志ん朝も枝雀も持っていません。
あえて借りる順番で、お奨めするなら、『替り目』、『青菜』あたりがよろしいのではないでしょうか。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-19 21:55
小言幸兵衛 さん、ありがとうございます。
私もDVDは苦手です。寝るときに聴くのが多いせいもありますが。
ほんとうはテープがいいのですがね、CDは途中から聴けないのが、、^^。
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by saheizi-inokori | 2011-02-17 11:19 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(18)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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