凄い! ウイリアム・カムクワンバ「風をつかまえた少年」

右手だとか左手だとか、フレミングの法則、とっくに忘れてしまった。
物理の出来る人はみんな天才に見えた。
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1987年、アフリカでも最も貧しい国マウライに生まれた少年ウイリアム・カムクワンバは学費が払えないので中学を退学する。
NPOが作った小さな図書館で「エネルギーの利用」というアメリカの教科書の表紙に風力発電の風車の写真が載っているのをみた。
その本の説明を読んだ時から彼の人生は変わる。

タダの風を使って電気が作れたなら母さんの炊事はずっと楽になり、畑の灌漑も出来、夜は本も読める。
飢饉で死ぬ思いをしなくてもよくなる!

図書館の本を読み、廃品捨て場に落ちているあらゆる機材・部品を分解したり作り直したりして(ドリルも手作り)、風車を作り、発電機を作り。変圧器を作り、ヒューズも工夫し、とうとう家の中を明るくすることに成功する。
「14歳だったぼくはたったひとりで風力発電をつくった」が本書の副題だ。

それはメデイアに取り上げられ彼は発明家や起業家の国際会議に招かれスピーチをする。
学校を中退して、図書室へ行って、、、それから風車のことを知って、、、トライして、そして、やり遂げました
あがってしまって震えながらヘタな英語でしゃべったら人びとは、椅子から立ち上がって歓呼の声をあげた。涙を浮かべている人さえいた。
俺も、この個所でぐっときた。
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ウイリアムが苦心惨憺、発電に成功するまでが白眉だが、それ以前の彼の子供の頃の思い出、凄まじい飢饉での飢餓状態、そういう中にあっても人に対する思いやりが出来る父と母、ウイリアムを理解し援助した二人の親友、アフリカにおける教育の実態(絶対的な不足)などなど、実に面白い本だ。
いろいろなメッセージを発している。

sweetmitsuki さんに教えて頂いた本だ。
彼女はさっそくご自分でも水力発電を始めようとしている。

ブライアン・ミーラー(ジャーナリスト)との共著
田口俊樹 訳
文藝春秋
Commented by c-khan7 at 2011-02-06 07:13
アフリカの国々が独立してから50年あまり。
政治がうまく機能していない国もあり、現状は大変だ。
アフリカのこれからに、何か出来る事はないかと、考える。
まず、知る事かな。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-06 08:54
c-khan7 さん、トップからミドル、あらゆる場面で指導者が不足しているようですね。教育のために何か手伝えるかどうか。
Commented by 旭のキューです。 at 2011-02-06 09:19 x
14才で風力発電を、問題にぶつかると解決をするんですね。私も50をこえ、いまだに問題ばかりで、解決までいたっていません。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-06 10:13
旭のキューです。さん、トライして、、やりとげましょう^^。
Commented by HOOP at 2011-02-06 12:54
我々の場合、発電に使える廃品は彼の場合よりも遥かに豊富ですね。
やらないのはやる気がないだけか。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-06 13:45
HOOP さん、大学の構内にやってみたらどうですか?^^。
Commented by HOOP at 2011-02-06 18:19
>saheizi-inokoriさん
残念ながら、まだ大学には籍がありません。
というか、どうなるんでしょうね(笑)
たしか、「北の国から」の「石の家」にも風力発電機がありました。
Commented by sweetmitsuki at 2011-02-06 20:24
今アフリカでは反政府デモで大変な事になっていますけど、ウィリアム君はたった一滴の血も流さず、ガラクタを寄せ集めて、政府に頼らなくてもエネルギーや食糧を得られるよう世の中を変えてしまいましたね。
本当に凄いです。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-06 21:53
HOOP さん、風力発電がコスト上、到底採算が採れないという常識をぶち壊して欲しいものです。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-06 21:55
sweetmitsuki さん、涙が出てきます。
両親も凄いと思いました。
自分たちが飢えそうなときに人に分け与えられるということは並大抵じゃないです。それをウイリアム君は受け継いでいます。
Commented at 2011-02-07 04:39
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-07 09:02
鍵コメさん、電話しますね。
風に乗っていこうかな^^。
Commented by skimama at 2011-02-09 08:03 x
読みたいです。
四の五のいわずにやってしまうこと!
それがやれてしまうこと、その悦び、人間のありようを思います。
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-09 10:57
skimama さん、まさに人間として生きる意味をつきつけられた一冊でした。
Commented by mama at 2011-02-27 20:27 x
さっそく図書館に予約しました。
こちらで、多くの本を紹介していただくのも楽しみの一つ!
Commented by saheizi-inokori at 2011-02-27 22:04
mama さん、10歳の孫にやったら面白がっていますよ。子供も大人も変わらないのですね。
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by saheizi-inokori | 2011-02-05 16:53 | 今週の1冊、又は2・3冊 | Trackback | Comments(16)

ホン、よしなしごと、食べ物、散歩・・


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