本年掉尾を飾った神や仏たち 第11回「能楽現在形」
2009年 12月 26日
今日は予習したくともわが謡曲集にはどっちも載ってない。
それを幸い徒手空拳で宝生能楽堂へ。
近くの饂飩やで軽くしのいでおこうと思ったら大変なボリュームで腹いっぱいになる。
あまり食べ過ぎると眠くなるからと思うけれど残すということが出来ない、、育ちだ。
舞囃子「絵馬」
梅若玄祥(天照大神) 梅若万三郎(天鈿女命) 観世銕之丞(手力雄命)
一噌幸弘(笛) 成田達志(小鼓) 亀井忠雄(大鼓) 金春國和(太鼓)
地謡 梅若晋也 観世喜正 山崎正道 山中迓晶 川口晃平
やはり、謡の詞が聞き取れない。
でも役名からたぶんあの誰でも知っている神話が題材だろう。
いつもながら梅若玄祥の声が美しく舞いも悠揚迫らず、さすがに天照大神の貫録、すこしメタボの天照さま。
他の二柱の神様も素晴らしい。
お囃子がちょっとお神楽のような趣も感じさせてうっとり。
うっとりすると眠くなるのだが、そうするとアマテラスが俺をにらむのだ。
面をつけてない玄祥はほんとに俺の目をみていた、と思う。
能 「当麻〜二段返〜」
片山清司(シテ) 谷本健吾(ツレ) 宝生欣哉(ワキ) 大日方寛(ワキツレ) 則久英志(ワキツレ) 野村萬斎(間)
一噌幸弘(笛) 成田達志(小鼓) 亀井広忠(大鼓) 金春國和(太鼓)
地謡 梅若玄祥 梅若晋也 観世喜正 山崎正道 小田切康陽 角当直隆 松山隆之 川口晃平
幸弘の笛がいつもと違う。
獣が荒い息を吐くような感じがある。
そのあと長い前半、謡がきれいなのとお囃子の快さに饂飩の効き目もあってときどきストンと落ちそうになる。
だが寝なかった。
シテの姿がときどきギクッとするような凛とした美しさを見せる。
あの老尼も面の内から俺を見ていたのかもしれない。
(シテの装束が今まで見たこともないモダンな感じで素敵なのでその柄はなんだろうかと気にしてもいた。あれは蓮が咲いている絵かもしれない)。
それにしても日本語だろう?それがこんなにも聴き取れないなんて!
情けなくなる。
一応高等教育も受けてきたのに、、。
前日の落語はあんなにわかり易いというのに、、やっぱり能鑑賞なんて俺の柄じゃないのかもしれない。
もう能をみるのをやめようか、などと弱気になっていると再び謡の調べ、お囃子の面白さに引き戻される。
シテ・老尼は実は中将姫の前に現れた阿弥陀如来だと言って天に昇っていく。
そうやって前半を終えると萬斎が出て当麻寺の物語。
前に見た映画「死者の書」や花の季節に訪ねた「当麻寺」のことなどを思い浮かべる。
もう眠気は去っている。
後シテ・中将姫の精魂は白い蓮の花をのっけた冠、黄金色の上着と緋色の大口、気品とあふれるような若さ、永遠の若さ。
ふっくらと両の手を体の前で開いたかと思うと、大らかに、体全体が歓びに満たされ、たおやかで、純一で、犯しがたい気品がありながら抱きしめたくなるような親しさ、、俺はもしかすると大口を開けたまんまみていたかもしれない。
やはり能はやめらんな~い。
終わってから久しぶりの能仲間と軽くいっぱい反省会。
軽くやってたら日付変更線の近くまで来ていてびっくり!
大慌てで町を走ってそれぞれの電車に。
先生が二人もいるからほんとの師走だ。
「いいお年を~!」叫んで別れた。
カレイのから揚げ。そのほか色々ありますねぇ~
これみんな召し上がったのかしらと心配。
ご馳走の後のお昼と晩のお饂飩は正解では・・・
(余計な心配!?本心は悔しい)
それで2時間制限のところを3時間以上いて飲むばっかり、その上2次会に行ったから二日酔いもやむをえません。
腹も身の内です、わかっていてブレーキが故障します。
今日は、これから「白山湯会」の忘年会。
病妻を置いての参加なので落ち着きませんが....てなこと言って^^。
言葉がわからなくても結構楽しめますが、私はやっぱり何を言ってるのかととかわからないと面白さは半分以下になります。
とくに座ったままの問答などはちんぷんかんぷんだと興が薄れます。
すっかりわからなくとも大意が分かれば、、。
でも詞章を読むと能には素敵な言葉があるんですね。
それを国宝級の役者たちが語るのですからぜひ分かるようになりたいなあ。
凄い! こっちじゃぁ、考えられん・・・・、;;
>奥様、少しは落ち着かれたのでしょうか。
29日朝、少し歩けるようになりました。年明けからリハビリに通えば相当なレベルまで回復するかもしれません。
「白山湯会」、今度は白山湯跡地に最も近くに住んでいるヤツの自宅でやりました。「にごり」やら「原酒」やらを持ち込み、「ワイン蘊蓄」野郎を封殺!
サカナは例の由起夫ちゃんご愛用の鮨屋から出前。一時より警備は緩くなったとか。小沢に回ったんでしょうな。
概して銀座のナントカほど高くはないそうですが、モノと値段は客次第、という基本方針は同じでしょう。大トロ、ウニ、イクラを連発すると思いっきり舐められるかもしれません。
それにしてもファーストレディは評判悪いようですねぇ。