テレビとNETと 世界は変わったようで変わっちゃいない 映画「スラムドッグ・ミリオネア」

先日書いたスーザン・ボイルは今や世界に名を知られたようだ。
そうしたらもっと前にポール・ポッツというオペラ歌手も同じような番組で勝ち抜いて売れっ子になったのだと教えてもらった。
薬の広告にも出ているんだって、”テレビ見ない人間”はこういうところで遅れを取る。
こういう動画を観て「映画をみているようだ」とおっしゃる人がいる。
まさにそういう「映画を見ているような気持になるほど不思議な現実社会をリアルに描いた」映画をみた。

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「スラムドッグ・ミリオネア」はムンバイのスラム街に孤児として育った青年がテレビのクイズ番組で億万長者になる(かどうかは観てのお楽しみ)という物語だ。

教育もろくすっぽ受けていない、文字をどれだけ読めるかという男がドンドン正解を続けるので不正の疑いをかけられて警察で拷問までされて”自白”を強要される。
疑いを解くために一問づつ、なぜ正解できたかを語っていく。
それは彼の生い立ちを語ることにもつながり、一つひとつのエピソードが連作短編集のように現代のインドスラム街の実相を物語る。
凄まじい貧困、そこで生きるために子どもたちがやらなければならない”悪事”、それを取り仕切る裏社会の残酷さ、、。
最初の10分くらいで、ちょっと参ったなあ、出ようかと言う気になるほど辛い映像が続く。

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それが子どもたち(主人公兄弟とヒロイン)の明るさ、可愛さ、健気さに引っ張り込まれてしまう。
やがてそれは愛と涙の物語、笑いもあって、アクション、スリル、エログロも少々、スピーデイな展開、良く出来たエンタテインメントだ。

それで、この映画のヒロインの子ども時代を演じた女の子が父親によって売られそうになったというニュースを読んだ。
映画の中で描かれたスラム街そのもの、映画の続きを観るような感じがする。

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いったいどこからどこまでがフイクションでどこからリアルなのか、不思議な世の中になったものだ。
奇跡的にスターを生み出すけれど、そのスターが人身売買の対象になる。

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(新橋駅まえ、機関車の広場。ここで待ち合わせをするのは初めてかもしれない。平均年齢が高くて男性比率が高いなあ)

それにしてもテレビ番組が日本でもインドでも全く同じ作りになっている。
司会者の嫌らしいところまでそっくり。
チエジュのホテルで音を消したテレビを眺めていると日本のドタバタ番組かと思う。
テレビ関係者の知恵がないのは世界中同じ?
いや視聴者の方か!
Commented by たま at 2009-04-22 23:48 x
「ムンバイ」が高校で習った「ボンベイ」と同一だったことを知ったのがつい最近だったのです。
「ビルマ」が「ミャンマー」、「ラングーン」が「ヤンゴン」、「セイロン」が「スリランカ」、「ボルネオ島」が「カリマンタン島」、「セレベス島」が「セイシェル島」・・・。ややこしいです!
「シャクナゲ」はやはり漢字の「石楠花」が似合います。たとえ「西洋シャクナゲ」でも。(ホントの石楠花は蓮華色のピンクのはず?。)
Commented by kaorise at 2009-04-23 01:10
日本も少し前まで人権もへったくれもない社会でしたよね。
先輩女性達の苦悩と努力あってこその女の自立だと感謝してます。
たとえ女が生きにくくても甘ったれず、女の慈愛を捨てず、努力を重ねて生きていかねば、次に続く世代に夢を持ってもらえない。
死ぬ時は「伯母さんはアート系の世界で自立して一生を送った」と、そんな生き方もできるのだと身内の子供達に知ってもらいたいの〜
ちっぽけですけど私の夢のひとつです☆
Commented by きとら at 2009-04-23 01:23 x
>世界は変わったようで変わっちゃいない。
 
 新しいものが陳腐そのもので昔の方が新鮮に感じられることがありますね。
 だから歴史などを読むのでしょうが・・。
 
>それにしてもテレビ番組が日本でもインドでも全く同じ作りになっている。
 
 ファッションはどうですか? インドにもガングロがいますか?
Commented by saheizi-inokori at 2009-04-23 07:43
たまさん、映画の中でもムンバイという呼称について冷やかしの発言があったかのようでした。
例に挙げられた名前、私も知らないのが多いですね。
もっとも東京散歩をしていると地名がヘンテコに変えられていてがっかりすることも多い。
このアカボシシャクナゲは台湾原産だそうです。
Commented by saheizi-inokori at 2009-04-23 07:46
kaoriseさん、ちっぽけでもなんでもない素晴らしい夢です。誰にでもかなえられる夢ではないですよ。
まだやってるかな、恵比寿の写真美術館のやなぎみわさんの写真展は自立した女の芸術家の夢という意味でも興味深いです。
Commented by saheizi-inokori at 2009-04-23 07:48
きとら さん、映画で見る限りではガングロそのものは気が付きませんでした。あれは特殊日本的?
しかし、フアッションこそ世界共通、とくにお金持ちほどブランドの高級服にうつつを抜かしているのではないでしょうか。
Commented by convenientF at 2009-04-23 16:18
「機関車広場」の方が年齢が高い理由は、旧称「サラ金通り」を渡ると明らかになってくるんですよね。中高年に優しい店がいくつかあります。
Commented by 旭のキューです。 at 2009-04-23 17:57 x
スラムドッグ・ミリオネアと言う映画、私と交信している女性も見て感激してブログで掲載していました。観てみないといけませんね。
Commented by tona at 2009-04-23 21:22 x
私も今週明けに観ました。
最初からのけぞるほどの映像、並大抵でないスラムの現状に生きた心地しないのに、現実には親のいない子供たちもたくましく生きていくのですね。兄のように悪くなるのが当たり前なのに、愛ゆえか、主人公は兄と違った道を歩んで、さてこのあとはどんな人生を歩んでゆくのでしょうか。インドは中国と違った凄さがあります。
人身売買の女の子の話もタイムリーに話題になってびっくりです。
Commented by saheizi-inokori at 2009-04-23 23:57
convenientFさん、私は新橋では烏森口で待ち合わせるのが常でした。銀座では旭や書店。
烏森神社の前にはいい店があったのだけどなあ。
Commented by saheizi-inokori at 2009-04-23 23:57
旭のキューです。さん、退屈することは絶対ないです。保障しますよ。
Commented by saheizi-inokori at 2009-04-23 23:58
tona さん、映画の続きを観ているようですよね。
Commented by 74mimi at 2009-04-24 02:37
昨日テレビで「スラムドッグ・ミリオンエア」に出た女の子の
父親が「この子を売ろうとしている」と問題にしていました。
映画に出てハリウッドまで来て、インドへ帰ったら又スラムで
住んでいるなんて・・・あの映画はヒットなのに
どうなっているのかと、怒りを感じました。
Commented by saheizi-inokori at 2009-04-24 09:53
74mimi、普通のスラム住人から見たら破格のギャラだったかもしれませんがスラムを抜け出せるほどのものではなかったのでしょうね。
あの映画はインドで撮影したようです。経費を安くするためもあったそうです。
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by saheizi-inokori | 2009-04-22 22:50 | 映画 | Trackback | Comments(14)

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