文殻を取っておいてくれた母

昨日から左の肩から上腕部が痛くて腕を上げるのに難儀、今朝近所の整骨医に診て貰ったら上腕部の筋肉が痛んでいるのと肩の骨がずれているとの見立て。
毎朝テレビを見ながら20分ほどストレッチを自己流でやっている、それがどうもやりすぎだったらしい。
去年だったか膝が痛くなったのも自己流体操のせいもあったらしく、まことに生兵法は怪我のもとだ。
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「母の日記」についで祖母の日記も出てきた。
海軍當用日記、2604年!神武天皇即位紀元だ。
昭和で言えば15年、祖母はこの日記帳を大事にしまっていたらしく昭和21年の日記に使っている。
日ごとの日記記入欄の上部に過去の大本営発表などが記載されている。

達筆で読みにくいが俺のこともほぼ毎日出てくる。
引き揚げ者だった両親が落ち着くまで俺だけが祖父母に預けられていたのだ。
栄養も行きとどかなかったせいかしょっちゅう熱を出している。

祖母の歌。
物とるとおよび腰せし亡き夫のおかしき様を今は我が為る

今は亡き人のもあれば文殻を焼くが惜しくてしばしためらふ
祖母もダンシャリには苦労しているなあ。
母の持ち物から俺や弟、孫たちが送ったハガキを小さなアルバムにしたものが出てきた。
俺は筆まめで週に何度かはハガキを書いていた。
下のハガキに書いた白菊のことは覚えている。
ぼろぼろの障子と畳の寮生活(大学3年から)で思い切って買った備前焼きの一輪ざしに、これまた分不相応に高い菊の花を一輪飾ったのだった。
今ならさしづめ写メールを送るところだろうか。
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この頃、漱石とか百閒など読んでいたせいで旧仮名遣いを気取ってみたりしている。

母の句。
毛糸編み流るる歌に弾むかな

軒に軒菊坂界隈日脚のぶ

Commented by tona at 2011-02-09 16:22 x
なかなかの達筆でいらっしゃいますね。
昔は皆そうだったのかしら。
今より少し前の男の子には30人に一人ぐらいしか上手な子がいなかったですね。
葉書はお母さんたちの宝物だったのですね。
Commented by kaorise at 2011-02-09 18:41
あらまあ、運動のやりすぎはいけませんよ。
ウォーキングが身体に一番いいらしいので、いつも通りあちこち歩きまわるくらいで丁度いいですよ〜
saheiさんは昔から筆まめだったのね〜今も健在!
備前焼に白菊いいですね。目にうかぶようです。
Commented by gakis-room at 2011-02-09 18:46
>週に何度かはハガキを書いていた
いまも昔も筆まめだったのですね。私とは真逆です。

タカネツメクサ(左は何だったのでしょうか),きれいな花ですね。
初めて知りました。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-09 21:21
tona さん、子供の頃の通知表も出てきていつも書道だけが3なのです。あ、あと体育も悪かったなあ。あとはオール5です^^。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-09 21:23
kaorise さん、治療でいじられたらずっと痛くなってしまいましたよ。
娘がぎっくり腰になったので筋肉のストレッチに張り切りすぎました。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-09 21:26
gakis-room さん、「イワオウギ」です。
私の持ってる「日本の山野草」にはどちらも載って無かったです。
今は手紙の返事もろくすっぽ書かなくなりました。
Commented by きとら at 2011-02-09 21:56 x
>毛糸編み流るる歌に弾むかな
 
 「青い山脈」かな?
 
 初代は短歌、二代目は俳句。
 三代目の佐平次さんはせめて川柳を・・・。(笑)
 
 昨夜はYouTubeで金馬の「目黒のさんま」、ついでに小さんの「短命」を聴いて腸が捩れましたよ。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-09 22:07
きとら さん、なんだったのかな。案外モダンでしたが。
川柳もダメですね。
父譲りの酒だけ。
今日は昭和の名人「枝雀」の付録「代書」「親子酒」を聴いて寝ます。創刊号特別価格、490円です。
Commented by 高麗山 at 2011-02-10 00:34 x
葉書の旧仮名使い、一瞬井上ひさしかなと
思いました。
Commented by みい at 2011-02-10 10:53 x
あらら・・・大丈夫ですか?運動はほどほどに^^。
お祖母様の日記、これも宝物ですね~
大事にしてください^^。
菊の花を一輪・・ステキ
Commented by webobjects50 at 2011-02-10 11:12
達筆でいらっしゃる!そしてなんとまぁ、ロマンティックな。。。
肩、お大事になさってください。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-10 11:56
高麗山さん、旧仮名にはいいところがあって癖になるのでした。
福田恒存を読んだせいもあったかな。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-10 11:58
みい 昨夜は痛くて眠れませんでした。
さっき亜脱臼を治してもらって、、これでなんとか、、。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-10 12:02
webobjects50 さん、ロマンティックだなんて!当時の部屋はそれこそ片づけられない人の部屋、といっても家具は無いのだから新聞、落花生の殻、鼻紙、本などが堆く。
到底ロマンテイックなどという代物ではなかったのです。
ごくたまに一念発起して掃除をして菊を飾ったのでした。
Commented by saku at 2011-02-10 16:36 x
凄い達筆!!
<俺は筆まめで週に何度かはハガキを書いていた>
筆まめだった事 良く分かりますわ。
学生時代に備前焼の一輪ざしをお買いになったとは、昔から焼き物にも興味がおありだったのですね。その一輪ざしは今もありますか?
今、ご覧になって如何でしょう??
50年前頃の備前焼だから 今頃味が出てすごい骨董品ですね。

お肩 お大事に、、




Commented by saheizi-inokori at 2011-02-10 17:23
saku さん、それがどこに行ったのか出てこないのですよ。
細い、茶だった。
Commented by sakura(野川) at 2011-02-10 19:50 x
最近よそでもコメントにsakuのまま
送信しています。失礼しました。
備前焼の一輪ざし。
学生時代にお買いになった大事な品
どうして粗末に扱われたのでしょうねぇ~。
ひょっとして鑑定団に出したら・・
凄い価値ある備前焼かも?残念でした。
Commented by kurashiki-keiko at 2011-02-10 20:18
昔の手紙って、捨てがたいものがありますね。
私も、学生時代に実家に送った手紙を最近母から返されて戸惑いました。
でも、感傷に浸ってもなあ、と、最近捨てましたけど。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-10 20:44
sakuraさ>粗末に扱う
そうですね、そういわれてもしょうがないですね。
そう言えば私の人生が粗末なものですよ^^。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-10 20:45
kurashiki-keiko さん、小さなポケットアルバムのまとめてありました。
気にいったものだけなのでしょうね。
Commented by 旭のキューです。 at 2011-02-10 21:13 x
saheiziさんが書いた葉書がでてきたんですか!貴重な葉書ですね。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-10 21:44
旭のキューです。さん、でもね、遺されても子供たちは困るかもしれない^^。
Commented by cocomerita at 2011-02-12 00:29
Ciao saheiziさん
いいなあ、saheiziさんらしい味のある字
他愛ない日常を語る文面にsaheiziさんとお母さんの間の何とも言えない愛が漂ってます ^^
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by saheizi-inokori | 2011-02-09 12:15 | わが母と祖母の遺したまいしうた | Trackback | Comments(23)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


by saheizi-inokori