能なし隠居でもいいさ ”風流”にいきましょう 小三治一門会「茶の湯」
2009年 07月 27日
和服で落語を聴きに行くのも隠居だ。
先日会津で買った桐の下駄を履いていこう。
東京駅「江戸の市」で買った大津絵の巾着ぶら下げて。
ところが肝心の着物がない。
20代の頃着た浴衣があるけれど、これは手術で入院したときに着るためのものになっていて、今着ていくと病院から抜け出した隠居と思われる。
おじいちゃん、どこから来たのー?お名前は?あら、言えるのねなんて。
しょうがないから甚平にする。
これも家の中とか近所歩きに使うもので、畏れ多くも天皇陛下のおひざ元にして最高裁判所のお隣という国立演芸場に着ていったら不敬罪かもしれない。
でも俺は寄席に行くのであって天皇に暑中見舞いに行くわけじゃない。
最高裁にいちゃもんつけることはいろいろあるけれどそれが目的でもない。
誰が建てたか(ゼネコンに決まってるって?)知らんがこんなとこに演芸場を建てる方が悪いんだから甚平で押し通すことにした。
こう見えて意志堅固が取り柄(頑固ともいうらしい、融通がキカナイ?うるさい!)。
玄関で下駄を履いたら滑った。
何年ぶりかで下駄の新しいのを履いたらバランスが取れない。
これであの高齢者に優しい地下鉄の駅を歩いて行くのはキケンだ。
しょうがないから履きふるしたゴム底の下駄まがいの草履をつっかけていくことにした。
大雪山で引き返す勇気と判断力をもった能なし隠居だ。
ますます、最高裁で被告人と面会に行くようだ。
国立演芸場についたら、思いもかけず知り合いと遭遇。
形(なり)に自信がなくとも見知らぬ人ばかりだと案外平気でも存じよりの、しかもハイセンスのレデイたちに見られるのはこっぱずかしい。
まあ、靴底が剥がれてペタンペタン歩いたのを目撃された方々だから、いまさらジローだ。
喜多八が「盃と殿さま」
大名は大名だけの暑さかな、その大名が
大名の遊びとはかくありたいものと風流を解する大名が感嘆するようなおおらかな風流を遊ぶにしてはイマイチ軽い滑稽な大名になってしまった。
それはそれで楽しくていいけれど、喜多八は泥棒とか間抜けが相棒と好い間でポンポンやるのが一番だ。
これは小満んの大名にはかなわない。
「目黒のさんま」も小満んはいいものなあ、って脱線です。
御大・小三治は「茶の湯」を一時間。
裸一貫、小僧から夜の目も寝ずに働いて蔵前の大店を創った旦那が隠居する。
だみ声のオッサンが口をひん曲げていってくれたように「働くしか能がない」からせっかく風流人の里・根岸にお気に入りの定吉を連れて瀟洒な家に住んでもやることがない。
日がな長火鉢を抱いている。
定吉が提案するには「茶の湯」をやりましょう。
あの緑色の粉はなんだ?私が買ってきました、青黄粉、これです。
いくら掻きまわしても泡立たないぞ。
アァ、これです、椋の皮(石鹸代わりに使われていた)をいれましょう。
モノ凄い泡だなあ、これはフ~っと向こう岸に吹いて、ほら、空き地が出来るだろう、それをすっと飲む、こうして、、ムツッっつ。
う~ん、風流だなあ(それまでのしかめっ面からなんとも素晴らしい笑顔になる)。
さあ、定吉、お前も早く呑んでごらん。
多くの噺家はこの場面や、その後で長屋の衆がすったもんだの上で茶を飲まされてする百面相などに工夫を凝らして笑いをとる。
小三治のもとても面白くて腹の皮がよじれる。
だが彼の百面相は総じて上品なのだ。
むしろ小三治の噺で俺が好きなのは定吉と旦那の掛け合い。
お互いに信じあって頼りにしている。
ユーモアが通じるいたずら好きの二人。
太郎ちゃん、心配無用だぜ。
好い部下に恵まれていれば(それはいい現役だったということだが)能なし隠居もやっていけるさ。
それよりも世襲の肩書にしがみつく諸君こそ肩書きがなくなるとほんとの能なし、肩書しか能のない人じゃないのかい^^。
他に一琴「真田小僧」、禽太夫「臆病源兵衛」、世津子「奇術」
kaoriseさんのブログのコメント欄でいつも気になっていたのですが、本日やっと重い腰を上げておたずねしてみることにしました。
尋ねてみたら軽快な語り口調、粋な隠居生活楽しんでいられるようで、早速笑わせてもらいました。
落語いいですよねえ、
子供のころはその良さが、いまひとつ分からなかったけど、最近の浅いお笑いにいささかあきれはて、落語の素晴らしさがやっと私の中で、反応し出したって感じです。
おいしそうな桃ですね。
きっと、本当の桃のあの甘露,甘露の味がしたでしょう。
汁の多い桃は、流しで食べるに限ります。
現在、上後一人は那須へご出張中ですからご安心を!
お出かけの前にそういうことがあったって、、今日の中で一番の楽しい出来事!でした。
ローマでは落語もあまり聴けないでしょうね。
私は前は年をとったら田舎かいっそ海外ででも暮らそうかと思ったこともあるのですが、今は寄席がないところではちょっと辛いです。
もちろん言葉も今からではだめですが^^。
情けないことです。
さっき頭をやりながら男性フアッション雑誌をめくっていたら(そんなものしかおいてないのです)浴衣の買い方・着方が載ってました。
ちょっとそそられました^^。
絽や紗の浴衣もいいですねー。小三治さんや扇橋さんがよく着ていますが。
最近よく雨に降られます。そしてびちゃびちゃになるので
ぺたぺた草履ばっかりはいています。約120円です。しかも二年ははいている。
時々忘れてデパートへも行く。流石にそこではそんなのを履いている人はいない。
でも,私のスタイルにいえ、生きるスタイルに自信有りですから、ヘッチャラです。^^
それにしても、「モモ」と「トウガキ」(唐柿:イチジク(無花果))は夏の風物詩、とくに後者は、スズメバチに追っかけられたことと口の端がいじけて痛かった想いがあります。いずれも上手に皮を剥くのに独特のノウハウが要りますよネ。
そしてどうもすきな噺家の趣向がとてもよく重なっているようで。
となると、どこらへんに惹かれるのかも重なっているようで。
よんでいますと、そうそう!と膝を打ちたくなること多々ありです。
夏のきもの、麻で1枚作られてはいかがでしょう?
フォーマル過ぎず、カジュアル過ぎず、夏の涼感もあり、
男の人が麻を着ると、ことさらいいような気がします。
オイラなんて着たきりだよ!見よ、それでもこのかわゆさ♡
って目つきのサンちゃんでございますなあ。
最近は洗える着物もありますからねえ、そういうのお召しになるといいかも。
でも夏は着物暑いもんね〜甚平いいんじゃない?
チノパンに麻混のシャツにパナマ帽も格好いいよね。
私saheiさんにはアロハ挑戦してもらいたいんだけどなあ〜
紋付き羽織袴に虎の絵の襦袢も持っていることを想起。確認すると虫食いなし。しかし帯の締め方、袴の穿き方は忘却の彼方。
「道具や、持ってってくれるかな?」といったら「言うてばかりおらんとさっさと呼ばな片付かへんがな」と連れは冷笑。イヌども冷笑。
道具やを呼んで古伊万里や古九谷を処分しよう、と言い出してから半年余り。
クローゼット1つをまるまる占領しているゴルフ道具も処分したい。
と考えているうちに思いはいつしか「『道具や』に登場する客を何人覚えているかな?」
いけねぇ、“木刀”やら”二本脚の三脚”といった断片しか思い出せない。やっぱ、総理大臣の言う通り能なしだ。サンチにも負ける。
Amazonで調べたら、『道具や』が入ってるDVDは「枝雀全集」だけ。
オレは60過ぎてからジャズボーカル、70過ぎてからクラシックボーカルの修業してきたんだけど、やっぱり無駄か!
これもスタイル、下駄もスタイルといきたい。
いちじくをそうして食べたことがありません。やってみたいけどもう遅い。
アロハはいいのだけどなあ、もっともどうせ浮いているから、、かまうことないか^^。
パナマ、今狙ってるアイテムです。
魔除けになると言われて画家さまから頂いた「鬼の寒念仏」を階段の踊り場に掛けてあったが今は何処に片したか?出してきて掛けなおそう。
鬼の寒念仏には魔除けとは違う意味もあるようです。